素人がプログラミングに挑んでみて見えた境地

最初に挫折しやすい壁を越えるコツはどこに

エラーを解消できず、頭をひねる記者。複雑なプログラミングを仕上げるエンジニアのすごさを実感した(『週刊東洋経済』編集部撮影)

真っ暗なトンネルに迷い込み、懐中電灯をいくら照らしても一向に明るくならない。もう逃げ出したい――。プログラミング学習を始めてから1カ月後、記者である私が置かれた状況はまさにそんな感じだった。

『週刊東洋経済』は1月14日発売号で「今年こそ始めるプログラミング」を特集。今やあらゆる業種で求められている「プログラミング」の基礎知識を徹底解説している。記者はその発売に先んじて、2019年11月からプログラミングを学習中だ。

通っているのはデジタルハリウッドが運営する「ジーズアカデミー」というスクール。平日と週末のコースがあり、私が通うのは週末コースだが、毎週15時間以上かかると言われる課題を出され、未提出が続くと「退学になる」との噂が飛び交うハードなスクールである。その経緯の詳細は『週刊東洋経済』に書いたが、本稿では同記事では触れられなかった、初心者が最初に挫折しやすい壁と、その構造的な背景、壁を乗り越えるコツについて記したい。

想像以上の難しさを実感

記者がプログラミング学習を始めたきっかけは1年前。社内で新メディアを検討した際、プログラミングを含むWebサービスの知識の必要性を実感したことにある。経済情報をより多くの人に届けるには、デジタルの知識が不可欠――。そう考え、週末に通えるところを探し、上記のスクールにたどり着いた。

学習を始めてまず実感したのが、その想像以上の難しさだった。プログラミングとは、いわば人間からコンピューターへの「命令書」。パソコン上のWebアプリもスマートフォンのアプリも、すべてがプログラミングによって成り立っており、その指示はすべてコード(文字列)で記される。文字を1字間違え、半角を全角にしただけでエラーが表示され、コンピューターはぴくりとも動かない。普段使っている便利なコンピューターが、いかに融通の利かない代物かということを、学習を通じて痛感した。

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  • スナフキン4902932ceab5
    昔はインターネットが無かったからググる事も無かった。とにかく本や知ってそうな人に聞くか、そこは飛ばして他を考えている時に分かる時もある。今の人はこれだけ情報があれば簡単だろうと思ったが違うようだ。確かに向いている人と向いていない人もいると思う。学問としてきちっと学ぶ順序があった方が習得は格段に早いと思う。プログラミングはロジカルシンキングで人生の色んな場面でのトラブルの解消には非常に役に立っている。分かりかければその学ぶスピードは速くなるし疑問の数も飛躍的に少なくなるのでこのライターの人はもう少しです。頑張ってください。
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    2020/1/16 08:41
  • Masa6796138d724c
    私は独学でプログラミングを覚えて,いまではあるベンチャーの技術担当をしているけども,プログラミング学習は「最初のハードルが最も高い」。それを超えれば,少しだけ楽になりますよ。

    意味は分からなくとも,とりあえず動くコードを書けるようになること。記事にもあるように,何か目的を持っていると身につきやすいです。「これを作るのだ」と決めて,それを実現する方法を必死で調べる。言われたことをやってみるだけでは,なぜか身にはつきません。逆に言えば,目的のない人は身につかないし,身に付ける必要もない。

    あとは時間をかけて繰り返すこと。繰り返しに意味はないと思うかもしれませんが,スポーツ選手が反復練習をするように,反復は重要です。
    up80
    down8
    2020/1/16 10:18
  • 黒田家家臣cdd6d4152032
    確かに気軽に質問できる環境は必要でしょう。ただ、プログラミングは本来はサイエンス。でも日本はアートに近い。ちゃんとした学習のためのカリュキュラムが無いことが一番の問題。昔、大学で情報工学を習ったが、その時点でも古すぎて会社に入ってからは全く役に立たなかった。

    WEB系のシステムだったら、HTML、CSSとかプログラム以外にも知ってないといけないことも多い。またWEBサーバーとどのように通信しているかもわかってないと、画面遷移する仕組みも作れないでしょう。

    いいかげんこの辺りでちゃんとサイエンスとして整理しないと無駄でしょうね。アートですから師匠に弟子入りしないと使い物にならないと思います。だから気軽に質問できる場所も必要になる。少人数なら可能な所以です。
    という私もアート派です。
    up60
    down24
    2020/1/16 08:01
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