31:ソシャゲのお仕事
今回も引き続き質問に答えさせていただきます。
たぶん今後は質問への返答メインになると思います。
だってもうネタがないから!
■ソシャゲ、エロソシャゲとかの仕事をしたことはありますか?
もし詳しいのでしたらこっちの業界事情とかも訊きたいです。
あるにはあるのだが、エロゲに比べると圧倒的に少ないため、いつも以上の“妄想”トークになってしまうことを許して欲しい。
その数少ない依頼の中での話だが、丁寧なところと雑なところ、報酬が高いところと低いところの落差が激しい、という印象を持っている。
景気のいいところはエロゲ以上の報酬を提示してきてびっくりするし、お互いの都合があわないときでも、「ではまたの機会によろしくお願いします」と丁寧にメールを送ってくれる。
反対にこんな値段じゃ受けないよって値段を提示してきて、こちらが最低ラインとして設定しているギャランティを提示すると、パタッと連絡が来なくなる。
報酬面で問題はなくても企画資料も見ずに依頼を受けるのは危険なので、だいたいは「まず資料をください」とお願いするのだが、「送ります」と言いつつ放置されたり、返信すらなく音信不通になるパターンもある。
正直なところこれはソシャゲに限ったことではなくエロゲでもあるのだが、ソシャゲ方面はエロゲよりも「人材のあら探し」をしている傾向があり、条件に合わない人材をバッサリと切っているように見受けられる。
つまり、エロゲよりも人材の扱いが雑なところが多い印象がある。
変だなと思ったところの仕事は速攻で断ることにしているので、今のところネタにできるような酷い目にはあっていないのだが、イラストレーターの知り合いから「差分数に対してギャラが安すぎる」とか「リテイクの数が尋常じゃない」とか愚痴を聞くので、ひどいところは本当にひどいようだ。
反面、先に挙げたとおり扱いが良すぎるところもあり、細かい資料をしっかり準備してくれて締め切りの融通を利かせてくれて報酬も普段の二倍、みたいな仕事もある。
正直「もう専属にしてくれ」なんて思うこともあるのだが、そんなおいしい仕事にもデメリットがある。
エロゲと違って、「このシナリオは○○が書きました」とクレジットされないのだ。
クレジット非公開の仕事は、こちらで告知や公開してもよいかクライアントにお伺いを立てることになる。
OKが出れば問題ないが、「うちは非公開にしているので……」と言われてしまうと、一切触れることができなくなってしまう。
つまり、実績にカウントできなくなるのだ。
飲みの席などで「実はあの作品に関わってるんすよ~」なんて話すことはできるが、ネットなどで公開できないのはフリーランスにとってはなかなか大きなデメリットである。
駆け出しで仕事がないうちはおいしくない仕事も受けざるをえないのだが、そういった仕事は往々にして疲弊するものなので、「実績として扱えるかどうか」を判断基準にするといいだろう。
相当に困窮していない限り、実績にできない安い仕事は受けない方がいい。
きっと、得るものはあまりないだろうから。