2020年01月11日 08時30分 公開
特集/連載

「イーサネット」の歴史と進化【後編】10Mbpsから1Tbps超えへ 歴史から読み解く「イーサネット」の進化

10Mbpsで始まったイーサネットの伝送速度。IEEEは400Gbpsまでの規格を標準化し、さらに1Tbpsやそれを上回る規格の標準化を視野に入れている。イーサネットはどのように進化してきたのか。その過程を追う。

 「イーサネット」はXeroxの研究機関であるパロアルト研究所(PARC)が1970年代に開発し、1983年に業界標準化団体IEEE(米電気電子技術者協会)の標準規格「IEEE 802.3」となった。前編「『イーサネット』の原型はハワイのネットワークだった?」に続き、本編はイーサネットが現在に至るまでにどのように進化してきたのかを解説する。

 XeroxはDigital Equipment(DEC:1998年にCompaqが買収し、Compaqは2001年に旧Hewlett-Packardが買収)およびIntelと組んで、初の10Mbpsのイーサネット規格を策定。1980年にIEEEのLAN(ローカルエリアネットワーク)とMAN(都市域ネットワーク)の標準化委員会が、同規格を基にした標準規格(DEC、Intel、Compaqの頭文字を取って「DIX標準」と呼ばれる)を公表した。LAN/MANの標準規格は名称に「IEEE 802」を含む。

 IEEEのLAN/MANの標準化委員会は、「IEEE 802.3」と名付けた規格の委員会を創設。1983年には、銅線を使って周波数の高い信号を伝送する同軸ケーブルを使ったイーサネット規格「10BASE5」(IEEEの標準規格名は「IEEE 802.3」)を承認した。次にIEEEは、同軸ケーブルを使う10Mbpsの異なるイーサネットの規格「10BASE2」を承認。続いて銅線2本をより合わせたツイストペアケーブルを使うイーサネット規格「10BASE-T」と光ファイバーを使う「10BASE-FL」も標準規格として承認した。

「ファストイーサネット」から「ギガビットイーサネット」、さらにその先へ

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