ドライブは確認できるものの、アクセスしようとすると、
「ドライブ○を使うにはフォーマットする必要があります」と表示されることがあります。
これは、Windowsがドライブのファイルシステムを認識できないことを示しています。
物理障害でも、論理障害でも、
Windowsが認識できない時点で、「フォーマットする必要があります」と表示されます。
ユーザーにフォーマットを求めてくるのは、
Windowsがファイルシステムを認識できないので、
改めてWindowsが扱えるファイルシステムでフォーマットしてしまおうというわけです。
「フォーマットしますか?」と聞かれても、そのままフォーマットしてしまわないよう注意してください。
どのような原因であっても、
Windowsがファイルシステムを認識できなければ、「フォーマットする必要があります」と表示されるので、
こうすれば確実に復旧する、みたいな便利な対処法はありません。
ただし、アクセスを試みることはできる、
つまり、エクスプローラで対象のドライブが表示されているということは、
記憶装置の領域自体はWindowsに認識されています。
あまり喜ばしくない状態にあることは間違いありませんが、
場合によっては、あっさり復旧できるエラーでもあります。
ファイルシステムを認識できるよう修正する
ファイルシステムを定義するうえで重要な情報は特定の部分に集中しているので、
これらを修正すれば、ファイルシステムを認識できる可能性があります。
つまり、今までどおりドライブを認識できる可能性があります。
領域の大部分が上書きされていたら、元に戻すことは不可能ですが、
幸い、「フォーマットする必要があります」と表示された直後ならば、
データに関して、そこまで大きな損失はないケースが多いです。
ドライブの修復作業に関しては、「TestDisk」に勝るものはないと思います。
早い話が、「TestDisk」で復旧できる場合が多いです。
とりあえず、「TestDisk」を使ってみることをおすすめします。
ただし、操作には気をつけてください。
ファイルの復元
「TestDisk」も、万能ではありません。
ファイルシステムの破損の程度がひどい場合は、ドライブを復旧できません。
また、「フォーマットする必要があります」と表示されるのは、
記憶装置からデータを読み出せない場合もあります。
ありがちな原因として、不良セクタの存在が挙げられます。
記憶装置自体の問題なので、元の状態には戻せません。
これらの状況下でもできる施策は、
読み出せるだけのデータを読み込んで、ファイルとして復元することです。
ただし、多くのファイル復元ソフトは、ドライブのファイルシステムに問題があると機能しないので、
このあたりの不具合に対してある程度柔軟に対応できるソフトが必要です。
代表的なものとして、「ファイナルデータ」が挙げられます。
不良セクタのあるハードディスクにも対応しています。
ダウンロードページ | |
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当サイト内解説 | 「ファイナルデータ」の使い方 |
ファイルシステムの修復
Windows標準のファイルシステム修復ツールがあります。
いわゆる、チェックディスクです。
ただし、チェックディスクは、ファイルを復元したり保護するのが目的ではなく、
ドライブに正常にアクセスできるようにするための作業です。
目的が違う点に注意してください。
チェックディスクは自動的に実行されることもありますが、
すべての場合でWindowsが適切に自動処理してくれるわけではありません。
ファイルシステムに異常があると考えられ、ユーザー側で対処する必要がある場合は、
手動操作でチェックディスクを実行しなければなりません。
下記ページは、コマンドプロンプト(Windows PowerShell)から「chkdsk」を実行する手順と、
ファイルシステムを修復するためのオプションについて解説したのもです。
これだけで復旧できる場合もあります。
なお、「chkdsk」を実行しても「ファイルシステムの種類はRAWです」と表示されてしまう場合は、
ファイルシステムを見失っている状態なので、「chkdsk」による修復を行うことはできません。
先に、前述の「TestDisk」を実行してください。