電子機器のメーカーからWEBディレクターに転職したときの体験談になります。
中途採用でしたが、安定した収入を求めて日本人なら誰でも知っている大手の電機メーカーに就職しました。
私が配属された部署はインフラ通信の保守を担当する部門で、主に精密機械の保守や修理を行う仕事がメインでした。
簡単に言うとエンジニアで、もともとモノ作りが好きな私にピッタリの職業でした。
ただ私が就職して数年経ったころ、WEBの勢いが上がり、その凄さに魅力を感じました。
当時はアフィリエイトなど知っている人も少なく、少しでもいいの、もっと自由に使えるお金を増やそうと考え副業に手を出しました。
副業のアフィリエイトで月収100万円達成
もともとWEBに興味があった私は、家に帰ってからの数時間と朝の1時間を使って、アフィリエイトサイトを作り始めました。
思えば、この頃が一番楽しかった気がします。
最初は情報商材を見ながら作っていましたが、毎日サイトを作っていると徐々に慣れてきて、最終的には100を超えるサイトが出来ていました。
HTMLやCSSも独学でしたが、楽しみながら勉強できたことを覚えています。
当時のWEB技術は単純なものが多く、素人が作ってもそれなりの見栄えになるサイトを簡単に作ることができました。
今だったら挫折していたと思います。
作ったWEBサイトの中の10サイトくらいからアフィリエイト報酬が発生するようになり、半年後には月収は約100万。
もはや本業でもらう給料の額を軽く超えてしまいました。
この時はどっちが本業かわからなくなり、むしろ本業中もアフィリエイトの事だけを考えていました。
正直、上司の愚痴や無理難題を聞くのも嫌になり「こんな会社いつでも辞めてやる」という気持ちで毎日会社に行っていました。
ただ、アフィリエイトの報酬も100万円からなかなか伸びず。自分で色々と施策を繰り返しながらサイト修正を行っていたがそれでも報酬は伸びませんでした。
たどり着いた答えが「WEBサイトのデザインが悪い」でした。
当時、私が作っていたサイトは無料で配布されているテンプレートに文章を入れていくスタイル。
無料のテンプレートなので、多くのアフィリエイターが同じテンプレートを使っていたので差別化ができませんでした。
見る人が見たらサイトに訪問した時点で「あ、これはアフィリエイトサイトだな」と思うほど、ありきたりで面白くないデザインのテンプレートだったのです。
私は「皆と同じテンプレートだから報酬が上がらないんだ」という結論に至りました。
そこで、自分でサイトをデザインするスキルを付けるためにホームページデザインのWEB制作会社に転職を決意。
会社で学んだホームページのデザインスキルを自分のアフィリエイトサイトに活かす。
ただそれだけの目的で地元にあるWEB制作会社に対し、ハローワークを使って、かたっぱしに履歴書を送りました。
WEBディレクターとしてホームページ制作会社へ転職
幸い私の地元はそれなりの規模の都市なので、WEB制作会社がたくさんありました。
ただ、どこの会社も採用条件に「実務経験○年以上」という縛りがあり、未経験の私はかなり苦戦しました。
WEB系の会社は即戦力を求めるらしく、新人を取る会社はまだまだ少なかったのです。
私はホームページのデザインスキルはゼロ。
そのスキルを付けるために転職をしたいのにスキルが無いと入社できない現実を叩きつけられたのです。
その中で1社だけ「デザイナー募集。未経験可」という会社がありました。
もちろんすぐにハローワークから応募しました。
「この会社を逃したらWEB制作会社への転職は難しい」と思い、履歴書に自分が作ったサイトを添付するといったアピールもしました。
とにかく印象に残るために考えつくことは全てやりました。
私の熱意が伝わったのか面接試験は合格。
二次試験はバナーのデザイン提出だった。
課題として出されたバナーデザイン案は3つ。
ただ、何としても内定をもらいたい私はバナー案を5つ提出しました。
今考えると当時提出したバナーのクオリティーはかなり低かったです(笑)。
今見ると顔から火が出るほどお粗末なバナーでしたが、その時は自分が持っているスキルを全て出して提出したんですよね。
選考結果は、デザイナーとしては不採用。
ただWEBディレクターだったら採用という結果でした。
本当はデザイナーとして入社したかったのですが、背に腹は代えられないと思いWEBディレクターとして入社することを了承しました。
副業でアフィリをしていたからWEBに関しては自信があったが・・・
入社前まではアフィリエイトで鍛えたWEB知識があればWEBディレクターなんて楽勝と思っていました。
ですが、正直舐めていました。
ちなみに、WEBディレクターの仕事はお客様からの依頼を自分の中に一旦落とし込み、分かりやすくまとめてデザイナーに振ります。
もちろんお客様が希望する納期があるので、納期に間に合うようにデザイナーを選び自分でタスクを決めながら進捗を決めていくのです。
- お客様へのヒアリング
- サイト構成の作成
- ページコンテンツ案の作成
- 新規案件の獲得
- 新しい企画の提案・プレゼン
- 上がってきたデザインの確認
- 未入稿原稿の催促
- 細かい修正依頼の対応
などなど、これらのタスクを一つ一つ確実にこなす技術が求められます。
タスクは常に5~10案件を並行で進行するため、頭の中でスケジュール管理が出来ていないと納期に間に合わずに詰みます。
入社して1ヶ月。
はっきり言ってアフィリエイトで培った知識はWEBディレクターには全く役に立たないことを実感しました。
中小のWEB制作会社に転職するなら注意すること
副業のアフィリエイトははっきり言って「自由」
副業だから自分ペースで仕事ができるし、忙しければ次の日に回すこともできるし納期なんてあって無いようなもの。
修正箇所があれば自分でチョコチョコっと直せるレベルだし、最終的には広告に飛ばせば報酬が発生するので考え方は至ってシンプルです。
ただ、WEB制作会社のWEBディレクターは全く違います。
制作するホームページは企業やお店の紹介がほとんど。
アフィリエイトの様に広告に飛ばすという概念はありません。
サイト内で企業の情報を分かりやすく展開するのが重要で、ページごとに完結する構成が基本です。
お客様も多種多様で色んな人がいます
ハッキリ言って私が転職したWEB制作会社は、下請けの底辺だったので最悪でした。
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- 短納期のくせに使用する原稿をなかなか入稿しない
- WEB制作会社を底辺と見て何度も修正依頼をしてくる
- 会社の体制もお客様神様で客のいいなりになる
こんな会社に勤めていると、自分が疲弊してく様子が身を以て体感できます。
さらに敵は社内にもいて、軽微な修正でもデザイナーに修正依頼をかけないと上司やデザイナーからも怒られるし、デザイナーが忙しい時に修正をお願いすると嫌な顔されるし・・・
自分の中で納期に間に合うスケジュールを組んでいても、デザイナーの進捗が遅れたり社内で仕事が溜まっていると希望のデザイナーを抑えることが出来なかったり。
結果的に納期に間に合わずにお客様に謝罪をするのは自分でした。
「自分がやりたかった仕事はこれなのか?」「本当はホームページデザインを学びたかったのでは?」と自問自答しながらWEBディレクターの仕事を約3年間続けました。
結局、方向性の違いに気づいて、最終的にもっとスキルを身につけられる企業に転職することにしました。
下請けのWEB制作会社に向いている人
私が3年間制作会社で働いた中で、WEBディレクターに向いている人/向いていない人が分かったので共有しておきます。
WEBディレクターに向いている人
- YES/NOをハッキリと言える人
- 人の上に立って指揮を取れる人
- 人とのコミュニケーションを取るのが上手い人
- お金よりもお客様の笑顔にやりがいを感じる人
正直、下請けのWEB制作会社のディレクターはWEBの知識がない人も多いです。
どちらかというと、コミュニケーションが上手ければスキルがなくてもできる仕事でした。
WEBディレクターに向いていない人
- 自分で全て抱え込む人
- 協調性が無く自己主張が強い人
- 残業NGの人
- 細かいことにこだわる人
私は見事に「向いていない人」に当てはまる性格でした。
スキルアップを目的に転職していたこともあり、ディレクターの性質に全く合わなかったんですよね。
今は独自のサービスを展開しているWEBの広告代理店に勤めていますが、全く別世界で毎日が充実しています。
WEBサイトの分析を中心に行い、同時にデザインについても自分で学びながら調整しています。
もしWEB系の転職を考えているなら、将来性や仕事内容をしっかりと把握してから転職しましょう。
私はどこも同じと思っていて、安易にハローワークで見つて応募したのが失敗でした。
同じWEB会社でも、やっている内容によって将来が変わるので選び方に気をつけて下さい!
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