# 飲食

閉店ラッシュから一転、サブウェイが「大復活」するまでの全舞台裏

社長がすべてを語った
夏目 幸明 プロフィール

将来的には焼きそばパンも…?

我々にしてみれば、パンにあんこは普通。そこにチーズが入るのは、違和感でなく“食べてみたい!”という好奇心の対象にもなるだろう。

一方、米国人は日本のフルーツサンドを見ると「パンにフルーツをはさむのか!?」と驚くらしく、あんパンも同様だ。彼らは日本人の“日本化”“魔改造”の力を目の当たりにし、肝を冷やすのだろう。

しかしコミュニケーションがうまくいっていれば、それは、現地からの頼もしい提案になる。サブウェイはランチに強く、逆に言えば、ランチ終了から晩に至るアイドルタイムの時間が弱かった。そこで、コーヒーとおやつを食べてもらおう、というマーケティングに米国も納得したのだ。

 

この相互理解、筆者は簡単そうに見えて難しいと感じる。定食屋の例を出すなら――日本の定食屋がタイに店を出し、現地がごはんをタイ米にして「トムヤム肉豆腐」や「パクチーのせ焼き魚」を出す、と言ったら本部は少し不安になるのではないだろうか。

最後に角田氏はこんな話もした。

「やはり、ビジネスには地域性、民族性があります。米国はスタンダードづくりが上手く、日本人はそれを土着化するまで日本化していく文化があって、それ自体はなかなか変わりません。であれば、お互いがそれを理解し、お互いの強みを持ち寄ればいいんですよ。

今はどこまで攻めたら怒られるかなぁ、などと思いつつ商品開発をしています(笑)。ここだけの話、将来的には焼きそばパンとかもありなのかな、と……」

ここだけの話と言うが、興味深かったので書かせてもらった。ちなみに、ブラジルでも韓国でも、サブウェイの店舗数は2桁まで急減したあと、一気に10倍に達する勢いで伸びているという。日本でも、今後が楽しみだ。

サブウェイが2020年1月10日から『焼きサンド』。お肉、野菜、チーズなど具材をはさんでまるごとトーストするのだとか。『モ~ッツァ・イタリアン』と『モ~ッツァ・てりチキ』、いずれも420円(税抜)