受験参考書などには、このことについて、「答えは問題文の中にある」と解説してるようにおもう。いま、感じるのは、その説明だとかなり足りてない、ということだ。言い方がやさしくて、伝わりにくい。私もそういう解説を読んだ覚えがあるが、いま自分のつかんでる方法のことだとはおもってなかった。いろいろむずかしい。
わかりやすくいうなら、類推の禁止、想像の禁止である。そういうルールがある。
この作者なら、こういうことを考えそうだ、と想像してはいけない。本文中に明確に書いてあることだけ、そこだけからしか答えない。
ただ、選択肢の文章は、本文とまったく同じ文章ではない。必ず言い換えがしてある。
語順が逆だったり、論理的展開を結論から述べさせようとしたりする。同じ意味の違う言葉に変えてあったりもする。
その「言い換え」を見破るゲームでもある。
記述式の場合は、本文の文章をそのまま使って書く。
だから短い文字数の記述文は、ほぼ必ず同じになる。「本文中に使われてる言葉」で「本文の論旨にのっとって」要約する作業なので、まずブレない。記述式というと幅広い回答があるように夢想してしまうが、ルールを守っているかぎり、そんな文章は書かれない。ルールが明文化されてないだけだ(最近問題になっている記述式のばらつきは、また、別の問題である)。
この問題の正解は「エ」である。
ウの“プロ文章書きは、多くの人に読まれることを大事である”という主旨のことは書かれているが、それを「緊要」とは言ってない(差し迫って重要だとは言ってない)。だから違う。
オは、“よい文章を書くにはよい文章を読め、それはいろんな文章作法の本にも書いてある”とは書かれているのだけど、“それが文章作法のパターンを踏襲している”とはなっていない(言われてみればそういうふうに考えられるけど、ここには書いてない)。
だからエである。