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ドイツ経済が大失速…米中対立では説明できない「ヤバい深層」

やはりイギリスの選択は賢明だった

マーケットは波乱の幕開け

2020年が始動した。昨年末は上昇基調で推移した株価動向に引っ張られる形で経済に関しても楽観ムードが流れていたが、2020年は、初っ端から米国とイランとの間の「小競り合い」をきっかけに株価は乱高下する波乱の幕開けとなった。

言うまでもないが、中東問題の混乱は原油が絡んでくるので、問題がこじれると世界経済に対して悪影響を及ぼしかねない。

この米イラン問題が、今後、世界経済にどのような影響を及ぼすかは現段階では不透明である。単なる小競り合いに終始するのであれば、昨年までの米中貿易戦争同様、マーケットにとっては、単なる「右往左往」を繰り返す要因に過ぎないということになろう。

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いや、そうではなく、例えば、イランがイスラエルと本格的な戦闘状態に入ったり、米国内でテロが発生するような事態になれば、マーケットは「リスクオフ」という局面に移行し、株価はさらに大きく調整、それをきっかけに世界景気の減速が加速するかもしれない。

さらに、もし、そのような事態になれば、大統領選を控えたトランプ米大統領にとっては、「弱腰外交」との評価から大統領選を不利に闘うことを回避するために、イランに対し、強硬姿勢を貫かないといけなくなるかもしれない。その見極めは非常に重要であろう。

だが、米イラン問題はどちらのケースになるかはまだ結論が出ない。したがって、現時点で出されている経済見通しや相場見通しの類(その多くは米イラン問題発生前に作成されているだろう)は何の役にも立たない。

 

今後、本格的なリスクオフ局面に突入するか否かという観点からは、原油価格に加え、金価格、為替では、ドル円に加え、ドルスイスフランレートを注視する必要があるだろう。その他、筆者はトランプ政権発足直後から注目してきたが、ロッキード・マーチンやノースロップ・グラマンといった米国の軍需関連の株価も要注意である。

米国の著名ストラテジストであるバートン・ビックス氏の名著『富・戦争・叡智』で描かれているように、株価にはこの手の「紛争」の行方を予見する不思議な力が備わっているかもしれないからである。