2横綱が休場し、大関も1982(昭和57)年の初場所以来、38年ぶりに1人となるやもしれぬ世代交代の波を、照ノ富士は気にもしない。「今の自分がどこまで通用するか試したい」。幕内優勝の経験がある元大関は序二段まで落ち、再び十両へ戻ってきた。挑戦者としてわが道を突き進むだけだ。
差した右から美ノ海をひっくり返すように寄り倒して6連勝。「冷静に出られたんで、正面に置いて」。十両の優勝争いを単独トップで引っ張っていく。
けがと病気で番付を下げた。けがの不安は今でも「ありますよ」と話すが、「いつまでも気にしてても。やれるところまでやりますよ」。目標を聞かれても「ない」と受け流す。敵は自分、という感じだ。