イラン、イラクの米軍駐留基地2カ所にロケット弾-報復を開始
Glen Carey-
イランの革命防衛隊は「殉教者ソレイマニ」作戦と名付けた
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基地の損害や負傷者の有無は現時点では明らかになっていない
Photographer: Scott Eells
イランはバグダッド時間8日未明、米軍とイラク軍が共用するイラクの空軍基地2カ所に複数のロケット弾を発射した。米国防総省が発表した。米軍によるイランの革命防衛隊精鋭部隊のソレイマニ司令官殺害に対する最初の報復とみられる。
これに先立ち、革命防衛隊はウェブサイトで攻撃を明らかにしていた。米国防総省によれば、ロケット弾はイラン国内から発射され、イラク西部のアル・アサド基地のほか、エルビルの施設を標的とした。攻撃による損害や負傷者の有無はまだ明らかになっていない。
ホワイトハウスのグリシャム報道官は声明で、「イラクの米国施設が攻撃を受けたとの報をわれわれは承知している」とした上で、「大統領は説明を受けており、現在、状況を注視するとともに国家安全保障チームと協議を進めている」と述べた。
米国防総省は各基地が既に警戒態勢に入ったと発表した。
米株価指数先物が下落、原油先物は急伸
イランによる攻撃を受け、米株価指数先物は下落。S&P500種株価指数は一時、0.8%下げた。金は一時1.5%高を付け、原油先物は急伸した。
革命防衛隊はイラン国営テレビに対し、ソレイマニ司令官に対する先週の攻撃への対応策がさらに行われるだろうとし、「われわれは大悪魔の米国に対して、すべての措置がより多くの痛みと破壊を伴うだろうと通告する」と表明。今回の作戦を「殉教者ソレイマニ」作戦と名付けた。
AP通信によると、殺害されたソレイマニ司令官の7日の葬儀に参列した革命防衛隊のサラミ司令官は、米国が支援する場所を炎上させると警告していた。
またイラン最高安全保障委員会のシャムハニ事務局長は、同国が米国に対して13の報復シナリオを検討していると表明していた。ファルス通信が報じた。
原題:Iran Retaliates Against U.S. in Rocket Attack on Two Iraqi Bases(抜粋)