45:質問いろいろpartⅡ

 また質問をたくさんいただきました。ありがとうございます。

 早速いってみましょう。


■最近エロゲ業界から一般ゲーム向けに移行するメーカーが増えているようですが売上の面から見るとどうなのでしょうか?


 単純な移植だと、ほとんど売れない。

 最初から一般向けとして売り出したけど、失敗してエロゲに戻ってきたメーカーもある。

 確実に市場はエロゲよりも一般向けの方が大きいわけだが、アドベンチャーというジャンルで勝負するのは一部の勝ち組メーカーを除いてかなり難しいんじゃないだろうか。



■カラオケで歌えるエロゲの曲がほとんどないのはなぜですか?


 最近は増えてきている印象があるが、このあたりの事情は俺にはよくわからない。

 楽曲の権利をメーカーが持っていて、「CDに収録したいけどメーカー潰れちゃって権利関係わからねぇ……」なんて曲も多いから、メーカーの都合で配信されていないのかもしれない。

 逆に言えば、メーカー側が積極的に動けばカラオケ配信も行われるんじゃないだろうか。



■声優さんのいわゆる源氏名について。


 このあたりはマジでデリケートな話題なので、すまんが明言は避けさせてくれ。

 俺の印象にはなるが、役者さん自身はあまり気にしていなくて事務所側が厳しいことが多い。

 つまり迂闊な発言をすると事務所に睨まれる。

 そうなると俺の命が危ない。

 俺はなにも知らない。知らないんだ。そういうことにしておいてくれ。



■日本の市場が小さくなっていくのが目に見えてきて、海外に視線を向けてみたい会社もちらほら出てきましたが、これについてどう思いますか?


 もっと積極的にうってでればいいのにな、と思います。


 つい先日、steamのエロ制限が解除された。

 今までは売りたくてもノウハウを持っているメーカーが限られていたので市場を広げられなかったのだが、これによって海外展開を視野に入れるメーカーも増えるのではないだろうか。


 しかし、だ。本格的なローカライズしようにもその予算が捻出できない、そもそも翻訳家のツテがない、という問題は依然として立ちはだかっている。


 それと、社内スタッフにある程度その言語を理解できる人がいないと、正しく翻訳されているかチェックできない、という問題もある。

 実際、俺の知り合いのライターはローカライズのオファーが何度も来ているにもかかわらず、それを理由に断り続けている。

 エロゲはテキストが重要だから、steamでよくある怪しい日本語のローカライズみたいなことをされると、作品の雰囲気が台無しになってしまう。慎重になるのも当然だろう。


 あとローカライズにはかなりコストがかかる。

 海外にも需要があることはわかっているが、果たして増大した分のコストを回収できるだけの利益はあげられるだろうか。そんな不安がつきまとう。


 ギリギリの自転車操業をしているメーカーは多いから、失敗したら即会社を畳まなければならないかもしれない。

 魅力は感じているが、なかなか踏み切れない。それが実情ではないだろうか。



■以前勤めていたエロゲ会社では社会保険などの福利厚生はありましたか。


 社員になってからは、保険などの最低限の福利厚生はあった。

 儲かっているメーカーだと、家賃補助とかもあるようだ。

 弱小メーカーでは、まあ、あまり期待しない方がいいかもしれない。

 ひどいところは本当にひどい。



■ひょうろくだま様とこちらの記事のお名前を登場させてしまっても問題ないか伺いたくコメントいたしました。


 ご丁寧にありがとうございます。

 まったく問題ございません。

 私自身が好き放題やらかしているので、本文を引用する場合も、そのままでも一部編集していただいてもご自由にどうぞ。



 以上。

 たぶん今いただいている質問については答えられたはず。

 抜けていたらまた別の機会に答えさせていただきます。

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