大脇幸志郎@0waki余計なお世話ですが、たぶん健康にはなれませんし、お金の無駄なのでやめておいたほうがよろしいかと思います。理由は以下で。Quote TweetYusuke Mitsumoto 光本勇介@Yusuke_Tokyo · Jan 14尿一滴でガン検査が出来るサービスが今月から徐々にスタート。1回9800円。親ふくめ、2ヶ月にいちどやりたい。これで健康でいられるなら安い。もっと安くなっていくだろうし。 http://エヌノーズ.com2:11 PM · Jan 15, 2020·Twitter Web App1.4K Retweets2.5K Likes
大脇幸志郎@0waki·11hReplying to @0wakiあまり細かい話をすると難しくなるので、 http://エヌノーズ.com ここにある「感度85%」「特異度85%」という数字だけをもとに説明します。この数字からはこの検査が「絞り込まれてない大人数の検査にはまったく役に立たない」と結論できます。2108203
大脇幸志郎@0waki·11h言葉の定義は書いてあるとおりです。たとえばぼくは目をつぶっていても感度100%でがんを言い当てられます(全員を陽性にすればいい)。同じように、目をつぶっていても特異度100%でがんがない人にはないと言えます(全員を陰性にすれば)。感度と特異度はセットでないと意味がありません。169155
大脇幸志郎@0waki·11h一般に、検査は感度を上げると特異度が下がります。逆もまたしかり。だから「感度85%、かつ特異度85%」はけっこう悪くない数字に見える。ところが「絞り込まれてない大人数」が対象となると、これではぜんぜんだめです。なぜか。167118
大脇幸志郎@0waki·11h絞り込まれてないというのは、たとえば渋谷のスクランブル交差点で歩いている人を片っ端から検査するイメージです。渋谷だと若い人が多いのでがんがある人は特に少ないでしょうが、まあ細かいことは抜きにして、てきとうに集めてきた人にたまたまがんがある確率はかなり低いです。仮に1%としましょう。161108
大脇幸志郎@0waki·11h問題です。10000人に検査をしたとして、そのうち1%にがんが隠れているとして、「感度85%、特異度85%」の検査で「陽性だった人のうち、実際にがんがある人の割合」はどれくらいでしょう?5%50%72%85%1,031 votes · 12 hours left18397
大脇幸志郎@0waki·11h正解は5%。表のように、85/1570=0.054...となります。もともと1%だったのが5%に上がったのだから悪くない検査かもしれませんが、それでも陽性の95%は偽陽性なのです。183157
大脇幸志郎@0waki·11hで、陽性だった場合に「もっと検査をしよう」となるわけですが、次の検査でもこの調子です。陽性が重なるごとに5%が20%とか30%になっていきますが、たいていの人はどれかで陰性になって「絶対とはいえないが、たぶん違う」という結論で経過観察されます。155103
大脇幸志郎@0waki·11h「無駄な検査が多くても本物のがんを発見できるならいいじゃないか」と思ったら甘い。検査自体の危険性も無視できません。内視鏡で胃や腸に傷をつけるとか、前立腺生検で尿漏れや勃起障害を起こすとか、例は無数にあります。検査は必要なときだけやるものです。181161
大脇幸志郎@0waki·11hここまで要約すると、1万人中の85人のがんを発見するために、その20倍近い人が無駄にたくさんの検査を受け、「がんはたぶんないがあるかもしれない」などと言われてモヤッとすることになります。174154
大脇幸志郎@0waki·11h15人のがんが見逃されていることにも注意してください。検査で陰性でも「大丈夫」とは言い切れません。むしろ安心してしまって発見が遅れるかもしれません。またここまでの議論では、いまはなくても将来がんになる可能性はまったく考慮していません。159132
大脇幸志郎@0waki·11hがんが見つかった85人はラッキーだったか。そうとは限りません。ほっといてもいずれ見つかりますし、それから治療しても結果は同じかもしれない。「早期発見すれば治るが遅れると治らない」というのはごく一部についてしか成り立たないことです。155102
大脇幸志郎@0waki·11h一般に検診が推奨される大腸がんのデータの例。https://ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28236467 検診をしなかった場合、大腸がんがあった人のうち30%ほどが研究期間に亡くなりましたが、検診をしたグループでは28%ほどでした。14789
大脇幸志郎@0waki·11hここで「研究期間の」死亡しか見てないことに注意してください。「早期発見して助かった」というのは永遠に生きるという意味ではなく、余命が「研究期間からはみ出すくらいに」伸びたということです。その差は数ヶ月かもしれないし数年かもしれない。14491
大脇幸志郎@0waki·11h1人でも命を伸ばせるならいいのかもしれません。その1人のために1万人が1万円の検査をしているので1億円かかっています。1500人は間違った検査結果を聞かされ、その中には検査で事故に遭う人とか不安で生活を壊す人もいるかもしれません。150102
大脇幸志郎@0waki·11h「1億円で命が数ヶ月伸びるなら安い、事故なんか気にしてられるか」と思う人は止めませんが、その取り引きには前提として、人生が1万回なければいけません。実際には1回ですので、99.99%ほどの確率で、無駄遣いに終わります。ですのでおすすめできません。以上です。254130
大脇幸志郎@0waki·11h補足。本当はがんの種類ごとに早期発見の意義はぜんぜん違います。大腸がんはトップクラスに好意的な例です(しかも大腸がんについてさえ過剰なくらい好意的に書いてます)。また、この検査でどうやって診断に結びつけるのかも疑問です。実際はもっと利益は薄いか、おそらくはマイナスだと思います。162139
K2@Dr_ex_convict·10hReplying to @0waki端的に纏まっていて最高です。ただここまで詳しく書いても多くの方には理解されなさそうですよね、、。個人的には15種類もの癌を対象にしておいて感度85%と言い張るのも疑問ですが、特異度85%ってそれ他の血液腫瘍マーカーよりもさらに低いのにスクリーニングで使おうとよく提案できるな!?って驚愕1035
イエーガー@ライファンも同じ名前でやってます@Jaeger75·1hReplying to @0waki比較対象として、現在既に行われているガン検査では感度と特異度はどの位なんでしょうか? それがないと私の様な素人には、この検査が"既にある他の検査と比べてどうなのか"判断できません。9
ことポエム 整体介護福祉士@KotoPoem39·57mReplying to @0wakiとても素晴らしい知識ありがとうございます。 スパロボならば命中率85%ならば必ず外れますからね(個人差あり)。 果たしてこのような胡散臭い検査の何が良いのかと。3