1.本件の経緯・原因
- 平成23年の東京電力福島第一原子力発電所事故以降、農研機構畜産飼料作研究拠点(以下「本拠点」)では、構内の除染を進めるとともに、構内で放牧した牛生体の出荷を自粛した。その際、調査研究上の必要性から一部の放牧地を非除染放牧地として残置した。
- 上記の非除染放牧地に放牧した牛は出荷しないこととしていた。
[なお、除染済み放牧地に放牧した牛は、検査済みの清浄飼料による牛舎内での2ヶ月間の「飼い直し」を条件として、平成30年5月から出荷を再開した。] - 本拠点から出荷し、令和元年12月5日に栃木県畜産公社でと畜された黒毛和種雌(10歳)3頭から22、37、38 Bq/kgの放射性セシウムが県の検査で検出された。当該3頭は、出荷しないこととしていた非除染放牧地で放牧された個体であることが判明した。
[食品衛生法上の食品中の放射性物質の基準は100 Bq/kg以下。] - 非除染放牧地で放牧した試験用の牛は出荷しないこととしているが、今回は、出荷担当者が当該牛は除染済み放牧地で放牧された牛と取り違えたことや、上司による飼養履歴の確認が不十分であったため、と畜場に出荷したことが判明した。
2.再発防止策
- 本拠点の全ての牛の出荷の停止と、非除染放牧地での放牧禁止
- 非除染放牧地で放牧した全ての牛に目視可能な標識を付け、区分管理
- 飼養記録への放牧履歴の明記と出荷判断を二重に実施する要領を策定
- 本拠点の担当職員に対して除染状況と出荷のルールについて周知徹底。
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