萩生田文科相、選挙ポスターめぐる金の不可解

公費負担の仕事受けた業者が選挙時に限り献金

萩生田光一・文部科学相がポスターの印刷を依頼した業者との関係とは(撮影:尾形 文繁)
選挙の際に立候補者のポスター代金を公費負担する制度をめぐり、「候補者側からの請求金額が過大だ」「水増し請求ではないか」といった疑念がつきまとっている。そのため、地方選挙では住民監査請求が引きも切らない。
この問題に関連し、2017年の衆議院選挙で東京都から選出された現職議員37人(小選挙区と比例復活)の実態を調べたところ、萩生田光一・文部科学相(24区・自民党)は2014、2017年の衆院選において、ポスター印刷を契約した業者からほぼ同時期に政治献金を受けていたことがわかった。
選挙制度に詳しい専門家は「業者と候補者が事前に何かを話し合っていたら詐欺罪になりかねない」と指摘している。

萩生田氏のポスター 本業「飲食店経営」が受注

選挙ポスター公費負担『100万円超』への大疑問」(2020年1月11日配信)で既報のとおり、2017年の東京都から選出されている現職議員37人のうち9人は、公費負担制度で認められた限度額いっぱいを請求している。1枚当たりの単価も印刷枚数も規定の上限だった。

取材記者グループ「フロントラインプレス」が公表資料や情報開示請求で得た公文書を分析したところ、萩生田氏は2014、2017年の選挙の際、地元八王子市内のA社とポスター印刷の契約を結んだ。A社のホームページには事業内容として「デザイン・印刷広告」と記されているものの、本業はパブなど9店舗を経営する飲食業だ。

ところが、A社は実際に印刷をしておらず、この2回の選挙とも、同じ八王子市内の印刷業者B社にポスター印刷を“下請け”発注した。公職選挙法の規定では、法定ポスターには印刷責任者名をポスター表面に記載する必要があり、2014年も2017年も萩生田氏のポスターにはB社の社名が記されている。

このB社は毎年のように萩生田氏側からパンフレットやビラ、講演会ポスターなどの印刷を請け負っている業者だ。では、なぜ、この2度の選挙において萩生田氏側はポスター印刷をB社に直接発注せず、わざわざA社を介する形を取ったのか。

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  • マンネルc37aa0c9c09f
    税金でもない一企業の問題について、ゴーン氏を「お金を私物化した」、「強欲な盗人」と声高に叩くひとたちは、どうして自分たちの税金が不法に盗まれているこのポスター事件には無反応なんだろうか?

    日本はまだ法治国家なんだろうか?
    up44
    down1
    2020/1/15 08:06
  • Galileic4cf9e1db433
    あまりに稚拙で、子供がお年玉でも出来ます。

    親「お年玉、いくら貯まったの?」

    子「10000円、小遣い帳に書いてるよ」

    ところが、貯金通帳の入金は8000円でした。

    安倍クンは長州伝統の、子分や財界の特別優遇のおかげで、無責任な官僚、贈収賄、使い放題の予算等で、法律どころかねつ造や改ざんが横行する始末。

    失われた30年+民主4年+安倍6年=40年間 経済成長は止まり、教育や科学の予算を減らして軍事費増額。結果、子供や学生の自立や学力が海外より低下。

    歴史的には、伊藤博文が官営工場を次から次へと払い下げ。山県有朋に至っては陸軍省予算を民間に抵当なしで貸し、見返りに賄賂。挙げ句の果てに借りた山城屋は破産して、陸軍内で割腹自殺。
    ここから政治家、官僚の汚職国家へと邁進。

    長州の政治家は、ねつ造、虚言、収賄、軍事汚職等の伝統を今日まで引き継ぎ、取り巻きの分子が拡散しています。


    up24
    down1
    2020/1/15 10:58
  • せん805fbbc8feef
    税金を食い物にする輩ども。
    しかし結局は国民の責任。
    up17
    down3
    2020/1/15 07:48
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