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昨年から、トヨタ自動車の豊田章男社長や経団連の中西宏明会長が、「終身雇用の限界」を訴えている。中西会長は今年の春闘のテーマの1つとして、終身雇用や新卒一括採用など、いわゆる「日本型雇用システム」の見直しを議論すべきだという考えを強調しており、日本の雇用制度・慣行の見直しが経済界全体の関心事として急浮上している。
実際、多くの企業が従来の雇用モデルの見直しに向けて大きく動き始めている。その最初の動きは昨年10月の特集「トヨタも悩む新50代問題 もうリストラでは解決できない」でもリポートしたが、特集掲載後にLIXILグループや味の素が50歳以上を対象にした早期退職の実施を発表するなど、雇用モデルを見直す動きが次々と顕在化してきた。
LIXILグループの瀬戸欣哉社長は、「従来の社会システムが新たな時代に対応できなくなったとき、変革には必ず痛みが伴う。日本は、このまま放っておいたら全てが駄目になるという状況。フェアに考えれば、その時点で会社に貢献している人に高い給料を払うということにならざるを得えない」と改革の必要性を訴える。
50代を中心としたシニア層の処遇を見直す動きがある一方で、新卒でも年収1000万円以上という高給を支払ってでも、AI(人工知能)の活用といったデジタル化に対応するための人材を採用しようという動きもある。人手不足に代表される構造的な変化を背景に、新卒一括採用や年功序列の見直しが急ピッチで進む。
立教大学経営学部の中原淳教授は、「終身雇用をどう見直すのか、賃金をどうするのか、個人はキャリアをどう築くのか。2020年が最大の山場になりそうだ」と話す。オリックスの宮内義彦シニア・チェアマンは現在の状況を、「人事混迷の時代 」と表現する。2020年が、いわゆる「日本型雇用」が大きく見直される転換点となるのは、ほぼ確実だ。
コメント11件
炭酸
生産性に見合わない高い賃金をもらう50代以上の話はよく出るが、この人たちがいる背景には、「若いころ生産性に見合わない安い賃金で働いていた」ことがある。
それ抜きに、終身雇用は限界です、と言っているからおかしな話になる。
z
終身雇用「崩壊」って2020年になってもまだ言われてるんですねえ。
30年くらい前から毎年崩壊してません?
TS
電子エンジニア
>このまま放っておいたら全てが駄目になるという状況。フェアに考えれば、その時点で会社に貢献している人に高い給料を払うということにならざるを得えない
日本は、毎度毎度状況の変化に追われて選択肢が無くなってから「~するしかない、~せざるを得ない
、~しか選択肢が無い」ばかりですね。...続きを読むこのパターンで行く限り、衰退を先延ばしにするだけで反転成長は有り得ず、終身雇用の「崩壊」も文言としてセンセーショナルでは有りますが、単に衰退する中で起きる一事象に過ぎません。
再成長を目指すなら、次世代のビジョンを示す事が最低限でしょう。
AIの利用とかリカレント教育とかは手段であってビジョンでは有りませんから。
寺子屋
終身雇用は日本の大企業についての話で、「働かない高給おじさん」は大抵4大卒の正社員として入った人に限った話だから、それが日本経済全てのように語られるのには違和感があります。
door
日本型雇用よりも、新規事業形態へ対応できない日本型経営の方が問題が大きい。経営者達が他者へ責任転嫁しているだけで、自己批判できてない。
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