イスコジャパンが4―1でパナソニックデバイスSUNXを破り初戦を飾った。今大会限りで引退する水谷亮太投手(29)=名城大出=が好守でピンチをしのぎ勝利に貢献した。東郷製作所は10―1でフタバ産業に勝ち、近藤産興とニデックは1―1で引き分けた。
投手は投げるだけでは済まない。イスコジャパンの水谷が圧巻のフィールディングを見せたのは5回。先頭打者に右中間二塁打を許すと、次打者の送りバントでちゅうちょなく走者を挟殺した。「三塁打性の当たりなのに二塁で止まった。足に自信がないなと直感したので刺しに行きました」と振り返る水谷。さらに二塁打された1死二、三塁ではスクイズに突進、素早い身のこなしで本塁へ送球しタッチアウトに封じた。「マウンド周りのプレーでミスをしなければ防げる失点があります。勝ちにつながるフィールディングができてよかった」
体調は万全だった。年末年始は沖縄へ飛び、近藤産興のエース可知らと3泊4日の合同自主トレに励んだ。「正月は休まずに大会に入りました」と話す29歳はこの大会を限りに引退し、岐阜県海津市で自動車の販売や修理を手掛ける家業を継ぐことになる。イスコジャパンのエースとして7年間、「集大成にできれば」と臨むこの大会。6回に1失点した水谷の心意気に応えるようにベテランの秦野が7回以降を封じ、打線は8回に勝ち越した。ワンチームの勝利だった。