ホタルブクロの咲く庭

オリジナルシナリオではありません。
セッションで遊ぶ分には問題ありませんが、2次配布はご遠慮ください。

■ホタルブクロの咲く庭

■NPC
友人:佐田 賢治

■導入
探索者は友人の佐田に家の大掃除を手伝ってくれといわれて佐田の家まで赴く。
佐田の家は都心から電車で3時間程度、バスも1時間に1本で朝の5時から夜の7時までしか運行していない。
このアタリは昔ながらの家が多く、家自体は広く、庭に蔵や納屋がある家も多い。
佐田の家も例に漏れず、ひとまず蔵の大掃除を開始する。

昼ごはんを佐田の家でご馳走になった探索者たちは、再び蔵の大掃除を開始するが・・・
「あああもう!ものが多すぎるだろ!蔵なんだから当たり前だけど、もー無理\(^p^)/腰いてぇ」
と佐田が弱音を吐き出す。
「ちょっとコンビニいかね?」
と探索者に持ちかけ、蔵の掃除途中で家を抜け出そうとする。
すると後ろから
「こら!賢治!!どこいくん!!????」
と声が聞こえ
「やべ!逃げるぞ!!」
と逃げ出す。
探索者もついてくるよう促そう。

「ちょっとくらいいいじゃんなー、せっかくみんなもこんなとこまで来てくれたんだしさぁ」
「このヘンさ、なーんもないけど、夏になると蛍がくるんだよね」
「見に行く?今はいないけど、川は綺麗だぜ」
「息抜きだって!息抜き息抜き!」

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適当な会話の中に
「蛍ってさ、死んだ人間の魂とか言われてるんだよね・・・田舎の昔話っぽいけど、なんかいいよなそういうの」
という台詞を混ぜる。
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そんな話をしながら川に向かって歩いていると、霧がでてきたことに気付く。
佐田は気にせずどんどん進む。

□霧について聞く
「ああ、この辺、霧がよく出るんだ。」
「この濃霧のせいで、接触事故とかもよく起きてるみたいだし、霧の中で事故った話で、子供を轢いたと思ってあわててハンドル切ったらガードレールにぶつかった、とか」
「その話から派生したんだと思うけど、よく事故が起こるあたりで女の子の幽霊を見るとかさ」

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その話について
□<歴史>、<オカルト>、<図書館>(PC検索)で調べる
・この地域では年間2人から3人が姿を消している。神隠しが起こる土地としてそれなりに知られている。
・行方不明になったものの、発見された人間もいないわけではない。発見されたとき、彼らは手に枯れかけた花をつかんでいたという噂がある。
・以前、行方不明になった女の子がいたが、後に自宅の庭から死体で発見されたらしい。犯行は両親のいずれかと目されていたが、父親は行方不明、母親は自殺しているため、事件は迷宮入りしてしまった。


□周りを見回すなら似たような花がそこかしこに生えているのに気付く
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その花について
□<知識>、<生物学>、<博物学>で調べる
その花はホタルブクロという花だとわかる。白や赤紫色の釣鐘状の花で、キキョウ科の多年草。
和名は、子供が花の中に蛍を入れて遊んだことから付けられた。


そうこうしていると、霧がだいぶ濃くなってくる。
「マジか、こんな濃い霧とか初めてだよ・・・前ほとんど見えねー・・・」
そういって佐田は携帯の明かりをつけようとすると
「あれ、おっかしいな・・・朝充電してたはずなんだけど・・・」
ここで、電子機器・通信機器の電源が入らなくなっていることに気付く。

霧が晴れてくると、1件の家の前に差し掛かる。
不思議なことに、その家だけははっきりと見えるが、それ以外は霧に包まれてよく確認できない。

探索者たちがどこへ行こうとしても、必ず霧の中を通り、この家の前にたどり着いてしまう。


■一軒家
隣家はなく、周囲は木々に囲まれている。
外壁には苔がこびりつき、手入れをされていない様子だが、家屋自体はさほど旧くはない。
2階建てのごく普通の一軒家といった印象だ。
表札には「百田」
門にはインターホンが付けられ、家の前面に広い庭が広がっている。
この地域らしく、庭には納屋があり、片隅には花が群れて咲いている。
インターホンは押してもならない。人の気配もないようだ。

■庭
敷地内に入り込むと、庭の中央の部分だけ芝生がはがされ、土の上に何か模様が描かれていることに気がつく。

<アイデア>成功
どうやらそれは魔方陣のようだ。同時にキミはそれから禍々しさを感じる。
見てはいけないようなものを見るような、なんともいえない悪寒を感じたキミはSANチェックです。1/1D3

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魔方陣について調べる
□<オカルト>
ところどころにある不自然な水溜りが魔方陣自体を不完全なものにしていると気付く。

□<生物学>、<医学>
すでに乾いているものの、それが血で書かれていることがわかる。
どうやら動物の血と人間の血の2種類で描かれているようだ。
また、魔方陣の模様を潰すように、ところどころに不自然な血だまりがあることに気付く。


■庭に咲いている花
霧の中で見回したときと同じ情報。ここにも同じ花が咲いている。
□<知識>、<生物学>、<博物学>で調べる
その花はホタルブクロという花だとわかる。白や赤紫色の釣鐘状の花で、キキョウ科の多年草。
和名は、子供が花の中に蛍を入れて遊んだことから付けられた。


■納屋
鍵がかかっている。壊す場合は3D6とSTR対抗。2人がかりでも可能。
中は6畳くらいの広さ。
中には、大きなシャベル、芝刈り機、剪定用バサミ、肥料、ホース、ペンキ、縄、鍬、スコップなど、庭の手入れに必要なものが置いてある。
窓はなく、電気がつかないため薄暗い。

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中を見回す
□<目星>
床に大きく星型の模様が書かれていることがわかる。所々、泥やほこりで汚れている。

□<アイデア>
庭の魔方陣とは違い、庭のものを邪とするならこちらは聖なるものの印象を受ける。


□<知識>
汚れている部分を掃除したら、邪を退ける力を取り戻すのではないかと気付ける。

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エルダーサインを掃除する。
誰が掃除するか決める。
掃除したキャラのみ、POW-2の一時的減少。(このセッション内は有効)
掃除と同時にエルダーサインが活性化する。エルダーサインの内側にいる者は、清浄な空気に安堵感を覚える。
また、外側の世界が如何に不穏であるかも気付く。

□強制イベント1で少女を見た後エルダーサインを活性化させた場合
少女と同じ清浄さを、この模様からも感じ取ることができた。

■■■屋敷探索に入る前に■■■
玄関、リビングの窓周辺に差し掛かった際に、部屋(リビングダイニング)のレースカーテンの向こうで小さな光の瞬きが見える。

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全員<幸運>ロール
□成功
何も見ない
□失敗
窓ガラスに女の姿が映っていることに気付く。彼女は庭の魔方陣のほうを眺め、不安げに顔を歪めている。
屋内に他の人影はない。また、この窓はレースのカーテンが敷かれており、人がいようとこのようにガラスに映りこむ筈はない。
そのことに気付いてしまった探索者はSANチェックです。0/1D3

出入り口は2箇所。玄関と勝手口。どちらも鍵はかかっていない。
電気は通っていないため、明かりはつかない。人の気配もない。

■1F玄関
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最初に入った探索者
玄関ホールに大きな姿見がかかっている。そこに階上を病んだ瞳で見つめる女の姿が映っているのが見えた。0/1D2のSANチェックです。
リビングの窓で女の姿を見ていた場合は、それが先ほどの女と同じであることに気がつく。

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玄関を調べる
□<目星>明かりがない場合は-20%
ところどころに床に黒い染みがあることに気付く。
それは階段、1F廊下、玄関から庭へと続いていることがわかる。
気付いてしまった探索者は1/1D2のSANチェックです。

□<目星>成功時のみ、<医学>、<生物学>
黒い染みが人の血であることに気がつく。1/1D2のSANチェック。


■1F リビングダイニング
ローテーブルとソファセット、テレビ、大きなリビングボード、ダイニングテーブルセットなど、一般的な家具がある。
内部は清掃が行き届いており、ほこりも積もっていない。

以下、<目星>-20%成功時のみ
□リビングボード
母親と父親は赤紫、娘は白いホタルブクロを抱えて笑っている写真を発見する。

□ローテーブルの下
百田ほたるが行方不明になったという小さな記事を見つける。

□ダイニングテーブル
テーブルの下に隠れるようにして置かれていた小物入れを発見する。
中には、懐中電灯、ライター、ろうそくが入っている。
明かりを持ち込んでいない探索者はこれらを使用すれば<目星>のマイナス補正を回避できる。

□テレビ
テレビの画面にソファに座り込み、新聞らしきものを見ながら泣いている女の姿が映りこむ。0/1D2のSANチェック
リビングボードで写真を発見している場合は、それが百田の母親であることもわかる。


■強制イベント1
発生条件:リビング探索後、もしくは探索中に窓の外を気にした探索者がいた場合
キミは外がほの明るく光っていることに気がついた。
窓の外を見ると、夕闇の庭に少女が立っているのに気がつく。
少女は10歳程度の外見をしており、白く輝いていた。
生気が感じられないうえに、うっすらと透き通っており、明らかに生きている人間ではない・・・
だが不思議なことに、キミの心には少女に対する恐怖は沸き起こらなかった。

□納屋でエルダーサインを活性化させていた場合
納屋でみたあの不思議な模様と同様の雰囲気を、この少女からも感じ取ることが出来た。

□<目星>またはRPで開示
・少女はホタルブクロを3輪抱えている。
・1輪は白、もう2輪は赤紫。白い花の中に強い光を放つ光源があるようだ。彼女を闇の中から浮かび上がらせているものはその光である。

□少女について
少女は悲しげな表情を浮かべ、何か探索者に助けを求めている様子である。
「お父さん」「お母さん」「たすけて」「怖いものが来る」「おにいちゃん」「おねえちゃん」「にげて」と途切れ途切れの言葉と手振り身振りで伝えてくる。
「怖いもの」について探索者が尋ねた場合は、「大きい」「黒い」「目がたくさん」「口がたくさん」といった情報を出してもいい。(好感度次第)

白いホタルブクロをしっかり握ったまま、赤紫色をした2輪のホタルブクロを差し出してくる。
赤紫色のホタルブクロを渡した後、納屋を白いホタルブクロで指し示してもいい。
少女は空を見上げ、おびえた顔を浮かべると姿を消してしまう。(怖いものの現れる夜を恐れている)

-----KPメモ-----
ここで白いホタルブクロを奪うようなRPがあった場合は、少女は消えたまま2度と現れない。
奪ったホタルブクロは光を失い、枯れてしまう。
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■キッチン
食器棚に地下収納庫、シンクなど一通りのものがそろっているキッチン。
特に判定の必要なく、刃物類(包丁やナイフなど)が一切ないことに気がつく。

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食器棚を調べる

□<目星>もしくは<アイデア>
食器棚の隅から「レシピ集」と表紙に書かれた大学ノートを発見する。
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百田家の妻によるレシピを書きとめたノート。
ところどころに日記めいたものが書かれている。
失業後、夫の様子がおかしくなっていること、オカルトにはまっていること、娘もそれに気付いているようで、以前はなついていた父親と距離を置いていること。
父親の娘を見る目が獲物を狙う獣のような鋭さを見せることがあり、心配していること。
また、娘が行方不明になったあと、夫が娘を殺してしまったのではないかと疑い、早く家を出る決断をしなかったことを後悔していること。
娘失踪半年後あたりには、最近の夫が自分を見る目が怖い、このままでは自分が娘のように殺されるのでは、と疑いを抱いていること。
以上の記述がレシピの隅に書かれていた。
また、このノートは使い切られていた。

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地下収納庫を調べる。
□<目星>
飲料水、アルコールを発見できる。飲んで大丈夫かどうかはわからないが、封は切られていない。賞味期限も大丈夫。

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シンクを調べる。
蛇口をひねると水が出る。若干汚れが混じっているようだ。
そのほかには特に何もない。

■洗面所
ドアを開けるとすぐに大きな鏡のついた洗面台があり、洗面台の隣には洗濯機が置かれている。
蛇口をひねると水がでる。若干汚れが混じっているようだ。

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一番初めに洗面所に入った探索者のみに発生
洗面台の鏡に、血まみれの手をなきながら洗っている女の姿を見る。
彼女は半狂乱の様子で手を洗っているが、うまく血の汚れが取れないのか、その顔に深い絶望の表情を浮かべている。
彼女はぬれた包丁を抱えてふらふらと浴室のほうへ向かい、鏡から姿を消した。
1/1D3のSANチェックです。

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洗面台を調べる
□<目星>
洗面台の下の棚から使用可能な懐中電灯を一つ発見できる。

■浴室
浴槽と洗い場のある普通の風呂場。

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一番初めに浴室に入った探索者のみに発生
壁に設置された大きめの鏡に、浴槽へと半ば倒れこむ女性の姿が映っているのが見えた。
浴室の床には血まみれの包丁が転がっている。
鏡に映りこんだ浴槽を覗き込めば、手首から大量の血が流れ、水は赤黒く染まっている。
その光景を見てしまった探索者はSANチェックです。1/1D3

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蛇口、もしくはシャワー口
水を出そうとした場合、赤い水が出る。
<化学><博物学><知識>判定で成功すると、それは赤錆だとわかる。
失敗した場合は0/1D2のSANチェック。


■強制イベント2
発生条件:浴室探索後
探索者たちが浴室を出て、ふと目をあげると目の前の廊下をふわりと光るものが通り過ぎるのが見えた。
蛍のように見えるそれは階段の上へと飛んでいく。

□<追跡>もしくはDEX6との対抗ロール
その光を階段途中で捕まえることができる。

-----KPメモ
この光は屋内をさまよう母親の魂の象徴である。
蛍のように見えるが、じっと観察すればそれは虫などではなく光の塊であることがわかる。
少女と対面しているものは、その光が少女を包む光と同じく清浄なものであると感じることが出来る。
捕まえた光をホタルブクロに入れるRPが発生した場合、花の中に入ることによってその光が強くなったことに気がつく。
ここで捕まえられなかった場合、2Fの各部屋探索後に同様の捕獲ロールが発生する。

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1F探索中に探索者が<聞き耳>に成功した場合
家の背後のほうからかすかに物音を聞いた気がする。

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家の裏側(勝手口)を確認した場合
無数の目と口をもった暗黒が、家屋に張り付いている姿を目にしてしまう。
その姿を見てしまった探索者はSANチェックです。1D6/1D20
その暗黒は、家屋に張り付いてうごめいているだけで目立った動きはしていないようだ。


■2F共通
2F探索が開始された段階で、庭に再び少女が現れる。
日が暮れた庭は闇が広がっている。
少女はしきりに周囲の闇を気にしている様子だ。
闇が少女を包む光を圧迫しているような印象を受けた。

彼女に声をかけた探索者には、己の持つホタルブクロを指し示し、「光」をホタルブクロへ入れるようジェスチャーや単語を示す。
異形のものの出現が近いことを示唆する言葉を伝えてもいい。

■2F洋間(子供部屋)
子供部屋として使われていたようだ。
ベッドと机、クローゼット、出窓がある。
<聞き耳>で家の外からかすかな物音が聞こえたような気がするが、この時点では少女の姿以外何も見えない。

-----
机を調べる
□<目星>
自動向けの地元の昔話集がある。
昔、この地域に化け物が現れ、人々を殺していったのを、村の祭祀が退治したという内容。
挿絵には複数の目や口を持った黒いスライム状の生き物と、五芒星の紋章、光を集めた杖をもつ人物が描かれている。
聖なる呪文を唱えながら杖を掲げると、魔物は逃げ惑うという。

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むかしむかし、この村に真っ黒いからだにたくさんの目と口をもった、おそろしいばけものがあらわれました。
ばけものは次々と村人をおそい、たくさんの人が死んでしまいました。
ある時、せいなる力を持ったおぼうさまが村に来て、助けをもとめる村の人々にいいました。
「よいでしょう、あのばけものをおいはらいましょう」
お坊様は丹(に)とよばれる赤い砂ときれいな水をまぜると、村の広場へせいなる星の形をかきました。
夜になってばけものがあらわれると、おぼうさまは光のつえをふりあげてばけものを追いかけます。
ばけものはぶきみな声をあげながら、にげていきます。
おぼうさまは、ばけものをせいなる星のもようの中へおいつめると、ふしぎなじゅもんをとなえました。
すると星のもようから光があふれ、ばけものをつつむと、そのまま消してしまいました。
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ベッドを調べる
□<目星>
ベッドとベッドのスプリングの間からノートを発見することができる。薄い本ではない。
子供の字で書かれた日記のようだ。
父親が失業してから家庭内の雰囲気が悪くなったこと、父親が書斎に閉じこもるようになり、ずっと本を読んでいること。
黒く、口と目が無数にある不気味な生き物の絵をじっと見て笑っていたことなどが書かれている。
彼女は家族が以前のように仲良く暮らしていくことを望んでおり、そのために自分ができることはないか悩んでいる。


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出窓を調べる
□技能判定なし
庭に少女を見つけることが出来る。
□<目星>
いくつものぬいぐるみに囲まれるように鏡が置かれていることに気付く。
鏡を覗くと、少女のベッドに腰掛けて、ぬいぐるみを抱えて泣いている女性の姿が見える。
見てしまった探索者はSANチェックです。0/1D2

-----KPメモ
この時点で光を捕獲できていない場合、部屋から出ようとした時点で、再び光がどこからともなく現れる。
DEX6との対抗。
捕まえない、対抗ロール失敗で、蛍のような光は寝室のほうへむかって消えてしまう。


■2F寝室
ベッドが2つとサイドテーブル、窓があり、部屋の奥にはウォークインクローゼットがある。
窓のカーテンは開いており、窓の外には少女の姿がある。
<聞き耳>成功で、家の外からかすかな物音を聞いた気がするが、この時点では少女の姿以外何も見えない。


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ベッドを調べる
青いベッドカバーと、ピンク色のベッドカバーが付けられ、すぐにも寝られそうな状態である。
□<目星>
青いカバーはきれいで、長く使われていないことがわかる一方、ピンク色のカバーには妙なふくらみがあり、めくると大きなぬいぐるみが寝かされていた。
ぬいぐるみを手に取った場合、手にした探索者はジャラッという音を聞くと同時に違和感を覚える。

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ぬいぐるみを調べる
□<目星>もしくはRP
ぬいぐるみの背部分が避けており、そこにナイフや包丁といった刃物が複数隠されている。
子供部屋の鏡に映った女性を見ている場合、それが女性が抱えていたぬいぐるみだとわかる。
また、キッチンから包丁の類を知る探索者は、母親がここに刃物類を隠したのだと察する。


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サイドテーブルを調べる
□<目星>
家族3人の写真と鑑が置かれているのを見つける。
鏡を覗き込んだものは、女性がその背から包丁を1本取り出し、決意を秘めた表情でドアの外へ向かう姿を見る。SANチェック0/1D2

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ウォークインクローゼットを調べる
□<目星>
大学ノートを発見する。
これは夫の奇矯に不安と不満を覚えた妻が残したものである。
彼女は夫の蔵書や、彼が納屋に描いた模様、庭の芝をはいで魔方陣を描き始めたことから、夫が何かしらよくない儀式をしようとしていることに気付いている。
彼女は力づくでも夫を止める覚悟を決めており、失踪した娘に力を貸してくれるよう、言葉を残している。

-----KPメモ
この時点で光を捕獲できていない場合、部屋から出ようとした時点で、再び光がどこからともなく現れる。
DEX6との対抗。
捕まえない、対抗ロール失敗で、蛍のような光は書斎のほうへむかって消えてしまう。


■2F書斎
書棚、机、テレビ、布団、小型冷蔵庫があり、主にこの部屋を中心として暮らしていた人間がいることがわかる。

全員室内に入ったところで<アイデア>判定
成功したものは、ドアを潜った瞬間、違和感を覚える。
血の臭いを感じるもの、床の絨毯に不自然な染みがあることに気付くものもいる。

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しみを調べる
□技能判定なし
乾いた赤黒い血がべっとりとついているのを発見する。

□<医学>、<生物学>
そのおびただしい血液量から、怪我を負った人間がかなりの重症であることがわかる。
血を見てしまった探索者はSANチェックです。1/1D3


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書棚を調べる
□<図書館>
・ビジネス/就職本を発見する
・オカルト本を発見する
・歴史関連の書籍を発見する

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ビジネス/就職本を読む
枠線が引かれていたりする以外は特筆すべきことはない。
しかし、方向性の異なるさまざまな業種の本が並んでいること、就職に関する本が多いことから、この本棚の持ち主が新たな職を探していたのだろういうのがわかる。

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オカルト本を読む
召喚に関する本が多く並んでいる。
探索者がその中の1冊を手に取ると、中から折りたたまれた紙が落ちてくる。
中身を見なくとも、手から伝わる禍々しさから、そのメモにはあまりよいことが書かれていないのだろうと予測がつく。
メモを見れば、魔方陣が書かれており、ヘッダー部分には「ネクロノミコンより」と書き添えられていた。
見てしまった探索者はSAN喪失:1D3

詳しくメモを読んでいくと、メモのところどころには走り書きがあり、「みんな死んでしまえばいい」「食われてしまえ」などと書かれている。
「生き残って高みの見物をしてやる」という言葉の後に、エルダーサイン、光、退散の呪文と書かれており、その部分には何度もアンダーラインを引いた跡がある。

エルダーサインは五芒星の模様、納屋で見たものと同じだとわかる。
退散の呪文は
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天より落ちたる者は地の底へ
闇より出る者は闇のもとへ
在るべきものが在るべき場所へ
光よ、標となりて道を照らせ
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気持ちの悪い魔方陣は庭にあったものと同じだとわかる。
またその魔方陣のそばに「死者を蘇らせる」「奴隷」「バグ=シャース」と書かれていた。

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歴史関連の書籍を読む
さまざまな国の歴史関連本が並んでいる。この地域の伝承について書かれた本が目に留まる。
昔、この地域に化け物が現れ、人々を殺していったのを、祭祀が退けたという記述が見られる。
祭祀が使用した杖がホタルブクロの形によく似ていたため、村人たちはホタルブクロを魔よけの花と捉え、家の周りに植えたという。
そのため、この地域にはホタルブクロが多い。
この家や、ここにつく前に風景を見ていた探索者は、ホタルブクロが多いことに納得するだろう。


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机を調べる
□<目星>
机の上に家族写真が飾ってあることに気付く。
この写真では、娘の部分が黒くマジックで塗りつぶされており、母親の部分を○で囲んである。

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机の引き出し
鍵がかかっている。
□<鍵あけ>か、3D6とのSTR対抗と<幸運>の組み合わせロール(この場合、<幸運>に失敗するとゆがんであかなくなる)
成功すれば納屋の鍵と、かなづちやバールといった工具類、LEDライトの懐中電灯を見つけることができる。


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テレビを調べる
□<目星>
一組の男女が言い争っている様子が映し出された。
背を向けた男性に向かって女性が突進し、振り返った男性の腹にナイフを突きたて、引き抜く。
血しぶきが舞い、絨毯や女性の服を血まみれにする様子が見えた。1/1D3のSANチェックです。

-----KPメモ
この時点で光を捕獲できていない場合、部屋から出ようとした時点で、再び光がどこからともなく現れる。
DEX6との対抗。
捕まえない、対抗ロール失敗で、蛍のような光は階下のほうへむかって消えてしまう。


■強制イベント:クライマックス
発生条件:屋内探索箇所が9箇所終了時

不意にドンと大きな音を立てて家が揺れた。
キミらは地震かと訝しむ。
<アイデア>か<聞き耳>振ってください。

□<アイデア>
これは地震ではなく、まるで強い風が吹き付けたような、あるいは何かが家にぶつかったような感じがした。

□<聞き耳>
家の外、それも庭に面していない勝手口側から、口笛の音が聞こえてくる。
それも1つではない。2つ、3つ、4つと幾重にも重なっていく。

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勝手口を確認した場合
無数の目と口を持った暗黒が、家屋に張り付いている姿を目にしてしまう。SANチェック1D6/1D20
それは家の裏側をがさごそと動き回っているが、いえの中に入ってくる様子はない。

ホタルブクロに光をいれているものがいれば、そのホタルブクロが危険を示すように点滅しているのに気がつく。
そして窓の外から少女の悲鳴が細く届く。

庭を確認すれば、少女に向かって異形の物が近づいているのが目に入った。
異形のものは人の形をしている。
勝手口で暗黒を見ていた場合、それとは別の何かであるとわかる。
少女はそれに向かって「お父さん」と叫んでいる。少女を包む光は淡く点滅し、今にも消えてしまいそうだ。

少女を助ける場合、アンデットとの戦闘に入る。
ここで少女を助けなかった場合、少女の姿は闇の中へ消えてしまう→BAD END
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人の姿をしているが、それは人ではなかった。
前屈みになった姿勢はどこか不自然で、顔つきにはしまりがない。
肌は生気がなく、黒ずんでいる。
歩くごとにぴちゃり、ぴちゃりと水音がするのは、その身体を包むゼリー状の膜のせいだろうか・・・
腹部には大きく切り裂かれた傷跡がある。
生ゴミが腐ったような悪臭が鼻の奥をつく。
キミたちは不意にそれと目があった。
・・・あった気がした。
しかし、実際目があるべき場所に眼球はない。ただ、黒い穴が2つあるばかりだ・・・
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【アンデットの奴隷】
遭遇によるSANチェック:1/1D6
STR:15 CON:15 SIZ:13 POW:1 DEX:7 耐久力:14
武器:噛みつき30% ダメージ:1D3+1D4
貫通する武器は1ポイントのダメージ。
その他のすべての武器はダメージ半減。
火をつける攻撃であれば、効果があるかもしれない。(火事注意)
攻撃対象はホタルブクロを持つもの。


アンデットを倒すと崩れ落ちたその身体の中、ちょうどナイフで切り裂かれた傷が残る腹部あたりから、蛍のような光が現れる。
それは探索者たちや、少女の周りを飛び回る。
DEX6との対抗ロール

光を捕まえ、赤紫色のホタルブクロの中へ入れれば、それは明るく周囲を照らすだろう。


■強制イベント:バグ=シャース(不完全体)
発生条件:魂を入れたホタルブクロを2輪持っている

ホタルブクロが強烈な光を発し、周囲が明るく照らし出される。
不思議なことに、清浄なその光は目を傷めない。
少女が探索者1人を呼び寄せ、自らのもつ白いホタルブクロを手渡し、家の暗がりを指差す。
見ればそこにはこちらを覗き込む黒い塊がある。
無数の目と口を持ったそれは身悶えるように身体を震わせている。
ひゅー、ひゅーと不気味な口笛がブーイングのように幾重にも重なって聞こえる。
口からはあふれた唾液で、ぴちゃり、ぴちゃりと水音がたつ。

バグ=シャースの登場です。


【バグーシャース(不完全体)】
遭遇によるSANチェック:1D6/1D20
STR:25 CON:22 SIZ:32 INT:7 POW:12 DEX:5 耐久力:27
武器:組み付き60%

ホタルブクロの光を忌避している。懐中電灯などの明かりは無効。
ココまでに手に入れたホタルブクロ3輪と呪文を用いて、バグ=シャースを活性化されたエルダーサインまで追い込めばトゥルーエンド


■エンディング
■トゥルーエンド
発生条件:バグ=シャースを退散させる

それは不満げな声を上げながら、聖なる印の中へと追い込まれていく。
その身体がすべて納屋に収まると、納屋から不思議な光があふれ、あたりに断末魔のような無数の声が響き渡った。
その場にいた探索者は恐怖のあまり、思わず目を瞑ってしまう。1/1D6のSANチェック
その瞼の裏に、3人の人影が映る。大人が2人と子供が1人。小さな子供が2人と手を繋ぎ、遠くに見える白い光へと歩いていく。
そのとき、キミたちの耳に「ありがとう、おにいちゃん、おねえちゃん」という声が届いた。
目を開ければ闇は遠ざかり、空は明るく、星の光が薄く瞬いていた。
慣れ親しんだ夜明けの気配だ。
不浄の気配は去り、少女の姿もなく、納屋も家の姿もなくなっていた。
雑草の生い茂る更地の中にキミたちは立っている。手の中にはしなだれたホタルブクロ。もう光ってはいない。
背後からの声に振り向くと、懐中電灯片手に走ってくる友人の姿があった。
霧の中、見えなくなったキミたちを、今までずっと探し回ってくれたらしい。
無事に再会できたことを心から喜ぶ友人とともに、満点の星空の下、蛍の群れが闇に飛び交う景色を思い浮かべながら日常へと戻っていった。

□クリア報酬
SAN回復:1D10+1D5
クトゥルフ神話技能:+2

■ノーマルエンド
発生条件:バグ=シャースを退散させる条件がそろわなかった

家をでるとあたりは静かになり、朝が訪れかけていた。
キミらは朝もやの中、少女が寂しげに微笑みながら「さようなら、おにいちゃん、おねえちゃん」と告げてた。
朝もやは霧のように濃くなり、その少女のいる家を霞ませていく。
キミたちが霧の中、歩みを進めているとやがて霧は晴れ、雑草の生い茂る更地の中に立っていた。
背後からの声に振り向くと、懐中電灯片手に走ってくる友人の姿があった。
霧の中、見えなくなったキミたちを、今までずっと探し回ってくれたらしい。
無事に再会できたことを心から喜ぶ友人とともに、キミらは日常へと戻っていった。

□クリア報酬
SAN回復:1D6
エルダーサインの活性化:+1D2
3輪のホタルブクロ収集:+1D3
クトゥルフ神話技能:+1

■バッドエンド
発生条件:少女から白いホタルブクロを取り上げる。もしくはアンデットに襲われている少女を助けない。

家をでるとあたりは静かになり、朝が訪れかけていた。
キミらは朝もやの中、少女が哀しそうな表情を浮かべ立っているのを見た。
少女は「おにいちゃん、おねえちゃん・・・ひどいよ・・・」と一言漏らすと、口から血を吐き、頭から血を流し始める。
首や足が奇妙に折れ曲がり、彼女の足元には血だまりができていった・・・1/1D3のSANチェックです。
少女は家屋ごと朝もやの中に霞み、やがて見えなくなる。
キミたちが霧の中、歩みを進めているとやがて霧は晴れ、雑草の生い茂る更地の中に立っていた。
背後からの声に振り向くと、懐中電灯片手に走ってくる友人の姿があった。
霧の中、見えなくなったキミたちを、今までずっと探し回ってくれたらしい。
無事に再会できたことを心から喜ぶ友人とともに、キミらは日常へと戻っていった。
それからしばらくの間、キミらは夢を見る。
少女がただただ、泣いている、そんな夢だ。
どうすることも出来ず、ただ見守るだけのその少女は、あの家屋で出会った少女によく似ていた気がした。


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