ドライブにアクセスできなくなり、「ディスクの管理」を開くと、
対象のパーティションのファイルシステムが「RAW」と表示される場合があります。
「RAW」とは、日本語に訳して「生の」という意味です。
未加工、つまり「未フォーマット」の状態です。
「ディスクの管理」でも、フォーマットされていないドライブは、「RAW」と表示されます。
「Windows XP」以前は、主に「未フォーマット」、あるいは何も表示されない状態でしたが、
Vistaになって、なぜか「RAW」という表記が増えました。
日本人からすると、「未フォーマット」のほうがわかりやすいんですけどね。
Windowsで「RAW」表示を目にするときは、すでに何らかの問題を抱えていることが多いです。
ファイルシステムが「RAW」ということは、フォーマットされていません。
フォーマットされていないドライブを使うことはできませんから、
わざわざ「RAW」の状態で放置しているとは考えにくいです。
今まで使っていた記憶装置に何らかのトラブルがあって、ファイルシステムを認識できなくなり、
「RAW」と表示されてしまった状況がほとんどだろうと思います。
たとえば、冒頭のように、
アクセスできなくなったドライブを「ディスクの管理」で確認したときに、「RAW」と表示されるケース。
あるいは、アクセスできなくなったドライブに「chkdsk」を実行したときに、「RAW」と表示されるケース。
いずれも、そこから復旧することはできません。
「RAW」ファイルシステムへの対処
復旧する
フォーマットせずに「RAW」ファイルシステムから復旧するには、
Windowsが見失ってしまったファイルシステムを再び認識できるようにする必要があります。
Windowsは、基本的にはブートセクタの内容を見てファイルシステムを識別しています。
ブートセクタに保存されている、パーティションのファイルシステムに関するパラメータを見て、
このパーティションはNTFSとか、FAT32だとかを判断しています。
それがWindowsにとって認識できない値になっている場合に、「RAW」と表示されます。
従って、Windowsがファイルシステムを認識できるようにするには、
ブートセクタの内容を正しく書き換える必要があります。
ブートセクタを書き換えるには、いくつかの方法がありますが、
ここでは、「TestDisk」というソフトを使った方法を紹介します。
ファイルの復元
ファイルシステムが「RAW」と表示されるのは、
ファイルシステムを認識できないすべての場合があてはまります。
これには、ファイルシステムに深刻な問題が発生している場合も含まれます。
前述の「TestDisk」は、ファイルシステム全体を修復するものではありません。
ほぼ、パーティションテーブルとブートセクタの修正に限られます。
ファイルシステムの管理情報に問題が発生した場合には、無力です。
破損の程度がひどいファイルシステムを元通りに復旧する方法は、ありません。
というか、不可能だと思います。
上書きされたデータを元に戻すという話なので。
ファイルシステムを認識できないドライブからファイルを復元するには、
相応の機能を備えたファイル復元ソフトを使う必要があります。
代表的なものとして、「ファイナルデータ」があります。
ダウンロードページ | |
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当サイト内解説 | 「ファイナルデータ」の使い方 |
フォーマットする
ファイルシステムが「RAW」=「未フォーマット」なので、
これを使えるようにするには、フォーマットすればいいです。
もちろん、フォーマットするということは、中のデータも含めてリセットすることになります。
ただし、データの破損箇所によっては、
Windows標準の機能ではフォーマットできないことがあるので、注意が必要です。
そんなときは、フォーマット専用ツールであるフォーマッタを使うべきです。
これは、SDカードやUSBメモリ、外付けハードディスク等の、
リムーバブルディスクに特化したフォーマッタの一例です。
ダウンロードページ | I-O DATA ハードディスクフォーマッタ |
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