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あたしの可愛いモン娘たち 作者:クロべぇ
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07.部下募集中!

 起きた!

 ちび麒麟のもふもふに包まれていい目覚めだ。

 なんとなく今日は楽しいことが起きそうな予感。

 さて、着替えはいいかな。

 このシルクの服はそのまま普段着でもいけそうだ。

 白く、薄く、肌触りがいい。

 それでいて透けることもない。いいものだなあ。


 とりあえず、リリアさんのところへいってみようかな。

 ノックをして部屋に入ると、昨日と同じ羊っ娘が看病していた。

 この子も名前ないんだろうなあ。


「ユウナ様、おはようございます。ゆっくりとお休みになられましたか?」

「おはよう、よく眠れたよ。もしかして昨日からずっとここにいるの?リリアさんの様子はどうかな?」

「はい。昨日は悪夢を見られていたようなので、それを打ち消しておきました。しかし、その影響で今日1日は眠りについたままかもしれません」

「悪夢を打ち消す?そんなことができるんだ」

「はい、わたしは夢や眠りに関する力を使うことが出来ますので」

「そうなんだ、リリアさんがよくなったらわたしもお願いしようかな」

「はい、いつでもお任せください」


 なんだかすごい力を持ってるんだなあ。

 眠れない夜はこの子の数を数えるだけでもよく眠れそうだ。

 こんな優しい力を持ってる時点で悪者じゃないってわかるね。


「一晩中看病してくれたんだよね?あなたも疲れてるでしょ。しっかり休んでね」

「はい、これから休もうとしていたところです。その前にユウナ様にお会いできてよかったです」

「うん、あたしも会えてよかったよ」

「あ……。それでは失礼いたしますね」

「うん、またね」


 顔を赤らめて去っていく羊っ娘。

 あの反応は?あの子も脈ありなのかな?

 うーん、朝から幸せ。

 リリアさんを見ると、安らかな顔で眠っている。

 今日もお話しできそうにないけど、あの子のおかげで大丈夫そうだ。

 悪夢ってきっとあたしのせいだよね……。

 さっきの子みたいに解決できる力を持った子が他にいないか探してみようかな。


 部屋に戻って少し待つと朝食がやってきた。

 今日持ってきてくれたのは……鳥さん?

 顔はまんまかわいらしい女の子なんだけど、手が羽だ。

 手の平がなく、肩からおっきな白い羽が伸びている。

 その羽が器用に料理のワゴンを運んでいる。

 着ているのはノースリーブのワンピースだろうか。

 スカートから伸びている足は鳥のものだ。指が3本?

 とりあえず、何の鳥かは不明だ。

 そもそもこの子は飛べるのだろうか?物理的に無理なような……。


「ユウナ様でしたよね?昨日はよく眠ることが出来ましたか?」

「うん、いいベッドだからよく眠れたよ」

「それはよかったです。ここにあるお布団はわたしの羽毛で作ったんです」


 わお、鳥っ娘の天然羽毛布団。

 綺麗でやわらかそうな羽だものなあ、そりゃあ気持ちいいや。


「そうなんだ……。たしかに気持ちよさそうな羽……。触っていいかな?」

「え!?あ……はい……。では急いで料理を並べますので、その後で!」

「あ、急がなくていいよ。ゆっくり用意して」

「は……はい……」


 なんだか大慌てで昨日の夕食の食器を片づけている。

 急にテンション上がったみたいだ。

 昨日の犬っ娘のように触られると嬉しくなったりするのだろうか?

 しかし、あの羽でどうやって物をつかんでいるのだろうか?

 それもあわせてじっくり見てみたいものだ。

 あ、今日の料理もおいしそう。

 予想通り野菜ばかりだなあ。あ、でも目玉焼きがある?


「今日は卵があるんだね」

「はい!わたしが今朝産ませていただきました!」

「え!?」


 目の前にいるこのかわいい子が産んだとな?

 ちょっとびっくりして固まるあたし。

 ていうか、食べられていいのかな?

 このあたしの反応で鳥っ娘は少し慌てたようだ。


「あ、もしやお嫌だったでしょうか?ちゃんと綺麗にして火も通してあるのですが」

「いや……ちょっとびっくりしただけ。でも、産んだ子なのに食べられて平気なの?」

「あ、それはご心配なく。これは命の宿っていない無精卵ですので」

「そ、そうなんだ……。じゃあ遠慮なくいただくね」

「はい!どうぞお召し上がりください」


 ふーむ、つまり生まれてこない卵なのか。

 なんていうか、ほぼ人の形した鳥さんの口から言われると、少しどきっとするな。

 これはおいしくいただくとして、まずは……。


「あ、食べる前に……触らせてもらっていい?」

「あ……はい……」


 鳥っ娘はあたしの前に羽を差し出してくる。

 おお、ふわふわしてそうだ。

 では遠慮なく……。


「ひゃうんっ!」

「あ、ごめんね……。そんな強く触ったわけじゃないんだけど」

「いえ、すいません……。人に触られるのがこんなにもくすぐったいというか気持ちいいというか……。あまりも予想外で」

「そ、そっか……。あまり触らないほうがよさそうだね」

「あの……ごめんなさい」

「いいのいいの、じゃあ食事いただくね」

「はい……」


 触ったのは一瞬だけど、羽は予想通りふわっふわだった。

 でも……いちいちこんな反応をされていては、感触を楽しめないな。

 不思議な子たちだなあ……。


「それでは失礼しますね」

「うん、ありがとねー」


 さあ、1人で食事をいただくか……。

 そういえばちび麒麟はいつの間にかいなくなってるな。

 一緒に食事をしてくれる子を早く見つけたいかも。

 あ……リリアさんともまた食事したいな……。

 できるといいなあ……。

 っと……切なくなってはいけない。

 食事は楽しくね。

 うん、この目玉焼きおいしいぞ。

 1日に何個産むのだろう?

 これを食べさせてくれたことで、歓迎されているようでうれしい。

 というわけで楽しく食事完了。


 さて……なにをしようかな?

 とりあえず、キキョウのお花のお水を変えておく。

 今日はあの犬っ娘に会えるかな?

 いや、会いに行けばいいのか。

 お城は自由に歩いていいって言われたし。

 よし、行こう!


 コンコン。

 あら?行く前に誰かが来たようだ。

 だれかな?


「はーい、どなたー?」

「あの、ユウナ様にご挨拶がしたくて……」


 おや?この猫っ娘はもしやあたしが助けた子?

 1人かな?


「とりあえず入ってー」

「はい、失礼します」


 部屋の中でじっくりと見つめる。

 うん、間違いなくあたしが助けた子だ。

 ふわふわくるくるした栗色の髪が肩まであり、頭には猫耳。

 お尻からは尻尾が出ている?服に穴があけてあるのかな?

 着ているのはパジャマみたいかな?寝てたんだろうな。

 でも……大丈夫なの?


「あたしが助けた子だよね?元気になったのかな?」

「はい、おかげさまで無事に帰ってこれました。魔力を奪われていましたが、城の皆が少しずつわけてくれたのでもう大丈夫です」


 ほうほう、魔物達は魔力を分け合えるんだね。

 なんていうか、みんな優しいんだなあ。


「そっかあ、心配してたんだけど大丈夫そうだね。でももう1人は?」

「あの子は双子の弟なのですが、少しショックが大きくてまだ寝ているんです」

「そっか、少し心配だね」

「でもこのお城にいればすぐに治りますよ。心配無用です」

「そっかぁ、よかった」


 よかった……。

 この元気な姿を見ただけであたしがやったことが間違ってないと思えた。

 あ、なんで捕まったか聞いておこうかな。

 話したくないかもしれないけど、今後の参考にしたい。


「とりあえずお話ししよう。そこに座って」

「あ……はい」


 猫っ娘をソファーに座らせてあたしも隣に座る。

 なんだか緊張してるみたいだなあ。

 仲良くくっつきたいところだけど、やめておこう。

 話すらできなくなる恐れもある。


「ねえ、思い出すの辛いかもしれないけど、どうして捕まったか教えてくれる?みんながこれから捕まらないように知っておきたいの」

「はい……大丈夫です。わたしと弟は動きが早いので偵察部隊に所属しています。それで、今建設中の砦を偵察してたんです……」


 そう言って猫っ娘は語り始めた。

 なんていうか……あたしの予想がそのまんま当たっていた。

 偵察中に崖から落ちた人間を見つけたそうだ。

 この子は治療ができるらしく、怪我を治した。

 そして、あたしの先輩勇者とやらに見つかって捕まったらしい。

 むう、人間は恩を仇で返したか。

 よし、あたしは間違っていないとまた一つ証明された。


「大変だったね……。それで、その勇者はどうだった?あたしも戦うことになるかもしれないから知っておきたいんだ」

「実はよくわからないのです……。気がついた時には体が重くなって……全く動けなかったのです。そのまま抵抗もできずに捕まりました」

「なるほど……」


 たしかその勇者は重力を操る力を持ってるとリリアさんが言っていた。

 周りの重力を強くされて動けなくされたんだろうな。

 ふうむ、なんか強そうだぞ。

 でも、これ知ってるだけでも少しだけ有利だよね。

 さて、次はこの子についてだ。

 部下にしたいな―。

 治療できるって言ってたし、勇者のパーティーに回復役は必須だ。


「いろいろ教えてくれてありがとうね、参考になったよ」

「いえ、この程度でよろしければ」

「ところでね、あたしの部下になってくれる人を探してるんだけどさ……よかったら……」


 んー、なんか告白してる気分になるぞ。

 断られたらどうしようという感じが似ている。


「わ、わたしをですか!?えと……えと……」

「嫌……かな?」

「い、嫌だなんてとんでもない!ただ……あの、その……」


 すごい慌てようだなあ。

 これは喜んで慌てていると思っていいのかな?


「ちょっと落ち着いて。慌てなくていいからね」

「あ、すいません。えっとですね……嬉しいのですが、この状態だとわたしが捕まったおかげで抜け駆けして部下にしてもらうようでずるいと言いましょうか……」


 抜け駆け?ふうむ、ずるくはないと思うけど、ずるい気分なのかな?

 じゃあ、ちゃんとみんなの中から面接でもして選べってことだろうか?

 こういう時はグリモアさんに相談かな。


「わかった。じゃああなたが納得する形で選ぶね」

「え?あ、はい……おねがいします」

「ちょっとグリモアさんに相談しようと思うんだけど、どこにいるかな?」

「それでは呼んできますね、待っていてください」

「うん、お願いね」


 小走りで部屋を出ていく猫っ娘。

 足音をほとんど立てずに素早く動いたぞ。

 たしかに偵察に向いていそうだ。

 しばらく待って、グリモアさんが部屋にやってくる。

 さっきの出来事を話した結果……。


「それでは、部下になりたい人の募集を貼り出しましょう。その後でユウナ様に何人か選んでいただいて、面接をしていただくということで」

「ふむふむ、じゃあそれでいこう」


 あっさり決まった。

 グリモアさん、こういう展開になるとわかっていた感じだった。

 あたしの部下になりたい人ってそんなにいるのかなあ?

 部下だとあたしは上司?って言うかご主人様か。

 あ、そういえばグリモアさんはなんで名前があるのか聞いてみよう。


「ねえ、グリモアさんの名前はだれが付けたの?」

「ヴェリア様です。わたしはずっとあの方にお仕えしてきました。そして、そのまま一生仕えたいと思い、名付けていただきました」

「なるほど、ヴェリアさんが好きなんだね」

「まあ、そういうことです……」


 きりっとした真面目な委員長とでもいった感じのグリモアさんの顔が一瞬だけ少しほころんだ。ちょっとかわいかったぞ。

 でもそうすると、人間と違って女性同士で好きになっちゃいけないって教えはなさそうか?よし、リリアさんに言われたあの時は絶望したけど、今回は希望が持てそうだ。


「それではユウナ様。募集文書を作りますね」

「うん、なにかに書くのかな?」


 お?グリモアさんの手元に白い紙が出てきたぞ。

 そして、そこにあたしの絵が浮かび上がり、部下募集中の文字が……。

 おおお?なんだこりゃ?


「すごいね……そんなことできるんだ」

「はい、作戦などを皆に伝える際、このように文書で渡すと効率がよいのです」

「すごい能力を持ってるんだねえ、さすがは参謀さんだ」

「はい、これでヴェリア様のお役に立てています」


 うーん、とても優秀なプリンターといった感じだ。

 本とかも作れそうだなあ。

 では、ポスターに書く文を決めよう。

 どうするかな……。


1.まずは女の子募集

2.基本的に一緒にいてくれる子

3.触らせてくれる子


 とりあえずこれを書いてもらった。

 ちょっと欲張ったかな?


「ユウナ様、この文ではおそらくほとんどの者が来てしまうと思います。もう少し厳しくした方がいいと思いますよ」

「え!?」


 なぬう、みんなずっと一緒にいて触らせてくれるってことかい?

 うーむ、予想以上に期待されてるの?

 じゃあ……えっとえっと……。


4.面接では服を脱いでの身体検査もあります。

5.キスされてもかまわない子

6.あたしのわがままをたくさん聞いてくれる子


「これならどうだろう?だいぶ欲張ってみたけど」

「なるほど、これなら最初は恥ずかしがって遠慮する者もそれなりにいそうです」


 最初だけなのか。

 というかいいのか……。

 むー、早く面接したいぞ。


「それにしてもユウナ様は、我々魔物にとって理想の人間ですね」

「え?そうなんだ。おかしくないのかな?」

「おかしいところなどありません。それもこれからの皆の反応でわかっていただけると思います。それではこれを貼り出しますね。お昼に希望者を広間に集めます」

「うん、お願いね」

「それでは失礼いたします」


 ふう、お昼が楽しみだ。

 それにしてもグリモアさん、見た目通り頭いいなあ。

 判断も早いし、いろいろと相談させてもらおう。

 リリアさんを無事に帰す方法も見つけてくれる気がする。


 よし、面接に備えて準備をしよう。

 部屋の片づけ……はしなくていいな。

 身だしなみ……よし、髪をといてと……。

 ここには鏡もブラシもあるぞ。なるべく綺麗に見えるようにしよう。

 化粧はないか……あってもやり方知らないけど。

 あと体も綺麗に……ここはお風呂なさそうだなあ……。

 とりあえず体を拭こうかな。


 服を脱いで、下着も脱いで全裸になっちゃうあたし。

 えっと……下着を変えたのは昨日の朝か。

 うん、そんなに臭くはないな。

 なんとなくだけど、いい素材で消臭効果とかありそう?

 あたしの世界みたいな技術はないんだろうけど、なんとなくそんな気がする。

 でも、下着の替えも用意してもらえばよかったな。

 とりあえず今日はこれでいくか。


 あたしはタオルを水差しの水で濡らして体を拭く。

 うーん、気持ちいいなあ。

 よし、綺麗になった。

 さ、下着をつけよう。ストッキングは無しでいいや。

 生足で勝負だ。


 えと……。

 リリアさんやメイドさんに着けてもらった時はとても綺麗な胸になったのに、今はいつも通りだなあ……。ブラ着けるのにそんな技術がいるの?うう……リリアさんにまた着せてほしいな。

 そのためにもがんばろう!


 無事に着替えた後、面接で聞くことを頭の中でまとめて過ごした。

 グリモアさんに紙とペンをもらっておくべきだったな。

 とりあえず頭に刻みつけておこう。

 公平に面接しなきゃね。

 そんなこんなでお昼になったっぽい。


 今日お昼を持ってきてくれたのは男だった……。

 えっと……狼男?今日は満月じゃないと思うよ。

 でも昨日の魚男と同じく紳士であった。

 襲われることもなく準備完了。

 でも一応会話してみようか。


「ねえ、あなたたちも同じような食事なの?お野菜ばっかりの」

「基本的にはそうですね。しかし時々、肉を食べたい希望者が集って狩りへ行きます」

「おお、それは楽しそうだ」

「ユウナ様も肉が食べたい際にはぜひ参加されてみてください。肉をここへ持ち込むと嫌がる者もいるため、外で食べることにになりますが」

「うん、行ってみる。あたしもお肉食べたいから誘ってね」

「はい。来ていただければ皆はりきると思いますよ。では、失礼します」

「ありがとねー」


 お肉も食べられることに安堵する。

 男相手でも話しかけてみるものだ。

 軟派な男は嫌だけど、あんな風に紳士的に会話できるやつなら問題ないな。

 うーん、いいところだ。

 さて、美味しいお野菜を食べましょう。


 ふう……。おなかいっぱいだあ。

 野菜だけとはいえおいしすぎるよ。

 幸せ。

 さて、リリアさんの様子を見に行ってみるかな。


 ノックしても返事はないので、そのまま侵入。

 やはりベッドで寝たままみたいだ。

 うん、安らかな顔してるね。

 でも、食事はどうしてるんだろう?

 なんとなくだけど、栄養をあげるような便利魔法がありそうな気がする。

 魔力を分け与えたりできてるんだもんね。

 よし、部屋に戻るかな。


 少し待つとグリモアさんが現れた。

 大広間に連れていかれるあたし。

 さーて、何人くらいいるのかな?


「ユウナ様、本日は条件を厳しくしたので集まったのは20名ほどです。それと仕事中のために募集文をまだ見ていない者や、見ても今日来られない者も半分以上おりますので、また次回もお願いいたします」

「う、うん……。なんか緊張するなあ」

「皆も緊張していると思います。じっくりと選んであげてくださいね。皆にとっては、とてもだいじなことなのです」

「わかった……」


 20人かあ、たくさん選んであげたいけど今日は数人が限界なのかな。

 時間をかけて決めてあげないといけないもんね。

 昔お母さんに言われたことを思い出す。

 ペットを飼うなら、ちゃんと最後までお世話をする……。

 いや、今から選ぶのはペットではないのだけど、そういうことのはず。

 いざ!


 部屋に入ると、皆が一斉に見つめてきた。

 こんな注目浴びるのは、北の都ノースリアで凱旋した時以来か。

 でもあの時とはまた違う。

 皆の期待の目がすごいぞ。

 うーん、ぱっと見でいろんな動物に、人魚、タコ、虫?

 いろんな魔物がいるぞ。

 あ、猫っ娘発見。

 犬っ娘はいない模様。少し残念だなあ。


 この子たちに共通しているのは、みながみな可愛いということだろうか。

 まずはそれぞれとお話をして、候補を絞る。

 猫っ娘はもう決めてるんだけどね。

 あとは……人魚っぽい子と蚕っぽい子を選ぶ。

 人魚っぽい子はなんかもう見た目が好みだったからだ。

 あたしの大好きなお友達、可奈ちゃんに少し似ている。

 蚕っ娘はあたしの今着ている服を作ってくれた子だった。

 いろんな服作ってくれるみたいなんだもん。

 なによりこの中で一番若く見える。

 おねえちゃんと呼ばせたい子ナンバーワンなのだ。


 選んだ子をグリモアさんに伝えて、あたしは部屋に戻る。

 目の前で発表すると、悲しむ子の顔を見ることになるってことでグリモアさんが配慮してくれた。優しいね。

 各自に手紙入りの封書を渡して、部屋で開けさせるらしい。

 なんだか合格通知っぽいなあ。

 その中に2次面接の案内か、不合格通知が入っているようだ。

 それを魔法的な力であっさり作るグリモアさんがとっても便利だ。


 さあ、部屋で待とう!

 まずは猫っ娘が来るぞ。

 もうあたしの中では採用決定だけど、ちゃんと面接をしよう。

 一応向こうからお断りしてくる可能性もあるしね。

 あたしは自分をすべてさらけ出すんだ。

 うふふふふっ、楽しみだ。

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