Chromium版Microsoft Edge、明日1月15日に予定通り正式公開の見通し

2020年1月14日

マイクロソフトが開発中の新しいWebブラウザ、いわゆるChromium版Microsoft Edgeが、明日1月15日に予定通り正式版となり、公開される見通しです(おそらく日本時間で15日深夜頃からではないかと予想されます)

同社は2019年11月に行われたイベント「Microsoft Ignite 2019」で、1月15日がChromium版Microsoft Edgeの正式リリース日になると発表していました。

この予定は今年1月10日付で公開されたドキュメントでも変更されていないため、公開に向けた作業は予定通り進んでいると思われます。

正式版のChroumium版Microsoft EdgeはWindows Update経由で自動的に配布される予定です。Windows 10 HomeもしくはWindows 10 Proのユーザーは特にインストール作業などをしなくとも1月15日以降に順次利用可能になります。

Chromium版Microsoft Edgeはアイコンが従来のMicrosoft Edgeとは異なるため(上記のツイートのアイコン参照)、アイコンが変わったかどうかが自分のマシンに新しいChromium版Microsoft Edgeが配布されたかどうかの目印になるでしょう。

また、現在Chromium版Microsoft Edgeの最新情報とベータ版を提供している「Microsoft Edge Insider」でも正式版のバイナリがダウンロード可能になるのではないかと予想されます。

Chroumiumベースのブラウザとは

マイクロソフトがMicrosoft EdgeブラウザをChromiumベースに変更すると発表したのは2018年12月6日付のブログ「Microsoft Edge: Making the web better through more open source collaboration」でした。

ChromiumとはGoogleが中心となって開発されているオープンソースのWebブラウザです。レンダリングエンジンにBlink、JavaScriptエンジンにV8を採用しています。

GoogleはこのChroumiumをベースに、GoogleのプロダクトとしてのWebブラウザである「Chrome」を提供しています。ChromiumベースのWebブラウザとしては、Chrome以外にOperaやVivaldiなどがあります。Microsoft Edgeはここに仲間入りすることになるわけです。

レンダリング結果はChromeと同一

Chromium版Microsoft Edgeは当然ながらChromiumと同じようにレンダリングエンジンにBlink、JavaScriptエンジンにV8を搭載するため、HTMLのレンダリングやJavaScriptの実行に関してGoogle Chromeと基本的に同一の結果となります。

2019年11月の「Microsoft Ignite 2019」でも、コンパチビリティテストで、Google Chromeと同一結果であることが示されています。

Microsoft Edge fig3

これまでEdge固有のレンダリングの差異を気にしたり、別途テストが必要だったデザイナーやエンジニアにとって喜ばしいことでしょう。

Selenium WebDriverやPuppeteerといったテストフレームワークにも対応しますので、Webアプリケーションの開発者にとってテストの自動化環境についても同様に構築できるようになります。

ブラウザの拡張機能についても基本的にChromeと同じものが使えるはずですが、マイクロソフトはChromium版Microsoft Edge用のアドオンを提供するポータルサイトを公開予定です。

ただし既存のInternet Explorer専用のWebサイトが残っている企業向けの機能として、あらかじめ設定された特定のWebサイトを自動的にInternet Explorer 11と互換のレンダリング機能によってWebサイトを表示する「Internet Explorer mode」も搭載されています。

-[速報]次期Micrsoft Edgeに「Internet Explorer mode」搭載。企業向けにIE11のレンダリングも提供。Microsoft Build 2019

Chromium版Microsoft EdgeはWindows 10だけでなくWindows 7対応、iOS対応、Android対応版がそれぞれ登場する予定です。

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Junichi Niino(jniino)
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