「週明けは気分が乗らず、仕事が捗らない……」
「いつも疲れていて、仕事から帰ると何も手につかない……」
「ストレスがたまっていて気分が落ちやすい」
このような不調が続いているのは「休み下手」が原因かもしれません。仕事に力をめいっぱい注ぎたいビジネスパーソンこそ、「休み方の工夫」が必要です。「休み方の極意」をご紹介しましょう。
まずは、休むことの重要性を知ろう
皆さんは、毎日遅くまで残業したり、休日出勤したりして、ダラダラと仕事していませんか? 休むことの重要性を意識していない人は要注意ですよ。
スタンフォード大学の研究が、一定の量を超える仕事をすると生産性が落ちてしまうことを証明しています。この研究によれば、労働時間が週に50時間を超えると、生産性が著しく下がるそう。さらに、55時間を超えると、「これ以上働いても意味がない」と言えるほど生産性が低下するのだとか。つまり、たとえば週に70時間働いている人は、55時間働いたときと同じ程度の仕事しかできていないということなのです。
特に、「上司や同僚が帰らないと帰りづらい」という文化が根強い日本では、会社に長時間滞在することにこだわっている人も少なくないはず。経済協力開発機構(OECD)による労働時間の国際比較調査によると、日本人の平日1日あたりの残業時間は、アメリカやフランスの約3倍にものぼるそうです。
長い時間働けば、より多くの仕事ができるというわけではありません。上手に休むことも仕事のうちであると心がけましょう。
「そうは言っても帰りづらい……」という人は、ちょっとした工夫が必要かもしれませんね。たとえば、あらかじめ帰りやすい空気を作るために、午前中の段階で周囲に「◯時から英会話クラスがある」など、退勤後に予定があることを伝えておくのはいかがでしょうか。職場で共有カレンダーを使っている場合は、帰りたい時刻に予定を書き込んでおくのもおすすめです。そうすれば、遅い時間に会議を入れられるのを防げる可能性があります。
そのようにして平日に適度な休みを確保しつつ、次は休日の過ごし方にも意識を向けてみましょう。極意を2つご紹介します。
極意1:休日の寝坊は2時間まで
「平日は寝不足だから」と、週末は昼過ぎまで寝ている人は多いかもしれません。でも、これは逆効果です。
睡眠ストレスクリニックの院長であり、「仕事が冴える眠活法」の著書である中村真樹氏によると、休日に過度な寝坊をしていると、平日にも悪影響を与えてしまうのだとか。
人の体は、遅く起きることに慣れやすいため、週末に遅くまで寝ていると、睡眠のリズムがリセットされ、週明け月曜日にもきちんと目覚められなくなってしまいます。そのため、平日に体がだるくなったり、頭がぼんやりしたりしてしまうのだとか。仕事の生産性を下げないためにも、週末に睡眠リズムを崩さないことが大切ですね。
「土日に早起きなんかしたくない」という方も、睡眠リズムを乱さないためには、普段起きている時間からプラス2時間以内に起きることが理想です。平日7時に起きている人は9時までに起床しましょう。それ以上長く寝てしまうと、体内時計のリズムが乱れてしまいます。
ただ、「せっかくの休みの日なのだから、たまった寝不足を解消したい」という人も少なくないはず。そんな人は、午後3時までに20〜30分昼寝をするのがおすすめです。布団に入ると本格的に眠ってしまい、20〜30分では起きられない可能性があるため、座った状態で寝るのが最適だそう。
極意2:休日は公園を散歩せよ
「平日は仕事を終えると疲れきって、家に帰ってから寝るまでダラダラ過ごしてしまう」あるいは「休みの日はゴロゴロして終わってしまう」という人は、もったいない過ごし方をしています。上手にリフレッシュして、翌朝からフル充電で働きませんか?
公園を散歩することは、リフレッシュに効果的です。英国グラスゴー大学の疫学者リチャード・ミッチェル氏の調査によると、公園などの緑がある場所の近くに住む人たちは、死亡率や病気の罹患率が低いということが判明したそう。たしかに、緑地で過ごしたらリラックスした気分になれた、という経験は誰もがあるのではないでしょうか。
また、別の研究では、緑のなかを15分歩くだけで、生理機能に顕著な変化が起きるという結果が出ています。
千葉大学環境健康フィールド科学センターの宮崎良文教授が率いる研究チームは、被験者を【森を15分散策するグループ】と【都市の中心部を15分歩くグループ】の2つに分けました。その結果、森を散策したグループは、ストレスホルモンのコルチゾールが16%減少し、血圧は2%、心拍数も4%低下したのだとか。
ストレスを和らげたい人にとって、緑は即効性も長期的効果もあるのですね。仕事で疲れきっている人は、会社の休み時間や休日に、近所の公園などでリフレッシュすることをおすすめします。
***
ストレスがたまった状態や、疲れきってぼーっとしているときは、当然、仕事の生産性は下がってしまいます。良いパフォーマンスを発揮するためにも、休み方にもこだわりを持ってみてはいかがでしょう。
(参考)
Entrepreneur|How Successful People Work Less and Get More Done
東洋経済オンライン|日本が「睡眠不足大国」に転落した3つの事情
ダイヤモンド・オンライン|休日の寝坊は2時間、昼寝は30分超えると逆効果!
National Geographic|自然に癒される
【ライタープロフィール】
Yuko
大学卒業後、外資系企業に就職。現在は会社を辞め、ライター・翻訳家として活動中。趣味は散歩、ヨガ、カフェ巡り。