51:イラッとくるエロゲ同業者の話
前々回、「イラッとしたり厄介だなと思うユーザー」の話をした。
フェアじゃねぇなと思ったので、今回は「イラッとしたり厄介だなと思う同業者」の話をしていこう。
今までも似たような話はしているので一部内容がかぶるかもしれないが、どうかご容赦いただきたい。
1・フリーランスの都合を考えないクライアント
フリーランスって週7日24時間動けるんでしょ?
俺たちの仕事は最優先でやってくれるよね?
なんて思っているクライアント、結構多い。
そこそこコストがかかる作業を、「週末までにお願い」とポンッと気軽に投げてくる。
いや他の仕事もあるんでその締め切りじゃ無理ですと答えると、「ツイッター見てるけど、遊んでるよね?」みたいなことを言われる。言葉にはしなくても内心ではそう思っていて、打ち合わせとかで顔を合わせたときにイヤミを言われる。
いやいや、あなたのところの社員じゃないからそんな柔軟な対応できませんよと。
当然他の仕事も抱えてるし、休日は休みますよと。
本当に当たり前のことなのだが、そこをわかっていないクライアントは意外なほど多い。
フリーランス仲間も同じような愚痴をこぼすことがあるから、俺の運が悪いという話でもないだろう。
外注に仕事を出す際には「相手にも都合がある」ということを理解してもらいたい。
2・マウントを取りたがる人
これ、クリエイター同士でも結構ある。
というか、人付き合いを語る上では避けられない問題なのかもしれない。
クリエイターというのは創作論なんかを語りたがるもので、ツイッターなんかを見てみると「俺はこう書いているよ」というシナリオ/イラスト指南的なことをしている人は多い。
それ自体は別にいいし、酒の席でああだこうだと言い合うのは楽しいものだ。
ただ、相手の意見を全否定して自分の方がすごいとアピールしたがるクリエイターがめんどくせぇのだ。
俺の経験上、そういう人の割合は知名度に比例して多くなっていく。
実績を振りかざされると、俺のような特に売れていない人間は黙るしかない。
それはもう簡単にマウントをとることができるのだ。
そういう人たちが複数いると、表面上は相手を褒めつつ(でも俺の方がすごいけどね!)と暗にほのめかす会話が繰り広げられ、めんどくせえええええ! となる。
別に自然な流れでそういう話になったらまだいいのだが、好きなアニメの話をしているときに「そういえば俺の作品がアニメ化されたときは~」みたいに無理矢理自分の話に持っていかれるとげんなりする。
もうただの嫉妬を爆発させたただの悪口になってしまっているが、有名なクリエイターほど自分の凄さをアピールすることに躊躇がない、自分にとても自信を持っている、という共通の特徴を持っているので、やっぱりそういう人が上に行くのだなと、しみじみ思う。
3・声優さんと仲良くなりたがる人
イラッとくるというか、このタイプの人はヒヤヒヤする。
自然に意気投合して連絡先交換して、一緒に飲みに行くようになる。
こういうのは全然問題ない。
ただ収録現場でその気のない声優さんをなんとかして口説こうとしたりプライベートな飲みに誘おうとしたり連絡先を聞こうとしたりする人を見ると、マジでヒヤヒヤする。
さりげなく会話を中断させて別の話題にもっていっても、そういう人は強引に話を戻すのでどうにもならない。
全員仕事関係で現場にいるし、しかも相手はクライアントだから強く出られない。という最悪の状況だ。
そういうときは、だいたい次の収録でマネージャーが収録現場に現れたり、声優さんがブースに引きこもって出てこなくなったりする。
現場の空気が悪くなるから、本当にやめていただきたい。
そういう人を見ると、仕事に恋愛感情や性欲を持ち込む人はほんと害悪だなあ……と、うんざりする。
4・途中で逃げる人
仕事を途中で放り出して逃げる奴がいると、しわ寄せが一気にこっちにやってくる。
俺は外注だから「無理です」の一言でどうとでもなるが、お世話になっているメーカーだと話は別で、「なんとかしてみます……!」と言うしかない。
問題なのは、そういう無責任な人がこの業界にはゴロゴロいることである。
というか、締め切りを守る人が少ない。
締め切りよりちょっと早めに仕上がっただけでびっくり仰天されるぐらいにルーズな人が多い。
もしフリーになったばかりの人がいたら、締め切りだけはきっちり守ることをおすすめする。
それだけで重宝され、仕事が途切れない。
そういうレベルで、締め切りをぶっちぎったり仕事を放り出す人が多い。
まだまだ出てきそうだが、とりあえずこんなところだろうか。
いつも通り狭量な俺が勝手に思っているだけなので、全クリエイターがそう思っているわけではない、ということはご了承いただきたい。
あと、売れている人の中でもとても謙虚な人格者もいる。と最後に付け加えておく。
願わくば、そういう人と仕事をしていきたいものである。
――と、俺自身がクズであることを棚に上げて今回は締めさせていただく。