49:イラッとくるユーザーの話

 番号は49ですが、00からはじめているので今回で50回目です。

 いやはや、よく続いたものですね。

 もっとはやく飽きると思っていました。


 記念すべき50回目なので、今回は原点回帰して毒を吐いていきたい。

 テーマは、「イラッとしたり厄介だなと思うユーザー」だ。


 作り手側がこういう話をすると「作品を発表する時点で様々な意見が出て当たり前なのだから受け止めるべき」と、ありもしない作り手側の義務を押しつける人がいて、クリエイターというのは愚痴や反論を許されない風潮がある。

 SNSなんかで迂闊に反論してしまったりすると、「あなたSNSに向いてないね」とか、無礼な態度を取った側ではなくなぜかクリエイター側が責められる、なんてことも多い。


 そんな風潮にものを申したい――わけではなく、単純にいつか愚痴ってやろうと思っていただけだ。


 つまり、これからする話はあくまでも俺が個人的に感じていることであって、業界全体のクリエイターがそう思っているというわけではない。

 ――という点にご留意いただきたい。


1・やたらと上から目線のユーザー


 たびたび触れていることだが、メーカーのアンケートを読ませてもらうと、結構な割合でこういう人がいる。

 体感平均で2,3割といったところだろうか。本当に結構な割合である。

 (ちなみにメーカーに向けたアンケートではなくネット上の感想になると、割合はさらに上昇する)


 接客業をしたことがある人ならわかってくれると思うが、横柄な人って多いのだ。

 もう慣れているのでそこまでイラついたりはしないのだが、そんな頻度で上から目線の感想を目にすると、地味にダメージを受ける。


 あなたの意見を読んでいるのは、あなたと同じ人間である。

 たったこれだけのことを意識してくれれば、こちらも違う気持ちであなたの意見を受け取れるのに。

 なんて、ちょっと悲しくなったりもする。


 まあ、これに関しては俺が短気かつ狭量なだけで、気にしてないクリエイターがほとんどだろうが。



2・好みを押しつけるユーザー


 前回、「自分の好みと違っただけのことを、制作側のミスや力量不足にすり替えないでくれないかな」なんて話をした。


 自分の好みと違ったとき、あなたならどう思うだろう。

 もっとこうして欲しかったな。こうしてくれればもっと楽しめたな。

 なんて考えたのならば、あなたはとても気性の穏やかな人だ。


 こうするべきだった! こうしなければいけなかった! 減点!

 こういう人、結構多い。


 完全なる制作側のミスで実際にそうすべきだった、なんて場合は「ごめんな……」と申し訳ない気持ちになるのだが、たとえば巨乳がコンセプトの作品で、


 貧乳キャラを出すべきだった! 減点!


などという頓珍漢な批判が届くわけだ。

 こういう場合は、「なんであなたの好みに配慮しなきゃいかんのじゃ」と思う。

 当然思う。

 だって作品コンセプトと違うんだもの。


 このように、自分の好みを100%満たせなかった理由を自分のわがままではなく制作側の配慮不足・力量不足にすり替え、意味のわからない批判を送ってくる人が、そこそこの割合でいるのだ。


 これも接客業経験者ならわかってくれると思う。

 わけのわからないクレームに対しては、「知らんがな」と返すほかない。



3・作品だけじゃなく、その作品を楽しんでいる人までおとしめるユーザー


 めちゃくちゃ売れた人気作に対して、「俺はぜんぜんおもしろいと思わないけどな」という感想を抱くのは、普通のことだ。

 感性は人それぞれだから、そういうこともある。


 だが周囲と自分の感想が食い違ったとき、「あんな作品を楽しめるなんてガキだけ」「俺はもっといい作品に触れているからこの程度の作品で――」などなど、なぜか楽しんでいる人たちをおとしめ、マウントをとろうとする人がいる。


 別に心の中で思うのは勝手だが、たとえばツイッター上で「あの作品楽しかった~」という呟きに「いつも思うけどきみの感性おかしいよね……」なんて白けるリプライを送る人がいる。


 これは制作側に向けられた意見ではないので他とは少々質が異なるが、「楽しんでくれている人たちの気持ちに水を差すなよ」と結構イライラする。



4・やたらと攻撃的なユーザー


 日本人は礼儀正しいなんて言われているが、秘めた他害衝動をネットで発揮する傾向があるように思える。

 Youtubeで日本だけコメント禁止にされるあたり、実際に日本人のネット上での攻撃性というのは、他の国よりも苛烈なのだろう。


 やたらと粘着してくるアンチはもちろん厄介なのだが、個人的に困るのが攻撃的な信者の方だ。


 なんでもないあって当然の批判を、すべて封殺しようとする。

 ちょっとでも否定的な発言をした人をアンチ扱いする。

 メジャーな解釈以外を許容せず、マイナーな解釈を排除しようとし、馬鹿にする。

 新規を「にわか」「素人」と嘲笑する。


 などなど、狂信者が増えるとこういう事態が発生し、徐々にコミュニティが閉鎖的になっていく。

 そして「あの作品の信者やべぇ」なんて言われるようになる。


 これ、開発側としては結構困った事態なのだ。

 盛り上げていきたいのに、一部の熱狂的なユーザーが原因で嫌厭されてしまう。

 しかもそのユーザーというのはアンチではなくファンであり、お客である。追い出すわけにもいかない。


 作品に対する悪印象はアンチだけではなく、ファンが作ってしまうこともある。

 対処が難しいというかしようがないので、本当に厄介な事態だ。


 もっとも、俺はそんな人気作に関わることはほぼないし、あったとしても俺が心配する話ではないのだが。

 とにかく、好きすぎる気持ちはわかるけど、攻撃性は抑えようね。ということだ。



 大まかに分類すると、こんな感じだろうか。

 あくまでも俺がこう思っているというだけだし、思い当たる部分があっても別に直さなくていい。

 ただ俺がイラッとするだけだ。


 ただ、3と4に対して当てはまっていた場合は、ちょっと考えた方がいいかもしれない。

 誰もマウントなんて取られたくないし、攻撃性を向けられたくもないはずだ。


 どうか他者に寛容に優しく接して、エロゲ友達とよいエロゲライフを送ってくれ。

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