サービス残業のような違法行為はろくに対策されないまま放置
過労死や自殺といった悲しいニュース
労働時間の長さや、有給消化率の低さは世界でもトップクラス
「働くことは尊い」とか「会社のために尽くすことは素晴らしい」といったような考え方に、ずっと違和感や息苦しさを感じていた著者が、「言いたいけどうまく言えないこと」や「本当は言いたいけど、会社では到底口にできないこと」をすべて正直に言葉にした本である。
私も会社員として仕事をしている身分であるが、共感出来る事柄が多過ぎる。
仕事で悩んでいるのは自分だけではないと、胸をなで下ろすことが出来る1冊です。
本書は、第1~5章で構成されている。
第4章では、ブログ運営についての記載があり、非常に参考になる内容であった。
- 第1章 日本の職場は理不尽なことばかり
- 第2章 社畜にならないための考え方
- 第3章 僕が日本の仕事観に疑問を抱くようになるまで
- 第4章 プライベートプロジェクトのススメ
- 第5章 脱社畜の未来
今回は、第1章を対象にメモした内容を紹介する。
「⇒」記載は、実際に私自身のことを記載している。
第1章 日本の職場は理不尽なことばかり
サービス残業
サービス残業の強要パターン
- 残業不振で残業代が払えない
会社が潰れたら自分も路頭に迷うようなリスクが高い働き方はすべきでない
→もう潰れるしかない - 社員の能力を理由にする
仕事を家に持ち帰って自宅で遅くまで働く
→会社には社員の仕事の能力に応じて仕事量を適切に管理する義務がある - 申告できる残業の上限時間が設定されている
暗黙の了解でサービス残業を強いられる
残業代を請求するのに後ろめたさは感じなくて良い。
残業代の請求は、証拠集めが重要。
タイムカード、業務日誌、労働時間を確認できるメール
⇒出社・退社時間を専用アプリで管理している
専門家に相談すべき(労働基準監督署はダメ)
- 弁護士
- NPO法人POSSE(ポッセ) 代表:今野晴貴
⇒出張時の移動時間は、残業に含まれないが、移動中も仕事を強いられる
社会人
会社側が「社会人」を持ち出す時は、会社の都合に合わせて欲しい時
「社会人」=「社畜」
体調管理
連日の深夜残業・休日出勤を強要しておきながら「体調管理をしっかりしろ」
労働者は風邪をひかないことが前提になっている
海外では、有休以外に病欠の「シックリーブ」休暇がある
⇒労働時間、人員、スケジュールの調整は行われない
有休消化
- フランス:89%
- アルゼンチン:80%
- ハンガリー:78%
- イギリス:77%
- 日本:33%
休暇の「理由」を聞いてくる
「私用のため」がNG・・・意味不明
⇒計画有休は3日しか許可されていない
⇒理由に「体調不良」は許されず、具体的な疾患場所を要求される
社畜・脱社畜の思考法
①社畜:仕事とは、理不尽なことに耐えること。
①脱社畜:仕事とは、価値を生み出すこと。
②社畜:若いうちの苦労は買ってでもする。
②脱社畜:若いうちのしなくていい苦労は時間の無駄。
③社畜:会社で働くことは「奉仕」。サービス残業をするのは当たり前。
③脱社畜:会社で働くことは「契約」。サービス残業は契約違反で重大犯罪。
④社畜:会社の業績が悪いのだから、残業代が出ないのも仕方がない。
④脱社畜:会社の業績は自分とは関係がない事だ。残業代はきっちりもらう。
⑤社畜:自分はまだ半人前なので、残業代をもらうような権利はない。
⑤脱社畜:時間外労働をしたのだから、残業代は堂々ともらう。
⑥社畜:「社会人」としての自覚に欠ける行動は慎むように気を付ける。
⑥脱社畜:「社会人」という言葉が出てきたら鵜呑みにせずに「社畜」に置き換え警戒する。
⑦社畜:風邪をひいたのは自分の体調管理ができていなかったせい。
⑦脱社畜:風邪をひいたのは運が悪かっただけ。
⑧社畜:有休を全部使い切るのは「非常識」。
⑧脱社畜:有休を全部使い切るのは「当たり前」。
⑨社畜:有休の取得は「申し訳ないこと」。
⑨脱社畜:有休の取得は「必要なこと」。
⑩社畜:理由もないのに有休を取るなんてありえない。
⑩脱社畜:理由がなくても、休みたい時は有休を取って休む。
⑪社畜:同僚の有休取得を、妬ましく思う。
⑪脱社畜:同僚が有休を取る時は、笑顔で送り出す。
⑫社畜:長時間働いている人は頑張っていて偉い。
⑫脱社畜:長時間労働で人の頑張りは測れない。
⑬社畜:「残業」が原則、「定時」が例外。
⑬脱社畜:「定時」が原則、「残業」が例外。
⑭社畜:スケジュールは、残業前提で組む。
⑭脱社畜:スケジュールは、定時前提で組む。
⑮社畜:先に帰る人を見て、「あいつだけ先に帰りやがって」と思う。
⑮脱社畜:先に帰る人を見て、「自分も早く仕事を終わらせて帰ろう」と思う。
⑯社畜:他人の幸せを妬み、足を引っ張ろうとする。
⑯脱社畜:他人の幸せを、自分のことのように喜ぶ。
参考資料
日本の「労働」はなぜ違法がまかり通るのか? (今野晴貴)
デッドライン ソフト開発を成功に導く101の法則(ピープルウエア)