日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(65)が8日、逃亡先のレバノンで2時間以上にわたって記者会見した。「希望がなかったので日本を出た」「レバノンは自分を尊敬してくれる人ばかり」――。一貫して日産や日本の司法制度を批判し、自信たっぷりに自らの行動を正当化し続けた。記者とのやりとりは以下の通り。
――リスクを冒して日本を逃亡できたときの気持ちは?
「(逮捕された)2018年11月19日、わたしは死んでしまったように感じた。私が愛する人々に再び会えるかわからず、人生が縮んでしまったようだった。よくわからないシステムの中にはまりこんでしまって、あたかも自分が死んでしまったようだった」
「もしあなたがこういう状況におかれたら、苦痛から自分を守るために麻酔にかけられたようになるだろう。そうやって生き延びるしかない。私がようやく(こうした状況から)出られたとわかったとき、あたかも自分が生き返ったように感じた」
――逃亡したときのことは語りたくないとのことだったが、自由になるため、箱の中に入り、飛行機に乗り込んだときの気持ちは?
「明らかに私は不安だった。心配だった。でも希望も抱いていた。13カ月間も悪夢の中にいたようなものだ。検察官の顔を見たときに悪夢が始まり、妻の顔を見たときに悪夢が終わった」
――これから国際的な逃亡者として生きていくことが日本から逃亡した代償となる。その価値はあるか。
「私は不可能を可能にする男として知られてきた。1999年に日本に行ったときも、フランスから来て日本語もできなかった。私は真実を取り返したい」
「レバノンでは私を尊重し、誇りに思っている友人たちに囲まれている。これから数週間のうちに取り組みを始め、名誉回復をし、その証拠も提示していきたい。冷酷で強欲な独裁者ともいわれたが、自動車業界でやってきたことがすべてだ。その名誉を回復したい」
――小さな独房からレバノンと…
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