相模原市緑区の県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件で、殺人などの罪に問われた元職員植松聖被告(29)の裁判員裁判が8日、横浜地裁で始まる。被告は初公判前日の7日、勾留先の横浜拘置支所で神奈川新聞社の取材に応じ、起訴内容を認める考えを改めて示した。弁護側が公判で主張するとみられる大麻を使用した影響で心神喪失状態だったとの見立てには「それは違う」と否定、双方の食い違いが鮮明になった。

これまでの公判前整理手続きで、検察側と弁護側で事実関係に争いはなく、争点は被告の刑事責任能力の有無と程度に絞られている。弁護側は、事件前に常習的に使っていた大麻の影響で犯行当時の被告の精神状態が不安定だったとして、無罪を主張する見通し。
この日の接見で被告は「無罪を主張するのは弁護士の優しさです」と説明。弁護側の方針に「ああじゃねえ、こうじゃねえと言うつもりはない」としつつも、大麻による影響は強く否定し「自分の言いたいことは言わせてもらう。弁護士の主張は全く別」と語った。
裁判にどう臨むかとの問いにはしばらく考え込み、「ご遺族や亡くなられた方、ご迷惑を掛けた皆さまに、ただただ謝罪したい」と答えた。犠牲になった19人に対しては「誰も殺されたくはない。気合を入れて謝りたい」と話した。
一方で、自身の殺傷行為については「時間と金を奪う重度障害者は安楽死させなければいけない」「悪いことだが、社会に貢献している」などと正当化し、従来と変わらない差別的な主張を繰り返した。
多くの犠牲者を出した凶行に、検察側からの厳しい求刑も予想される。被告はこれまで「死刑になっても仕方ない」と語っていたが、この日は「天に任せるだけ」と言葉少なに応じ、控訴しない意向を改めて示した。
面会時の被告は背中まで伸びた黒髪を後ろで束ね、薄い青色のフリ-ス姿。初公判を翌日に控えて「気持ちが高ぶっている」といい、時折、記者に強い口調でいら立ちをぶつける場面もあった。
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