次に(2)。お金は、「自分の価値観」を見極めた上で使うことです。
私は旅行が大好きです。子どもたちが成長したいま、妻と一緒に海外旅行や国内旅行にそれぞれ年に数回出かけます。
旅先でおいしいものを食べたり、美しいものを見たり、文化や歴史に触れたりすることに、大きな価値を置いているからです。
ただし、私たちは身につけるものにはお金は使いません。
それから、おみやげもほとんど買いません。ときたま実際に食べてみておいしかった特産の食べ物やお菓子を買って帰ることはありますが、旅の余韻を味わう程度、荷物になるのでほんの少しです。
ビジネス理論に「選択と集中」という言葉がありますが、お金の使いみちも同じです。あれもこれもとお金を使うよりも、自分がお金をかけるべきところを知り、それ以外はできるだけセーブすることが大切です。
そして(3)。
「お金の価値」を知ることです。
同じ旅行でも、親や配偶者が稼いだお金を使って、暇つぶしのように出かける人もいるでしょう。対して、「スイス旅行に行きたい」という夢を、3年間自分でコツコツ貯めたお金でかなえる人もいます。
同じものにお金を使っていても、後者のほうが満足度が高く、価値のあるお金の使い方をしているといえるでしょう。
高価なバッグやアクセサリーも、人に買ってもらうより、本当にほしくて、自分でお金を貯めて買うほうが、価値が高いはずです。
お金があればあるほど幸せではないのです。
それよりも、どうやって手に入れ、それを何に使うかというプロセスが、人生を黒字にするかどうかの大きな分かれ目になります。
生まれたときから経済的に恵まれ、使いきれないほどのお金を持っている人よりも、自分の力で稼ぎ、やりくりをしながらお金とつきあっている人のほうが幸せだと感じるのは、私だけではないはずです。