採集の記憶 その2

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採集を始めた頃の話ですが、磯採集では房総のある一箇所の磯に通っていました。
その磯は溝が多く至る所でチョウが見れるポイントですが、海岸線沿いに交通量の多い道路はあるものの、その道路からは磯の存在が分かり辛く、採集家は全く居ないポイントです。

この磯を知った切欠は、夏に家族で海水浴に行った後に立ち寄ったある漁港で、当時まだ幼稚園の年少だった娘と一緒にハタタテダイを見つけ、上からタモで追いかけ苦戦していた時のことです。
あるご夫婦から「何か居るんですか?」と声を掛けてくれました。

私と娘 : 「ハタタテがいるんですけど、娘が欲しいと言ってるんです(実は自分も無性に欲しかった。^^)が、
       腕がショボイんで採れないんですよ。(T_T)」
       「どちらから来られているんですか?」

ご夫婦 : 「神奈川からフェリーで採集に来ていますが、もう10年位通っていますヨ!」

私と娘 : 「へぇ~凄いんですね!」

ご夫婦 : 「ハタタテ好きなんだ~」

娘   :  「うん!でも、ハタタテ採れないの。。。」

ご夫婦 : 「チョウを採るのでしたら場所を教えてあげます。その磯は採集家が殆ど居ないから、チョウが沢山居
       ますよ。」

私と娘 : 「有難うございます。明日、早速行ってみます!」

と、教えて頂きました。
多分、娘が一緒に居たから「娘さんの為にも、お父さん頑張って採ってあげないと。。。」って、感じで親切に教えてくれたのだと思いますが、私一人だったら、声も掛けてくれなかったんじゃないかな。。。
因みにその際に格闘していたハタタテは、水圧で柄がしなり追っても魚の動くスピードに完敗でした。
今なら多分ゲット出来ていたことと思いますけど。。。(^^)ゝ

その教えて頂いた磯に何度か通った時のことですが、干潮時になると沖の方にポツンと一箇所だけ現れる大きな岩礁帯の中に約1畳程度の広さで深さが1.5m位のダイドプールがあり、そこにミゾレとゴマが取り残されていたことがありました。
ダブルのレアチョウに血圧ヒートアップしながら何度もアタックしたのですが、網を近づけると岩の隙間に逃げ込んでしまい、採集初心者の私には全く採ることがでずに泣きが入った覚えがあります。
約1時間位粘っていたと思いますが、その磯で漁をしている地元のヒトも「何やってんだ?このオッサン」ってな感じで、風呂桶の様なタイドプールに浸かっている私を覗き込んでいました。自分なりには格闘していたつもりなんですけどね!^^

その当時は、追出し棒の存在すら知らず、ただ単に網で岩の隙間に隠れない様に誘導するだけの知識しかなかったので、採れるワケがありません!
今なら、どちらも楽勝で採れたと思いますが。。。(^^)ゝ

この頃はインターネットの存在は知っていたものの、パソコン音痴な私は採集の情報収集することなく、独学自力で採集をしていました。
その翌年からはパソコンを弄り始め、採集方法などを紹介しているサイトに出会うことができ、追出し棒というものを教わりました。その当時は、現在の様にサイト数も余り多くはなかったのですが、情報収集に没頭した記憶があります。

ここ数年は、房総に採集へ出掛ける機会も減りましたが、その磯には、もう5年位は覗いてもいないので、今シーズンに行く機会があれば、立ち寄ってみたいと思います。