日本はインターネットの優れた要素技術を持っていたのに、なぜネット検索・広告の世界最大手である米グーグルに太刀打ちできなかったのだろうか。実はNTTもグループ会社のNTTレゾナント(東京・港)が検索エンジン「goo」を早期に実用化しながらもグーグルにシェアを奪われ、世界標準の座を逃してしまった。
鈴木基久(すずき・もとひさ)氏
1993年NTT入社。97年gooの創設に携わり、99年に200人の仲間と社内ベンチャーのNTT-Xを設立。04年に同社がNTT本体に吸収されNTTレゾナントに。gooの戦略や編成、マーケティングなどを幅広く担当。42歳、大阪府出身
そして今、レゾナントはスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)時代に向けて様々な新サービスを打ち出し、挽回を狙っている。検索・広告で米国の後じんを拝した反省から何を学び、次世代のネット事業をどう創造していくのか。「goo」の立ち上げに関わったレゾナントのブランドマネージャー、鈴木基久氏に開発当初の経緯や今後の戦略を聞いた。
――「goo」は国産検索エンジンとして開発当時は評価が高かった。
「『goo』が誕生した1997年当時は、日本にネットの全文検索エンジンがなかった。レゾナントはNTTのベンチャー部門として独立し、当時文書検索などに使われていた米社の技術を使って全文検索をサービス化した。2000年くらいまではカテゴリー検索に強いYahoo!、直接検索のgooというすみ分けがあり、シェアを二分していた」
――「goo」の足元の状況は。
「1997年の開発からgooはもうすぐ15歳を迎える。利用者数で月間6000万人超、トップページに登録している人は約600万人に達した。だがシェアではグーグルに押され、厳しい状況だ」
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