優秀な中堅ほど上司を「尊敬できない」根本理由

もはや上司は「ロールモデル」にならない

上司世代と若者世代では、キャリアについて根本的なギャップがあるようです(写真:jessie/PIXTA)

空前の人手不足時代。これをチャンスと捉え、転職を考えている人も多いだろう。ひと昔前であれば転職活動の成否は年齢が大きく左右し、「35歳の壁」といった俗説も囁かれていたが、最近では30~40代の転職はまったく珍しくない。

この連載の一覧はこちら

とくに、近年はいわゆる中堅と呼ばれるような現場の第一線をリードしている人材が自身のキャリアに悩んだ末に転職していくケースが目立つ。

弊社エッグフォワードでは、個々の価値に向き合ったキャリア支援サービス(TURNING POINT)を手がけているが、明確に転職を見据えた相談をしたい方だけでなく、「このままではいけない気がする。でもどうしたらいいかわからない」と漠然とした悩みを抱えている方の相談がわれわれのもとに急増しているのだ。

いわゆる有名企業所属で、客観的に見ても実績のあるミドルの方々が、口をそろえて、「上司のようになるイメージが湧かない」と現職でのキャリア形成に疑問を抱く。いわゆる、就職ランキング上位の大手総合商社や金融機関などを若くして退職するケースも少なくない。なぜだろうか。TURNING POINTに持ち込まれる相談事例を踏まえて、その原因を考えてみたい。

上司のキャリアパスが時代遅れ

今、管理職を務めているような世代と、その下では、キャリア形成の考え方がそもそも異なっている。

上司世代が若手の頃はまだ多くの会社で終身雇用に基づいた風土や制度が残っていた。40代でようやく一人前と言われ、給与も40歳前後を境に急カーブで上昇しはじめる。

そうなるまでの10数年を地道に働き続けられたのは、終身雇用の名のもとにレールが敷かれていたからだ。

次ページスタートアップと比べキャリアに焦り
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 岡本幸一郎の自動車情報発信局
  • 最強組織のつくり方
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
2

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
  • 如月五月ブログ/更新6407c324596e
    そもそも、

    現在の管理職が歩んできた「一所懸命」という考え方は
    もはやミドル世代以下には通用しない。

    とはいえ、これは会社側が社員のキャリアパスの重要性を認識
    してこなかった結果でもある。

    記事もあるが、自分の客観的な実力を知るためにも、転職の
    意志はなくても、転職支援会社にとりあえず「登録」しておく
    のは、悪いことではないと思う。

    自身の「弱み」や「強み」を自覚してから、どう対応するかを
    決めた方が効果的なはずだ。

    up25
    down7
    2020/1/9 07:17
  • AJRAbdebf3631e11
    その優秀な中堅が上司になった時、同じように思われない事を祈る。
    人は、謙虚であるべき!
    up1
    down0
    2020/1/9 10:39
トレンドウォッチAD
ひと烈風録 辻 孝<br>異色研究者の波瀾万丈

人体の器官を再生する再生医療の臨床研究が始まります。ターゲットは髪と歯。「ひと烈風録」第65回では、新しいアプローチで開発に挑む理化学研究所のチームリーダー、辻孝さんの異色の経歴と紆余曲折の人生に迫ります。