「なにぐみ」?「なんくみ」?
2009.06.01
「何」という漢字は、「なに」と読むときと「なん」と読むときがありますが、その区別がよくわかりません。
「何」は、うしろにどんなことばが来るかによって、読み方が変わることがあります。また、あらたまった場面か、くだけた場面かによっても違いがあります。
解説
まず、うしろに名詞がある場合には、以前に当コーナー(2004年4月号)でも取り上げたことがありますが、だいたい次のような傾向があります。
- (a)「どの・どんな」といった意味の場合(=what kind of, which) → 「ナニ」
ナニいろ(色)、ナニけん(県)、ナニぶ(部) - (b) 数字にかかわる場合(=how many) → 「ナン」
ナンしょく(色)、ナンけん(県)、ナンぶ(部)
保育園や幼稚園のクラス分けは、「あじさい組、つつじ組、ばら組…」のようになっていることがあります。この場合、「どの組なのか」を尋ねる場合には、
「ナニぐみですか?」
と言うでしょう。
いっぽう、小学校より上では、「1組、2組、3組…」のように数字によるものが多いようです。この場合には、
「ナンくみですか?」
と尋ねるのではないでしょうか。
次に、うしろに来るのが名詞以外の場合には、残念ながらあまりはっきりとした傾向は断言できません。
- ①どんな場合でも「ナニ~」と発音するもの
ナニが ナニを ナニから ナニかと ナニくわぬ ナニげない ナニさま ナニより - ②どんな場合でも「ナン~」と発音するもの
ナンの ナンら ナンて ナンだか ナンとしても ナンですか - ③あらたまった場面では「ナニ~」、くだけた場面では「ナン~」と発音するもの
ナニに/ナンに ナニか/ナンか ナニかしら/ナンかしら ナニせ/ナンせ
ここに挙げたことばは、一つ一つ読み方を覚えるしかないようなのですが、それでもナンらかの参考になればナニよりです。