ゴーン元会長妻、証拠隠滅か 地検「関係者に口止め料」

ゴーン元会長逃亡
社会・くらし
2020/1/10 10:24

日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(65)が保釈条件に違反しレバノンに逃亡した事件に関連し、東京地検は10日までに、元会長の妻、キャロル・ナハス容疑者(53)=偽証容疑で逮捕状=が事件関係者に口止め料を支払うなどして証拠隠滅を図った疑いがあることを明らかにした。

キャロル・ナハス容疑者=ゲッティ共同

キャロル・ナハス容疑者=ゲッティ共同

ゴーン元会長は日産の資金をサウジアラビアの知人に送金したり、オマーンの会社に送金し自身に還流させたりして日産に損害を与えたとして会社法違反(特別背任)罪で起訴されている。

9日に記者会見した東京地検の斎藤隆博次席検事によると、一連の事件の捜査中にキャロル容疑者は、資金の送金手続きに深く関わった人物と連絡を取ってレバノンで面会。捜査機関への協力を拒否するように依頼したという。レバノン在住の弁護士事務所の事務員にも、捜査に協力しないよう求めていた。

キャロル容疑者がゴーン元会長の元妻に接触し、多額の金銭を支払い口止めをしていた疑いがあることも明らかにした。斎藤次席は「ゴーン元会長が勾留され、身柄拘束を受けていたときに元会長の意思を受けて関係者と接触し、罪証隠滅を行った」と指摘した。

キャロル容疑者は19年4月にあった東京地裁での証人尋問でこれらの行為などを「覚えていない」と偽証した疑いが持たれている。

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