ローテクスニーカーの金字塔。最近『ヴァンズ』履いてる?
ご存じの通り昨今はハイテク系スニーカーが隆盛を極め、各社競い合うように最新機能を搭載したモデルを発表しています。ただ、その反動もありローテク系に回帰する人もチラホラ。街を席巻するハイテクモデルに食傷気味なら、今再びローテクの魅力に触れてみても良いかもしれません。流行り廃りとは無縁な不変のカッコ良さだったり、アレコレ考えず履ける気楽さだったりと、改めて“相棒”としての有能さに気づけるはずです。特に「エラ」や「オールドスクール」といった『ヴァンズ』が誇る往年の名作群は、ローテクの代表格として必携! スケートや裏原に傾倒していた若い頃と服装は変われど、同じように足元に寄り添ってくれます。
スケート用シューズの枠を超え、ローテク界の金字塔として燦然と輝く『ヴァンズ』のスニーカー。あらゆる日常着と良好な関係性を築く抜群の安定感は、ベーシック志向のTASCLAP世代にとっては実に心強いものです。その汎用性にはスタイリストなど審美眼に秀でたファッション業界のプロも絶対の信頼を置いており、撮影現場にも“合わせておけば間違いナシ”の定番として頻繁に登場しています。タイムレスという言葉がこれほど似合うアイテムはそうないでしょう。
モデル・ショーゴの足元にはいつもの『ヴァンズ』。でも、どこか違う……?
今季らしい抜け感あるワイドシルエットコーデの足元を飾るのは、お馴染みの「エラ」。見慣れた定番スニーカーですが、履いているショーゴは何だかいつもよりくつろいだ表情です。その理由は、いつも通りのローテクに見えて履き心地が従来のソレとは“段違い”だから。実は着用の「エラ」は2019年春に誕生した新シリーズ「コンフィクッシュ」の逸品で、ローテクな見た目は踏襲しつつもスペックを大幅にカスタマイズしているんです。
ローテクモデルのレトロかつ気負わないデザインは大人にとって好都合ですが、履き心地で見ると最新のスニーカーに水をあけられているのも事実。この「コンフィクッシュ」はそういったジレンマを解決すべく生まれたプロダクトです。『ヴァンズ』が脈々と受け継いできたクラシックデザインに手を加えることなく、軽量性や衝撃吸収性といった機能面をチューンアップ。履き心地は機能自慢のハイテク系にだって引けを取りません。
従来のモデルとなにが違う? 「コンフィクッシュ」で変わったこと
さっぱり顔でも中身は濃厚。そんなロールキャベツ的な魅力を持つ「コンフィクッシュ」が、『ヴァンズ』定番の「クラシック」シリーズと具体的にどう異なるかをさっそくチェックしていきましょう。外観はまったく変わらずとも、スペックは全方位的にパワーアップ!
変わったこと1インソール、履き口のパッド、バンド構造。足に当たるすべてが、新しい
まず内側を見てみると、足に触れるディテールが随所にブラッシュアップされていることに気がつきます。インソールは疲れにくい低反発素材にチェンジされ、土踏まず部分のフィット感を高めるアーチサポート機能も新たにプラス。加えて、シュータンと靴底をバンドで連結させた新構造も快適性向上に一役買っています。履き口の内側部を肌擦れしやすいレザーから滑りの良いナイロンに改良するなど、細かな箇所も抜かりナシ。長時間履いてもノーストレスだから、アクティブに過ごすときもゆったり過ごす1日も、安心して履けます。
変わったこと2コットン100%のアッパーは、最初から履き馴染みの良いソフトな足あたり
パッと見では従来と変わらないナチュラルな綿100%のキャンバスアッパーですが、生地は「クラシック」シリーズよりも薄手の仕様に変更。それにより軽量性・通気性が飛躍的に向上したほか、キャンバススニーカーにありがちな履き始めのカタさも軽減されています。つまり、最初から足にしっくり馴染むというワケです。履き込むたびに深まる味わいはこれまでと同様なので、自分だけの1足に育てる過程もちゃんと楽しめます。
変わったこと3お馴染みのワッフルソールを、軽量なフォームラバーとマッチング
最後に見ていくのはソール。ご覧の通りアウトソールに関しては『ヴァンズ』が十八番とするグリップ良好なワッフルソールを引き続き用いています。大きな違いとしては、新採用となるフォームラバー素材のミッドソールをワッフルソールと一体成形し、極上のクッショニングを叶えているという点。生ゴムの原料を泡立てて凝固させることで生まれるフォームラバーは、超軽量なうえ衝撃吸収性も抜群という優れた特性を備える素材なんです。歩き出せば即座に、これまでとの違いを実感できることでしょう。
いつもの顔だから、気負わず履き替えられる。続々増える“クッシュ”ファミリー
「コンフィクッシュ」で展開されるのは、どれもTASCLAP世代が履き慣れた不朽のベーシックモデルがベース。だから、これまでとなんら変わりなく愛用できます。変わらないデザインの中に先端機能を秘めた“クッシュ”ファミリーの顔ぶれを見ていきましょう。
▼悩んだら。まずは定番中の定番、「エラ」と「オーセンティック」を選ぶべし
ブランドの創立年である1966年に誕生した「オーセンティック」と、その改良版として1976年に発表された「エラ」は、ローテク界きってのマスターピース。ともに完成されたデザインで万能に使えるので、まず押さえておきたいところです。両者の風貌はよく似ていますが、その違いは履き口にアリ。改良版である「エラ」は履き口周りにクッションパッドが入っていて、パッドがない「オーセンティック」より少しだけボリューミーな出で立ちです。
▼ジャズストライプが効いた「オールドスクール」は、シンプルコーデの救世主
『ヴァンズ』史上、初めてアッパーにレザーパーツを組み込んだスニーカーである「オールドスクール」は1977年に誕生。そして、その象徴といえばサイドにあしらわれた“ジャズストライプ”です。波のような曲線を描くことから別名サーフラインとも呼ばれるこのディテールは、ブランドの創設者であるポール・ヴァン・ドーレン氏の落書きから誕生したもの。程良く主張があるデザインのため、シンプルコーデのアクセントとして大いに役立ってくれます。
▼ハイカットの王道「スケート ハイ」とワンマイルの定番「スリッポン」を忘れずに
今も第一線でシーンを彩る名品2足もファミリーの一員としてスタンバイ。1978年に登場し“スケハイ”の愛称で親しまれる「スケート ハイ」は「オールドスクール」を原型とするモデルで、足首を保護するハイカット型のため一段とスポーティな雰囲気です。対する1982年誕生の「スリッポン」は、靴ひもなしの楽ちんさとリラックスした見た目が大きな魅力に。映画『初体験/リッジモント・ハイ』でショーン・ペン氏が着用したことにより注目され、『ヴァンズ』飛躍のきっかけとなりました。
▼少し変わった顔が欲しいなら、この冬ならではの注目カラーを手にしたい
「コンフィクッシュ」では上記で紹介した五大定番にプラスして、旬なムードを投影したシーズンカラーモデルも展開。冬らしい色味を纏ったこちらの「エラ」がそれに当たります。ほっこりとした色合いに加えて、アッパー素材がリップストップクロス×スエードの特別仕様になっているのもこだわりの1つ。ソールはナチュラルなクリーム色で、ヒールパッチもソールと同系色でまとめられています。大人っぽい仕上がりゆえにきれいめスタイルとも好相性!
“変わったこと”と“変わらないこと”。両方手に入る「コンフィクッシュ」が好きだ
永世定番ならではの持ち味はそのままに、ハイテクスニーカー顔負けの性能も宿らせた「コンフィクッシュ」。歴史と現代のニーズを融合した『ヴァンズ』の新提案スニーカーは、履き心地重視のハイテク派にとってもブレないスタイルを貫くローテク派にとっても頼れる盟友となるはずです。ぜひその驚くべき進化を足でダイレクトに感じ取ってみてください。
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※掲載の金額はすべて税抜価格です
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Photo_Shoichi Muramoto
Styling_Eiji Kawasaki
Hair&Make_Masa Kameda[VOICE MANAGEMENT]
Model_Shogo
Text_Satoshi Yamasaki