これまで転職に関することについて、成功のポイントや心構えなど「転職する側」の方に向けて、記事を発信してきました。
今回は視点を変えて「採用する側」の方に向けて、採用時に押さえておきたい大切なポイントをご紹介します。
人事部や採用する立場の方は必読です!!
採用の目的
人を採用する目的は様々です。
新卒採用と中途採用でも目的が大きく異なります。
今回は中途採用(転職)に特化して、大きく分けて2つのパターンに分けてご紹介します。
人員補充のため
「退職する社員が出た」「事業拡大のために人員不足になった」などの数的な人員補充の場合です。
この場合は、ある程度の欲しい人材像やスキルは固まっていると思います。
総務部で退職が出れば、総務経験がある人を採用するのが一般的ですよね。
スキルも前任者と同等レベルかそれ以上のスキルを持った人が採用出来ればOKです。
事業拡大による採用も、足りない部分を採用する訳なので、ピンポイントで求人が出せると思います。
体制強化・立て直しのため
今回お伝えしたかったポイントです。
- 営業が弱いから、営業を強化したい
- 管理部門が機能していないから立て直したい
- 経営分析ができる部署を立ち上げたい
このように組織や部署の体制強化や立て直しのために採用を行う場合があります。
このような時にあなたはどんな人を採用しますか?
まず思い浮かぶのは、
その道のエキスパートで経験豊富な人を採用しませんか?
年齢で言うと40代〜50代といったところでしょうか。
しかし、、、
この考え方は危険です!!
もし採用部署にマネジメントをする人が不在で、プレイヤーばかりであれば、採用しても問題はありません。
既にマネジメントをする人が1人でもいる場合は、採用をするべきではありません。
「スキルがあり、経験も豊富な人が1人でも多くいた方が良いのではないか?」
この考え方は間違いです!!
理由は2つあります。
ここでは「船頭」と「船員」に分けて説明します。
「船頭」→スキルも高く経験豊富な人
「船員」→一般の社員(プレイヤー)
指示が複数になると混乱する
「船頭多くして船山に登る」という言葉があります。
「指示をする人が多過ぎると、かえって統率が取れず、とんでもない方向へ向かっていく」という意味です。
「あの上司」と「この上司」で言っていることが違うと、現場は混乱するだけです。
指示する人は1人がベストです。
「その指示する人が指示を誤ったらどうする?」と言われることがありますが、指示が誤っていれば、やり直せば良いだけです。
複数の指示があれば、どの指示が誤りだったかわからなくなり、責任に所在が曖昧になります。
指示が1つであれば、その指示が誤りなので、再度練り直せば済む問題です。
実行することが難しい
「あーしろ!」「こーしろ!」と指示する船頭は1人で充分です。
その指示を末端まで実行→徹底させる船員の採用に力を入れましょう。
例えば、年収700万の船頭を雇うのあれば、年収350万のプレイヤーを2人採用した方が、絶対に組織のためになります。
採用する側は船頭を複数人雇えば年収も高いし、何とかしてくれると思いがちです。
しかし、船頭が何人もいても船は動きません。
体制強化や立て直しに必要なのは、実際に船を動かす船員なのです。
ここが採用する側というか、経営陣がよく勘違いするところです。
体制強化や立て直しができないのは、それに対する具体案が出ないからではありません。
その具体案を実行する人員が足りていないだけです。
日々やらないといけない仕事に追われ、やればもっと良くなる仕事に時間を割けていないのです。
極端に言えば「ああしたら良くなる」「こうしたら良くなる」というのは大抵の人がわかっています。
ただ実行が難しいのです。
「言うは易し、行うは難し」です。
とにかく手を動かし、実行する人をたくさん雇うようにしてみてください。
組織は船頭と船員のバランスが大切です。
ここを経営陣が履き違えて、船頭ばかり雇って結果が出ないと嘆き「船頭に能力がないからだ!」と見当違いの結論に至ります。
船員がいるから船頭が活きるのです。
どんなに優秀な船頭でも身体は1つで手は2本しかありません。
何が言いたいかというと、仮に優秀な船頭が船員になり下って、いくら頑張ったとしても、身体は1つで手は2本しかないので、プレイヤーの1.5人分の仕事をするのが精一杯です。
組織や部署の体制強化や立て直しを行うためには、船頭は1人、船員を多く雇うことが大原則です。
まとめ
会社運営の中では必ず問題は起きます。
問題を解決するのは、船頭ではなく船員です。
船頭は知恵を出す。船員はそれを実行する。
知恵を出す人間は1人。実行する人間は複数。
これがベストの形です。
採用する立場の方はこのように組織、部署の人員配置のバランスを考えて、採用活動を行なってみてください。
スキルがあり、経験豊富な優秀な人材ばかり集めても上手くいくとは限りません。
人件費という限られた予算の中で採用活動を行うと思います。
適材適所の人員配置を考えて、採用活動を行えば必ず会社は良い方向へ向かいますので、誇りと責任を持って頑張ってください!!