看護部長ごあいさつ

患者さまの心にも届く看護をめざして。

現在、我が国ではあらゆる面において高齢化が問題になっています。それは医療の分野においても例外ではありません。館山病院では、この高齢化問題に対応するためリハビリテーション重視の看護にいち早く取り組んできました。ご自宅で療養を続けられる患者さまは大変多く、私たち看護師は病院の中だけにとどまらない、患者さまのご自宅での生活を考えた看護が重要になっています。このように地域医療に関わることで、看護師の役割も多様になっています。看護の実践能力はもちろんですが、それだけでは患者さまをサポートすることはできません。心の通う看護が患者さまにとっての最大のケアになってくるのです。

看護の現場では、患者さまの身体状況を詳細に把握し、共有することはもちろんのこと、医療を受ける患者さまやご家族の、社会的・経済的な問題にも関わります。そのため患者さまご本人のみならず、ご家族とのコミュニケーションも大切な仕事で、ご家族を交えて医療チームがカンファレンスをすることもあります。人間としての生き方、そのためのお手伝いとは何か。病院も社会の一部だということを意識して、患者さまとご家族、さらに地域全体も巻き込みながら共生していく看護を目指していきたいと思っています。

そのような看護の中で一番大切なことは、看護の原点にかえる、ということです。館山病院看護部では、看護理念に加え、「4つの誠実」を大切にしています。

1.医療に誠実であること。2.患者さまに誠実であること。3.チームメイトに誠実であること。4.そして、自分自身に誠実であること。医療人としての小さな心がけの積み重ねが、看護師同士の絆を強め、患者さまの健康に繋がっていくことを、私自身も長い臨床経験から感じてきました。この誠実という言葉をいつも忘れずに自分に問いかけることで、よりよい看護のサポートができるのではないかと信じています。

ゆるやかな螺旋階段を登るようなイメージで、患者さまがより良い毎日を過ごせるように看護していく。看護部全体がひとつのチームとなって、バトンを繋ぎたいと思っています。

看護部長 加藤 尚子

看護部長 加藤 尚子

1976年に看護師国家資格取得。大阪の病院に5年間勤務した後、1981年に館山病院へ。外科病棟の看護主任、看護師長、看護副部長を務めた後、2000年1月から館山病院看護部長に就任。