後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の純資産総額が『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』を追い越しました。
世界の株式に幅広く投資可能な両者の特徴と運用実績を比較してみました。投資対象に日本が含まれるか否かで運用実績に目立った差はあるでしょうか?
ちなみに『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』は2020年1月10日より
オール・カントリーと除く日本の特徴
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数は日本を含む先進国と新興国合せて49ヵ国3,050銘柄を組み入れています(2019年12月末現在)。
投資信託を保有中の運用管理費用(信託報酬)は年率で税抜0.104%(税込0.1144%)以内です。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス 業種別構成比と国別構成比 2019年12月末現在 |
『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は日本を除く先進国と新興国合せて48ヵ国2,726銘柄を組み入れています(2019年12月末現在)。
運用管理費用(信託報酬)は年率で税抜0.104%(税込0.1144%)以内です。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス (除く日本) 業種別構成比と国別構成比 2019年12月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替リスクを軽減するための為替ヘッジを行いません。信託期間は、どちらも無期限です。
オール・カントリーと除く日本の実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
上記の数字は最新の信託報酬率を適用した推計による概算値であることに注意してください。
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の実質コスト(年率 0.211%)は、第1期(2018年10月31日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.047% × (365日 ÷ 第1期の日数 177日)+ 信託報酬 0.1144% = 0.211%
『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』の実質コスト(年率 0.207%)は、第1期(2018年3月19日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.102% × (365日 ÷ 第1期の日数 403日)+ 信託報酬 0.1144% = 0.207%
オール・カントリーと除く日本の運用実績
下のチャートは、『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』設定来1年2ヵ月強の基準価額の推移(2018年10月31日~2020年1月10日)を『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』と比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年10月31日~2020年1月10日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年1月10日現在)。
下落率は2018年12月4日~同年12月25日の数字、設定来騰落率は1年2ヵ月強の数字です。
2020年1月10日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
世界の株式市場の時価総額のうち日本の占める比率は7%前後と1割に満たないので、上記の期間では『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』と『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の運用実績に顕著な差は見られません。
オール・カントリーと除く日本の積立投資の成績
下の表は、2019年1月~同年12月の1年間の積立投資の成績をまとめたものです。毎月1日を積立日に設定しています(約定日は翌営業日)。
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
毎月1万円ずつ積み立てた場合、2019年12月30日現在、12万円の投資額に対して評価額は『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』が135,455円(+12.88%)、『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』が135,713万円(+13.09%)です。
積立投資の成績も、ほぼ同水準でした。
リーマン・ショックを含む期間の年間リターン
下の図表は、オール・カントリーに準拠したポートフォリオ(国内株式1:先進国株式8:新興国株式1)、除く日本に準拠したポートフォリオ(先進国株式8.5:新興国株式1.5)、それぞれの年間リターン(最大上昇時・平均値・最大下落時)を示しています。○は年間リターンの平均値 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません 野村AM「投信アシスト」より |
リーマン・ショックを含む2003年3月31日から2019年12月30日までの任意の連続1年間で騰落率のうち最大の騰落率を「最大上昇時」、同じく最小の騰落率を「最大下落時」としています。○は年間リターンの平均値です。
売買手数料、税金等の費用は考慮していません。過去のデータは将来の運用成績を保証するものではありません。
リターン・リスク水準を比べた場合、日本を含まないほうがわずかにリターン(投資収益率)もリスク(投資収益率のぶれ)も大きいです。
少子高齢化社会の日本になかなか期待を持ちにくいのも確かかもしれませんが、日本に暮らし日本円を使って生活をしている以上、国内株式もそこそこの比率で持っておくべきだという意見もあります。
・出生数86万人に急減、初の90万人割れ 19年推計(日本経済新聞)
・資産運用で「日本株を40%も持っていい」と考える逆説的な2つの理由(ダイヤモンド)
国内株式を4割も持つのは抵抗があるかもしれませんが、将来は未知数なのだから取りこぼしがないよう『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』のように世界の株式市場の時価総額比分だけでも持っておくという考え方もあるでしょうね。
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