中国で1億人が加入した、「P2P保険」の革命度

保険料は後払い、新型保険がついに日本登場

2019年末に都内で開催されたフィンテック関連のイベント。新しい保険のアイデアが次々と発表された(記者撮影)

2019年12月のある夜、フィンテック関連企業が数多く入居する東京・大手町のシェアオフィスは熱気で満ちあふれていた。

20代から40代の男女約40人が10チームに分かれ、これまでにない新しい保険商品のアイデアの優劣を競っていた。参加者は生損保会社や証券会社などの金融機関から、コンサルティング会社やIT企業に所属するビジネスパーソンまで、幅広い業界に及んだ。

アリババのP2P保険加入者は1億人を突破

「妊活中の人を支える保険」「ユーチューブへの投稿禁止による収入減に備える保険」から「夢を応援する保険」、「女性限定のハゲ保険」や「美容整形のやり直し保険」まで。

各チームから飛び出した新商品のコンセプトはどれも斬新だ。なかには冗談ではないかと思えるものもあったが、イベントの主催者で、少額短期保険会社「justInCase」(ジャストインケース)の畑加寿也社長は「これらの保険はP2Pの仕組みを使えば、すべて実現可能だ」と語る。

近年、欧米や中国を中心に、従来の保険商品の特徴や仕組みとは一線を画する「P2P」(Peer-to-Peer)と呼ばれる保険が広がっている。とくに中国でP2P保険の普及が急速に進んでおり、EC(電子商取引)大手のアリババグループは重大疾病を保障する「相互宝」を開発し、加入者数は2018年10月の発売から約1年間で実に1億人を突破した。

こうした新潮流がついに日本にもやってきた。ジャストインケースは2020年初めに、日本初のP2P保険「わりかん保険」の販売を開始する。

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  • みほ04ad997ef842
    毎月の保険料には上限があるらしいですね。
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    2020/1/10 09:11
  • まうぉうた25d0e0cf801b
    中抜きの少ない、より実質的な共済ということか。おもしろい。
    他の人の指摘のように、損害率が上がったっ場合や悪意の加入などを研究しないと継続性に疑問符が付きそうですね。。。
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    2020/1/10 09:47
  • wa977a1dbe8581
    損害率が上がった時に解約者が増え、継続できなることはないのだろか?
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    2020/1/10 06:24
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