ヤクルトの新人6選手は12日、埼玉県戸田市のスワローズ戸田寮で1つの義手を一緒に組み立てた。球団は新人講習の社会貢献の授業の中で、「ヘルピングハンズプログラム」を導入。練習後、約20分間の座学でプロアスリートの社会貢献について勉強し、義手を受け取る人の気持ちや社会への波及効果を話し合った。
このプログラムはは2006年に米国で始まった活動で、義手を組み立て、それを必要としながら入手困難な人々に無償で贈るというもの。すでに3万個が作られ、世界80カ国の人々に送られている。社会貢献の一環として同活動に取り組んだのは、12球団でヤクルトが初めて。この日組み立てた義手も米国の民間非営利団体(NPO)法人を通して、誰かの手に渡る。
選手がそれぞれ装着した義手でペンを持ち、使用感を確かめた。「何を書こう?」と首をひねるドラフト1位の奥川恭伸投手(星稜)に、同期たちは「新人王って書けよ」とはやし立てた。「新人」までは書いたが、悩んだ後で「合同自主トレ」と書き加え、「恥ずかしくて書けなかった」と照れ笑い。2位の吉田大喜投手(日体大)は堂々と「新人王」と書きニヤリと笑う一幕も。
6位・武岡龍世内野手(八戸学院光星)は「社会貢献の意味が分かった。ごみ拾いや募金など気付いたら心掛けたい」、5位・長岡秀樹内野手は「ファンへの対応も、笑顔で手を振れば野球をやりたいと思う人が増えるかもしれない」などと、それぞれ社会貢献について考える機会になったようだ。