日本で買えるSIMフリースマートフォンの種類が年々増えている。
以前であれば、国内や海外の大手メーカーの製品がメインだったが、今では海外の新規参入メーカーが増えたことで、様々な製品が国内でも購入できるようになってきている。

発売時期も、以前のドコモなど大手キャリアによる春・秋の新製品だけではなく、メーカー個々の独自スケジュールでSIMフリースマートフォンを発売するようにかわってきている。

その中でも注目なのがOPPO(オッポ)だ。
OPPOは。高コスパの製品を増やしつつも、高画質なカメラや高性能なハイエンドスマートフォンも次々と発売し、日本での知名度も急速に高めている。
日本でのプロモーションにおいても、最新モデル「Reno A」では、製品名の「リノ」をにあわせて指原莉乃さんをイメージキャラクターに採用するなど意欲的だ。


2019年には日本向け専用モデルのReno Aを発売


とはいえOPPOの日本でのシェアは、まだ先行する海外メーカーに比べて大きくない。
このことからも2020年の今年は。今まで以上に日本での販売に注力してくるだろう。

12月にOPPOジャパン代表取締役社長 トウ・ウシン氏は、2020年の日本での取り組みについて、日本市場でより高い販売数を目指していることが明らかしている。

まずは最新技術を搭載した製品を日本にも投入すると明言した。
これまでのOPPOも、2018年にカメラ部を本体に内蔵して、モーターで本体からポップアップする「Find X」を日本でも発売。
2019年にはフロントカメラが扇状に動くペリスコープカメラにより最大60倍ズームを実現した「Reno 10xズーム」を発売している。
どちらもグローバル市場で発表された際に、大きな話題とり、注目された製品だ。
それらを惜しげもなく、日本市場にも投入してきた実績もある。

OPPOは現在、後継モデル「Reno 2」や最新の5Gモデル「Reno 3」を海外で発表、発売している。これらの最新モデルも日本に投入されることは間違いないだろう。

またフロントカメラをディスプレイの中に埋め込み、カメラを使わないときはディスプレイ全面が表示エリアとなる技術も開発中だ。

いままであれば、このような最新の技術を搭載したスマートフォンは、
「どうせ海外限定の販売」
そう、あきらめるしかなかった。

しかしこれからは、海外で製品化、販売開始されれば、日本でもすぐに製品を手にできるようになるだろう。

「オッポは技術がスゴイ」
そんな製品が2020年は次々と出てきそうだ。


背面も美しい海外発売のReno 2。こんなモデルも日本で出てくるだろう


またトウ社長は、日本では高い人気と評価を得る「防水、おサイフ」対応モデルを増やしていくという。

前述のReno Aは日本向けに独自開発されたモデルで、3万円台の価格ながらも防水とおサイフ機能に対応したことで、日本のユーザーや市場関係者を驚かせた。

これまでファーウェイなどの同価格帯モデルでは、グローバル版をそのまま日本で販売しただけであり、日本国内仕様である「おサイフ」機能には対応しない製品がほとんどだったからだ。同価格帯のモデルで「おサイフ」対応モデルを出しているのは世界シェア1位の企業体力と長年日本市場で販売を展開してきらサムスンくらいだ。

グローバル市場で闘う企業にとって、低価格モデルを日本市場向けにローカライズすることは、生産効率やコストの面からみても、非効率で無駄なことともいえる。
しかしOPPOは、日本の消費者に受け入れてもらう製品をしっかりと出そうとしている。
契約者数を増やしたい格安SIMすなわちMVNOキャリアにとっても、OPPOの「防水」「おサイフ」対応のスマートフォンは、消費者に提供しやすく、魅力的なだけに、積極的な販売をするようになるだろう。

最後に日本でも2020年からようやく5Gサービスが開始される。
5Gは4Gや3Gとは異なり、今までよりも高い周波数を使うためスマートフォン内部もアンテナ設計を新規に行う必要があるなど、高度な技術力と開発力が必要となる。
すでに海外ではサムスン、ファーウェイなどが5Gスマートフォンを市場に出しており、OPPOも、すでにヨーロッパなどで5Gスマートフォンをリリースしている。

現状、ソニーやシャープなどの日系勢力は出遅れているため、OPPOは最新の5Gスマートフォンも日本で販売してくることは間違いないだろう。


海外ではすでに5Gスマホを販売中。日本での発売に期待がかかる

5Gでは複数の周波数を使うことなどから、しばらくは大手キャリアから5G契約とのセットで販売されることになると予想される。
トウ社長が「日本で5Gスマホを出す」と話したということは、5Gサービスを提供する大手キャリアとの交渉を通して大手キャリアから製品をだすという意味でもあるだろう。

「5G+大手キャリア販売」が実現すれば、OPPOの日本でのスマートフォン販売数は2020年に大きく伸びることは違いない。

ファーウェイも当初はマイナーな中華スマートフォンという印象しかなかったが、ライカカメラを搭載するなど、製品の品質が高いモデルを市場に投入していくことで日本での知名度を高めていった。
OPPOも、スマートフォンの品質は高く、日本市場向けの「5G」や「防水」「おサイフ」といった機能のサポートも十分できることから、日本でのブランド力は、今以上に上がっていくだろう。

2020年のOPPOは、かなり期待できるメーカーになりそうだ。


執筆 山根康宏