日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(65)の記者会見が日本時間の8日夜、逃亡先のレバノンで始まった。元会長の記者会見は2018年11月に逮捕されて以来初めて。敵意をあらわにしている、日産や日本の司法制度に対してどのように言及するかや逃亡の経緯、今後の活動についての説明が焦点となる。
日経新聞電子版は会見の様子をロイター通信の映像で、テレビ東京の協力のもとにライブ中継し、発言のポイントを伝える。
大きな身ぶりを交えて記者会見するゴーン元会長(8日、レバノン・ベイルート)=AP
■「アライアンス機能せず」
元会長は自らの実績について「2017年、ルノーと日産のアライアンスはナンバー1の自動車グループだった。ビジョンも大胆な戦略もあった」と強調した。「現在はどうか。アライアンスは機能していない」と述べた。
■逃亡方法「話すつもりない」
日本からの逃亡については「今日どのように日本を抜け出したかを語るつもりはない。代わりに、私がなぜ抜け出したかを話す」と語った。
■日本政府関係者の関与「名前明かさず」
事件への日本政府関係者の関与については「レバノン政府の利益に反する」として名前を明かさないと述べた。
■「日本の人質だった」
日本の刑事裁判での有罪率は99%だと指摘し「私が公平に扱われる兆しはなく、今後4、5年にわたり普通の生活を送れる兆しもなかった」と述べた。自らを「国の人質」だったと語った。
ゴーン元会長の記者会見の様子を中継する現地のテレビ(8日、ベイルート)=共同
■「シャワーは週2回のみ」
拘置所での生活について「週2回しかシャワーを浴びることができなかった」「英語もフランス語も話す人はいない」と述べた。
■逮捕には西川前CEOが関与
2018年の自らの逮捕に関して、日産自動車の西川広人・前社長兼最高経営責任者(CEO)が関与していたと述べた。「西川氏のほか、多くの幹部が私を追い出すのに関わっていた」と語った。検察と日産が事前に準備していたとも主張した。
■「根拠のない攻撃」
「日本の検察や日産の経営陣によって組織化された恥知らずで根拠のない攻撃」と、日本の司法による自身への捜査を批判した。
記者会見するゴーン元会長(8日、レバノン・ベイルート)=AP
■「初めて私自身を弁護できる」
ゴーン元会長は会見の冒頭で「私は初めて私自身を弁護することができる」と述べた。「2018年11月からひとときも自由がなかった。過去数カ月にわたり弁護士なしで最大1日8時間尋問された」と日本での拘束を振り返った。
8日、レバノン・ベイルートで記者会見に臨むゴーン元会長(中央)=ロイター
ゴーン元会長の記者会見場前に集まった、武装したレバノン警察(8日、ベイルート)=浦田晃之介撮影
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