艦これの世界でファンタジーの世界(オーバーロード)を戦ってみよう。 作:へっぽこ鉛筆
ついに開戦した評議国とアインズ・ウール・ゴウンとの戦争
初戦の奇襲攻撃により優位に立った評議国は、海上より後方に迂回、前線都市を挟撃し、一気にアインズ・ウール・ゴウンを包囲殲滅しようとした。
港湾都市、リ・アセナルを攻略したやまぐちたもん提督は、敵の海上反撃を警戒し、海上警戒、要撃作戦を開始したのだが・・・
『ワレ奇襲ニ成功セリ、トラ、トラ、トラ』
先行させた潜水艦隊からリ・ロペルの戦果報告が入る。さらには、第三艦隊と第一七駆逐隊駆逐隊の艦砲射撃があらゆるものを粉砕する。あきつ丸と神州丸の揚陸艦から大発が揚陸し、リザードマンとギルマンなどの水棲種族が一気に海岸線を占拠し橋頭堡を確立。その後、他種族連合軍の一個連隊…三〇〇〇人程の戦力で、一つの都市を占拠する予定だ。
さらには、魔導王国アインズ・ウール・ゴウンに対して、心理的な意味での奇襲を同時に行っている。こちらは、軍事的な意味は一切ない、政治的な攻撃だ。正直、こういう作戦は好きではなかったが、納得はできる。艦上攻撃機と艦上爆撃機の妖精の大盤振る舞いだ。消費したボーキサイトの事を考えれば、頭が痛いが、一応の補給手段は確保している。
ダメ押しの第二次攻撃を行いたいところだが、圧倒的に空母戦力の足りない状況からそれも却下した。いまは、リ・ロペルの制圧を優先した。これで、評議国への玄関口であるリ・アセナルへの洋上補給路を切断できた。おそらくは、当面の目標は、リ・ロベル奪還に戦力を削がれるだろう。
いわゆる、間接的戦略目標と言うわけだが、相手には《転移門/ゲート》と言う瞬間移動を使う、補給路の遮断や二面攻勢など意味があるのかは甚だ疑問だが、戦争というものは常識の範囲でしか行われない。そして、自分も、さらには秘書艦である霧島も悲しくなるほどの常識的思考の持ち主だ。
「制海権は完全にこちらが掌握したな。」
レポートを斜め読みしながら、男は軽く椅子にもたれかかる。ここ数日で地図上の記号が急激に書き換えられている中、海洋には、自軍を表す青い文字で埋め尽くされている海洋に目をやる。
何を考えているのか、リ・エスティーゼとアインズ・ウール・ゴウンは海運というものに無頓着らしい。ほぼ、海岸線に大規模な港湾都市をおいていない。制海権というものを邪魔は出来ても奪うことはできない・・・WWⅡのドイツ海軍のような海軍力なのだろうか、とりあえずは、駆逐艦と軽空母に対潜警戒網を作らせているが(航路帯防衛ではない港湾警戒)を行わせているが、散発的な敵襲・・・イカのようなモンスターの襲撃があっただけだった。
「はい、提督・・・流石、見事な戦況分析です。」
「いや、そういうところはゲーム通りなんだな。」
不思議そうに首をかしげる秘書艦の出したお茶を飲む、普通に玉茶の味・・・もっとも、合成甘味料のものしか知らないが、とにかくお茶の味がした。こうして、ゲームの中で飲食ができるのも不思議だが、それを意識したら急に空腹を思い出す。
「提督ヒトキューマルマルです。そろそろ夕食の時間ですよ。」
「そうでーす。提督、ティータイムねっ」
姉妹艦の金剛・・・執務室に明るい声が響いた。
金剛が用意したお茶とお菓子の甘い匂いが鼻腔をくすぐる。
「金剛姉さま――まだ、仕事中ですよ。」
「霧島ー、仕事のしすぎはNoーよ、ティータイムの時間ね。」
香ばしいお茶の匂いに思わず蝕手が伸びる。アフターヌーンティーのハーブが食欲をそそり、サンドイッチやスコーン、ケーキなどに手が伸びる。
「てーいーとーくー、私の計算によると、提督はカロリーの過剰摂取ですよ。」
「あははっ、提督、霧島は厳しすぎまーす。ティータイムは大事ね。」
メガネに手をやれば、笑顔で睨んでくる。仕方がないのでお茶だけを飲んで「よく出来ました。」の声に不思議に思う。
この数ヶ月、彼女たちは献身的に働き、時には自らの危険も顧みず命令を聞いてくれる。もし、このゲームが他のユーザーとともにパーティープレイをするゲームならば、もう少しキャラ達に愛着があったかもしれないが、イマイチ近親感や親和性が持てない。なにか、バーチャディスプレイの向こうの事のような、疎外感を感じてしまう。
「・・・どうかしましたか、提督?」
不思議そうに顔を覗き込み、そんな考えを頭の中から追い払った。とにかく、生き残る・・・この鎮守府という組織を守るために戦うしかない。言い訳に近い理論に納得しながら、一度、机に手をつき背を伸ばす。腰が不気味な音を立てるのが心地よい。
そろそろ休もうかと、椅子の跡が付くほど密着していた腰を上げようとしたとき、急いだ足音の大淀が扉を開ける。、
「提督、フタマルサンマル、リ・アセナル派遣艦隊は敵水上部隊と戦闘を開始、夜戦を開始しました。」
戦争には相手が居る。彼は、ティーカップをおけば、再び机上演図に目を落とした。
第二水雷戦隊・・・リ・アセナルに派遣された艦隊の駆逐艦に海から現れた巨大な鯨のような化物がゆっくりと、波頭を裂きながら前進してくる。距離は2万m程、すでに射程内と言って良い。しかし彼女たちは動かない。妖精さんが見る電探…二二式水上電探を睨む、無造作に隊列を組むでもない敵がオシロスコープに無数に点在している。
「神通…敵水上艦隊発見、夜戦、開始します。」
「ちょ、神通…この数は無茶だよ。主力の増援を待ったほうが――」
見事な単縦陣を組んだ陽炎が神通の肩を掴んで引き止めた。確かに、二水戦は野戦のエキスパートだ、が、それはあくまでも艦むす同士の話だ。
「敵、推測で駆逐ロ級20、軽巡ホ級7、戦艦タ級2、他輸送ワ級5・・・いや」
「神通さん、水中音探知、潜水カ級接近、数、不明」
最悪だ。普通、艦娘たちは同数程度の敵しか相手にしない。これだけの敵を前にして、やれることはほとんどないだろう。しかし、彼女たちにまだ、撤退の命令は届いていない。
『比叡、我れ警戒線路二時方向に敵魔物らしきものを見ゆ、直ちにこれを攻撃せんとす。二水戦指令、以上ーー』
暗号電文の返信はすぐに来た。
『主力は直ちに報告位置に急行、やまぐちたもん艦隊伝統の夜戦により敵魔物を撃滅せんとす。暁の水平線に勝利を刻むことを祈る。』
つまり、主力の比叡を先頭とする第八艦隊が来るまでの足止めをすればいいわけだ。
先頭を進む神通は自然に頭に巻くハチマキに手を触れた。夜戦の為に鍛え上げた艦娘にしかできない機敏な動作で一斉に回頭する。
「右砲雷戦用意、目標敵水上魔物、全艦突撃せよッ」
その言葉とともに、閃光と轟音が響き渡る。敵の先頭生物・・・戦艦タ級級と認識するそれの周りに水柱が立ち上った。
午後八時三十分、ニ水戦はアインズ・ウール・ゴウン水上部隊に進撃を開始した。この時を持って、リ・アセナル沖海戦が始まったのだ。
霧島「あーあーマイクチェック・・・提督、まったく内容もないのに、行数だけが増えてます。」
金剛「てーいーとーくー、ファンタジーの世界で、普通に海上砲戦なんてノーだからね」
さて、勢いだけで書いているが、暁の水平線に勝利を刻めるのか・・・