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日本では先日、香川県議会にて18才未満の子供を対象にスマートフォンやゲーム機などの使用を平日は60分を上限にするとの条例素案が示されたことが話題となりました。
ほぼ時を同じくして、米バーモント州でも21才以下の若者にスマートフォンの使用を禁じる法案が州議会に提出されたと報じられています。民主党の上院議員ジョン・ロジャース氏は、21才以下の人達が携帯電話を使用することを禁止し、違反した場合は1000ドルの罰金および最高1年の懲役刑を科されるとの法案を司法委員会に提出しました。
ロジャース議員は、21歳以下の若者が携帯電話を所有していいほど成熟していない理由として、ネットいじめやテロリストの過激化、および銃乱射事件の原因になっていることなどを挙げています。
さらに法案の最大の懸念事項は、運転中の携帯電話の使用による事故であるとのこと。米国土交通省は携帯電話が毎年160万件の自動車事故に関連しており、そのうち50万人の負傷と6000人の死亡を引き起こしているとの数字を発表しています。
ロジャース議員が論拠とするのは、最近バーモント州でタバコ製品を購入できる年齢が21才以上に引き上げられたり、
銃購入の最低年齢を21才とする法案を可決したことです。それほど同州では、21才以下の若者が十分に成熟していないと判断されているというわけです。
現代社会においてスマートフォンを含む携帯電話の使用を禁じられるのは、生活に必須なインフラを取り上げられることにも等しく、若者どころか彼らの家族や関係者からの同意が得られるとは考えにくいことです。
それはロジャース議員も承知しており「法案が成立するという妄想は抱いていません。私はおそらく自分では投票しないでしょう」とのこと。同氏は合衆国憲法修正第2条(国民が武器を保持する権利を侵してはならない)の支持者だと公言しており、携帯電話は銃よりもはるかに危険だと主張しています。
ロジャース議員の真の目的は「銃を規制するなら先にスマホ」ということで銃規制の動きへの当てつけであり、物議を醸す以上の狙いはなさそうです。特にデータの裏付けや客観的な検証が示されず(パブリックコメントは募集されていますが)、
2月に開く定例会議に提出して成立を急ぐ香川県の動きの方が危惧されるかもしれません。