33:小説の仕事経験&仕事でムラムラするの?
今回も早速、ご質問への返答いってみましょう。
■小説などのお仕事をした経験はございますか。
もしくは小説を書こうと思ったことはありますか。
ラノベを書いたことがあるか、という意味なら、経験はない。
単行本を出したことがあるか、という意味なら、やっぱりない。
ただ昔は(今もあるのかしらないが)雑誌に「この作品のショートストーリーを書いてくれないか」ということがちょいちょいあって、新人のころにいくつかやらせてもらったことはある。
それを小説といっていいかは微妙なところだが、仕事として書いたことはあるといえばある、ということになるだろうか。
書きたいと思ったことはあるか、と聞かれれば、ある。
そういう欲求はある。
ラノベのお仕事、お待ちしてますよ!
もっとも、やりたいならなんらかの賞に応募しろよ、という話なのだが、残念ながらそこまでの熱意も体力もこのおっさんには残されていない。
同じ方から二つ質問をいただいたので、今回はもう一つ。
■エロゲが好きでこのお仕事を始められたと思うのですが、そういう絵などに囲まれた会社にいてムラムラしたりはしなかったのでしょうか。
仕事なんだからあるわけないじゃないか。
――と、かっこつけたいところだが、すみません。あります。
グラフィッカーのモニターにはだいたいエロCGが映されているので、新人のころはとてもソワソワした。居心地が悪かった。
好きな原画家さんのCGだとムラムラしてしまうこともあった。
なんなら自分が書いているエロシーンでムラァ……っとくることもあった。
社内の自分の席でムラムラっとくるのは、まぁ、なんとでもなる。いくらでもごまかせる。
問題なのは、社外でムラッと来てしまったときだ。
そう、収録である。
大好きな声優さんが、すぐ隣の部屋にいる。
スピーカーからエッチな声が、生で、大音量で流れてくる。
初めてエロシーンの収録に望んだときはそれはもうソワソワしてしまったし、「あ、やべ、どうしよ」なんて下半身をもぞもぞさせてしまったものだ。
さすがに今はそんなことはないのだが、たまに収録に立ち会ったとき、若いディレクターがエロシーンで突然膝の上にノートパソコンを乗せ始めたら、「フフ、俺も通った道だよ」なんて微笑ましくなったりする。
声優さんに対する完全なセクハラ発言のような気がしなくもないが、この業界に入るような人間は声オタも兼ねていることが多いから、好きな声優さんの声には「駄目だ!」とわかっていても反応してしまうのだ。
条件反射なのだ。
男とは、そんな生き物なのだ。
どうかご容赦いただきたい。
免疫がないころはそんな感じで、結構ムラムラする場面がある。
しかしエロが身近にあることが当たり前になれば、そういったこともなくなってくる。
エロCGを見ながら、「28:作品の舞台&ライターの勤務形態」で述べたように、めちゃくちゃ真面目な顔で乳首談義をしたりする。
エロ雑誌を見ながら、「ここのメーカーの塗りいいね」「いい原画家さんつかまえたな~」とか、他社の動向をチェックしたりする。
エロに慣れると、ユーザー目線からクリエイター目線に変わるのだ。
ムラムラが薄れたとき。それが、一人前になった瞬間なのかもしれない。
ドヤってみたが、なんとも間抜けである。まぁいいか。
今年の更新はこれで最後になるだろうか。
また一年間沈黙する可能性もなきにしもあらずだが、来年もよろしくお願いします。
みなさま、良いお年を。