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【大相撲】

ようやく2勝目の豪栄道 見違えた気力と出足を見せたのは大関の意地か…背水の陣はまだまだ続く…[北の富士コラム]

2020年1月17日 20時11分

豪栄道(左)が押し出しで玉鷲を下す

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◇大相撲初場所6日目(17日・両国国技館)

 幕内前半は単調な相撲が続き、思わずあくびが出てしまった。おまけにけが人が2人も出る。こんな日もあるさと理解はしつつも、自分の大きな体を持て余している力士が多い。

 炎鵬も阿武咲につかまって完封負けした。大味な相撲にうんざりしていたので、小兵同士の熱戦を期待したが、流れは変わらなかった。

 少し炎鵬は疲れが出ているように見える。背中の吸盤の跡が疲労を物語っている。まだ先は長い。私が現役なら、そんなときはガーッと飲みに行ったものだが、今の力士にそんな元気者はいないようだ。

 正代が栃ノ心を相手に堂々の相撲で全勝を守った。2場所前とは別人の感がある。

 阿炎も北勝富士を送り出し、3連勝と調子が出てきた。性格的に調子に乗りやすいタイプだから今後が楽しみだ。

 北勝富士はツラ相撲の多い力士で、負け出すと止まらない。はっきり言えば稽古不足で、化けの皮がはがれてきたということ。押し相撲は人の何倍も稽古をしなければ強くなれない。師匠を見習ったらどうだ。

 朝乃山は妙義龍を右四つ十分に組み止め、連敗を止めた。これ以上負けが込むと場所の盛り上がりに水を差しかねない。

 人気の遠藤は6日目も落ち着いた相撲で、大関返り咲きを狙う高安を突き出して快勝。四つ相撲の遠藤だが、まわしを引くと力を出す高安に対し、徹底的に押す戦法を取った。これはなかなかできることではない。自信のなせる技である。少し早いのは分かっているが、優勝に絡んでくるのは確実と言っていいだろう。

 高安は痛恨の4敗目。もう後がない。後がないと言えば、豪栄道にも同じことが言える。しかし玉鷲を一気に押し出して2勝目を挙げた。見違えるような気力と出足を見せたのは、せめてもの大関の意地であろうか。大関を死守するにはあと6勝もしなければいけない。連日背水の陣が続く。来場所はご当地大阪である。浪花のど根性を見せるか豪栄道。頑張れ。

 貴景勝は御嶽海に攻め込まれたが、またもや執念の粘りを見せ逆転勝ち。今場所は綱渡りのような相撲が多いが、何とか残せるのも好調ということになる。上位との対戦には本領を発揮すると思われる。

 終盤になって激しい相撲が見られてホッと胸をなで下ろしているところである。横綱不在の場所だけに一番一番が大事である。

それではこの辺で。

その前に私事だが、2、3日前から歯が痛み、きょうは医者に行って来ました。虫歯です。とうとう歯にも来ました。目はとっくに老眼です。目に来て、歯に来て、残すは何に来るのだろうか。もうそれも来ているようである。

何だか食欲もありません。寝ます。(元横綱)

 

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