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2020年01月15日

【人を動かす】『神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り』星 渉


B07V2KV7MM
神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中の「武器になる仕事術フェア」の中でも人気の1冊。

タイトルがダジャレ風なのが個人的に引っかかっていたのですが、いざ中身を読んでみたところ、かなり濃厚なコミュニケーション本でした。

アマゾンの内容紹介から。
価値観の対立を超越する「最強の質問」とは、「他人の悪口を言わないほうがいい」科学的な根拠、誰からも好かれる「好意の返報性」をフル活用、どんな相手にも「神対応」できる4つのルール、ほか。心理学・脳科学に裏付けされた科学的に「人の心を動かす」伝え方。

中古が1000円以上しますから、このKindle版が700円弱、お買い得となります!





One to One (or a defined many) communication / Wesley Fryer


【ポイント】

■1.「絶対に否定をしない」+「最後まで話を聞く」
 相手に「安心感」を与える方法として、「絶対に否定をしない」こととセットで行うと、相手に絶大な安心感を与えることができる最強のメソッドがあります。それは、誰もが一度は「これが大切だ」と言われたことがあるにもかかわらず、実行できている人が圧倒的に少ない行動。
 そう、「最後まで(相手の)話を聞く」ことです。
「絶対に否定をしない」+「最後まで話を聞く」
 これを実行するだけで、あなたはあなたと関わる人に絶大な安心感を与えることができます。そして、その絶大な安心感は、そのまま「あなたの人望」となるのです。
 もしあなたが「誰かにアドバイスして相手にその通りに動いてもらいたい」「あなたのアドバイスを素直に実行してもらい、成果を挙げてもらいたい」と思っている場合は、特にこの「最後まで話を聞く」が重要になってきます。
 なぜなら、人は「自分の考えていることをすべて吐き出さないと、新しい考えを納得して受け入れることができない」からです。


■2.話しかけられたら足や腕をほどく
 人から何か話しかけられたり、相談されたら、まずは自分が腕を組んだり足を組んだりしていないかを確認すること。それだけで、相手のあなたに対する安心感は大きく変わります。
 ここで、絶対的な信頼を勝ち取れる「とっておきの裏技」を1つお伝えしましょう。
 それは、相手が話しかけてきた時に、自分がもし足や腕を組んでいる状態だった場合に、相手にわかるように組んでいた足や腕をほどき「どうしたの?」と返事をすることです。
 相手からすると、自分が話しかける前までは、足を組んだり、腕を組んだりしていたのに、自分が話しかけたら、それをほどく。つまり、ブロックもしていないし、高圧的でもなく、親身に耳を傾けてくれたという印象を与えることになります。その態度の変化が相手の目に見えることで、相手は安心して頼るようになり、ひいてはそれが人望へと変わるのです。


■3.相手の目を見てうなずく
 では、「あなたのことを大切にしている」という気持ちが伝わる「聞く姿勢」とは?
 勘の鋭いあなたならば、もうおわかりですよね。
「目を見て、話を聞く」
 当たり前かもしれませんが、これが「相手の自己重要感を満たす話の聞き方」の王道です。ただし、〝普通に〟目を見て話を聞くだけではダメです。
「目を見て、〝うなずきながら〟話を聞く」
 この「うなずきながら」が非常に重要なポイントです。
 特に日本人は「相手の目を見る」ことが苦手。でも、相手から見れば「目を見ない」=「興味がない」という印象を持ってしまうのも事実。「目を見る」ことは、相手の自己重要感を満たすうえで、基本にして一番強力な方法です。
 そして、そこに「うなずく」がセットになると、相手は「うなずいてくれている」=「話をちゃんと聞いてくれている」と認識します。
「話をちゃんと聞いてくれている」=「自分は〝話を聞いてもらえる存在〟なんだ」と自己重要感が満たされるわけです。


■4.「痛み」は即断・即決を生み「快楽」は継続を生む
(1)「快を得る」(ために動く)
(2)「痛みを避ける」(ために動く)
 この2つをうまく使い分けることができれば、私たちの周りにいる人たちが迅速に、かつ継続的に思い通りに動いてくれるようになります。(中略)
 この「快を得る」ためのパワーをもとにした行動は「継続性」に優れています。
 一方で、「痛みを避ける」ためのパワーは、「安心感」や「自己重要感」が損なわれる、傷ついてしまうから動かなければ! というイメージです。
「痛みを避ける」という感情は「瞬間的」な行動を起こすうえで大きなパワーになります。
 半面、「ずっと安心感がない、自己重要感が傷ついたまま……」と思いながら動き続けることは、心身ともに疲弊してしまい長続きしません。ですから、「痛みを避ける」パワーはあくまでも相手の「動き出し」の際にだけ引き出すようにする。
 いざ動き出したら「快を得る」ための継続的なパワーに切り替える。
 これが人の心を動かすコミュニケーションの理想です。


■5.価値観が対立したら相手の背景を理解しようとする
 相手が「なぜ、そう思ったのか?」の背景を理解しようとする姿勢は、相手に安心感を与え、自己重要感を傷つけることもありません。
 そして、あなたに対して「自分がなぜそう思ったのかを理解してくれた」と感じれば、自分の答えに固執せず、こちらの話に耳を傾けてくれます。
 人が固執しているのは自分の意見そのものというより、「自分が理解されていない」という〝思い〟の部分なのです。
「なぜ、そう思ったのか、教えてもらえますか?」
 あなたの価値観からは考えられない答えや意見が出てきた際には、シンプルにそう聞けばいいだけです。それが相手にとっては「自分のことを理解しようとしてくれている」ことの証になるのです。
 相手にとって大切な「そう思った理由」を聞こうとしてくれる姿勢は、あなたへの信頼に変わることを覚えておいてください。


【感想】

◆当ブログでは過去、コミュニケーション本、中でも「人を動かす」系の作品は、それなりにご紹介して参りました。

それだけに、新刊を読んでも「はいはい、その話ね」となることも、実は結構あります。

それでも今般本書を読んで、初めて知るTIPSがいくつもあり、「これは侮れないぞ」と思った次第。

結果として、既知の分も含めて、かなりのハイライトを引くことになりました。

まったくもって、ビジネス書らしからぬ装丁や、ダジャレ風のタイトルに騙されましたよ……。


◆ただしTIPS自体は、納得感大。

たとえば上記ポイントの1番目の「否定しない」というのは、類書でも目にしていましたが、「最後まで話を聞く」をプラスするのは初めてかもしれません。

確かにそこの最後にあるように、「自分の考えていることをすべて吐き出さないと、新しい考えを納得して受け入れることができない」というのは、理にかなっているかと。

その際付け加えるのが「他にもっと話しておきたいことはありませんか?」というフレーズです。
 相手にこの質問をすることで「私はあなたの話を聞く気持ちがありますよ」という姿勢がさらに伝わります。
これはぜひ試してみなくては。


◆また上記ポイントの2番目の「足や腕をほどく」というのも、そもそも「足や腕を組んでいてはいけない」というTIPSならいくらでも見たことがありました。

しかし本書ではそのさらに上をいく、相手の目の前で「壁」を解除するべく「足や腕をほどく」ことを推奨。

……これは逆に、一人でいるときは、話しかけられた時に備えて、事前に手や足を組んでおこうかと(違

一方上記ポイントの3番目の「相手の目を見て」「うなずきながら」話を聞く、というのも、相手から見たら高感度高そうな。

比較的女性の方が、相手の目を見て話したり聞いたりできますが、逆に男性でこちらがしっかりできたら、相手の「自己重要感」も満たされると思います。

もちろん、理屈は理解できても、それが実践できるかは、また別なのですが。


◆そして、上記ポイントの4番目の「痛み」と「快楽」の使い分けも、私は初めて知りました。

ただし、「痛み」を与えるだけでは、疲弊してしまうのでダメなのだそう。
  痛みを与えて動かすなら、動いた時にその2倍、「快」=「安心感や自己重要感」を与えてあげることがポイントです。
 世の中には〝痛みを与える〟だけで人を動かす人もいますが、そのような人は例外なく、人望も信頼も忠誠心も得ることはできていません。
なお、本書の具体例では、奥さんが旦那さんに子供の前でタバコを吸うのをやめてもらうため、「痛み」と「快楽」を用いて上手に誘導していますからご確認ください。

さて、こうした本書のTIPSを実践できれば、基本的には対立は起こらないと思いますが、それでも起きたらどうするか?

覚えておきたいのが、上記ポイントの5番目の「相手の背景を理解しようとする」こと。

あからさまな対立まではしなくとも、決めつけや断定をしがちな方は、留意すると良いと思います。


人を動かしたい方なら、要チェックな1冊!

B07V2KV7MM
神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り
第1章 科学的に「人の心を動かす」絶対条件
第2章 あらゆる「人間関係の悩みが消える」伝え方
第3章 自然と味方が生まれ「誰からも好かれる」伝え方
第4章 相手が「自分の思い通りに動いてくれる」新世界へ
第5章 相手の人生さえも変える「究極の神トーーク」


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【心理術】『仕事もプライベートも 「思い通りにならない相手」を動かす心理術』水島広子(2014年05月05日)

「運のいい人にはワケがある! 運を鍛える《ゴリラ》の法則」 リチャード・ワイズマン(2005年07月13日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B07CRYHLZQ
欧州ポピュリズム ──EU分断は避けられるか (ちくま新書)

テーマ的にやや硬めですが、4つとはいえレビューすべてが星5つという高評価作だけに要チェックかと。

「65%OFF」の「299円」というお手軽価格ですから、このKindle版が400円強、お買い得となります。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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