@chablis777
シャブリ

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去年の秋から預かっていた弟子2人に辞めてもらうことを告げました。
(畑山)ほやけどまだ 何も教えてもうてないですよ!?
(稲葉)ああ。釉薬の調合のやり方!一個も教わってへん!
教わったんは 掃除のしかたや!雑用や!
(喜美子)ほんまに申し訳ない。このとおりや すんません!
(武志)ただいま!お帰り。
買うてきたで!ありがとう。 手ぇ洗いや。
え~ 面倒くさい。面倒くさいちゃうわ。
(マツ)ただいま~。お帰り。
お客さんやでえ。さあ どうぞ 入って入って。
えっ!?(池ノ内)キュウちゃん。
ええ…!(磯貝)じゃ~ん!
え~! ちょっと! 何で!?
いや~!えらいご無沙汰や。買いもんしてたら ばったり会うたんよ。
え~。いや もう 電話しよ思てんけどお母さんが 直接行って驚かせてやって下さい言わはって。
いや~。ご無沙汰やなあ。もう ご無沙汰しております。
10年? 10年?10年! いや もう!
ちょっと 先 紹介させてや。はい。
こっち おいで。
(三津)失礼します。
松永三津といいます。 初めまして。
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
(柴田)これな次世代展に応募する言うてやんねや。
(佐久間)はあ…それが どないかしはりました?(柴田)奥さんの作品やで?
万が一 賞なんか取ってみぃ どないする。あきませんのか。
銀座の個展の前に 奥さんの方が目立ってどうすんねんちゅうことや。
ああ…。(八郎)僕は評価されると思てますから。
独自の発想による造形力。
才能あると思てます。
そない甘い世界やないことハチさんが誰よりも分かってるやろ。
まあ ほな 黒川も応募する言うてたから一緒に持ってったるわ。
締め切りは来月頭や。そん時 また 取りに来るし。
ああ それまでにタイトル付けときよ。はい。
ほな 行くわ。 会合あるさけ お先。
ありがとうございました。またな。
ああ 俺も行こか。はい。
こういうな ひらめきと感覚だけでパッパッとやってるうちは大したことないんや。
怖いんは これに知識がついた時や。
豊富な知識に裏打ちされた自由奔放な作品ほど 怖いもんはないで。
ハチさんもなあこの受賞した作品なあ見た目の美しさもそやけど造形も なかなか前衛的や。
ハチさん そっから進化していけばよかったのになあ。
何や 落ち着いてしもうたなあ。
あかんのですか?
奥さんに才能あるなんて言うてる暇あったらもっと気張りぃ。
ありがとうございました。
♪~
(戸が開く音)
ハチさん。
何かあったん?
ああ!
じゃ~ん!え~! ご無沙汰してます!
ご無沙汰やなあ。いや えらいご活躍で。
大阪まで評判 届いてますでえ。
いや 懐かしいなあ。(池ノ内)ああ 懐かしいな。
弟子?(磯貝)女の子なんよ。東京の美術大学を去年 卒業してこれからは実践の場ぁで経験積みたい言うて。修業さしてもらえる所 探したんやけど若い女の子いうだけでどこも軒並み断られてしもて…。
まあ いうてもまだまだ陶芸は 男の世界やしねえ。
(磯貝)ほんでも諦めきれんと僕が 今 教えてる生徒のツテを頼って僕のところまで来たと。
で どないしましょって言うたら…。
で キュウちゃんがおるやんて僕が言うたんよ。
同じ女性やしキュウちゃんなら引き受けてくれる川原喜美子さんとこやったら大丈夫や言うてまあ ちょっと 勝手なあれやけど連れてきたんよ。
そしたら…。うちの一存で決めることやない…。
今 そういう余裕がないんです。個展のことで頭がいっぱいで…。
すみません 申し訳ないですわ。
う~ とりゃあ!
♪~
とりゃあ!
お母ちゃん! このおねえさんお弟子さんになったんやろ?
よろしくお願いします!
(戸が開く音)ごめんな。
さっき言うてた 松永さん。失礼します。
お仕事中 すみません。松永三津といいます。
お断りしたはずやけど…。
ほやけどどうしても話だけでも言わはってな。
お願いします!松永さんな 去年 大学を卒業したあと日本のあちこちを回ってきたんやて。
北海道から鹿児島まで焼き物の産地をたった一人で。
女の子たった一人やで?
あの! 私 ここなら大丈夫と言われててっきり弟子にして頂けると思って実家にも 一人前になるまで戻らないと宣言してきました。あの… 私…3年前でしたか 金賞受賞された…。
あっ そこに飾ってあるんよ。
ああ! これです これ!見たことあるん?
いえ 初めてです。
あっ でも 別の作家がこれをまねて作ったこれと似た色みの作品をいくつも見てます あちこちで。
一旦 世に出すと後から どんどん まねされてしまいます。
(八郎)まあ… そういうもんやさかいな。
それで あの これ! どうでしょう?
あっ ちょっと…。ちょ ちょ ちょ ちょ…。
何?焼き物の産地だけでなく原材料に使えそうなものがある所へも訪ね歩きました。
原材料…。(三津)許可を得て手に入れることができるものは手に入れてきました。
へえ~。こっちは鹿児島の桜島という所の火山灰です。
こっちは 北海道の黒浜砂鉄です。
それに… 貝殻に…石もあります。高知の桂浜で拾ってきました。桂浜…。
私は 大学で釉薬の研究をしていました。
例えば こういうのを砕いて粉末にして釉薬に加えます。
釉薬に使うのん?はい。
誰にも まねできない色みが生まれます。
こっちは 土です。これも ふだん先生がお使いの粘土にこういう よその土地で採れた異なる土を混ぜることで独自の素地が生まれます。これも また 誰にも まねできない。
貝殻なんかはこれで模様をつけても面白いと思います。
どうでしょう?
もし 弟子にして頂けるのなら先生の 今後の新しい作品作りに是非 生かして下さい!
悪いけど…僕は ここらの地域で採れたもんで作ろうと決めてます。
(三津)でも ベースは信楽の土ですよ。
そこに よその土地のものをほんの少し…。
よそもんは いりません。 使いません。僕のこだわりです。弟子も取る気はありません。どうぞ お引き取り下さい。
いや あの でも これ 全部…!喜美子。
しまうの手伝うたげ。
頑固やなあ。
はあ… 頑固オヤジちゃんや。新しいもん取り入れんで新しい作品が生まれるわけないやん。
そんなん 舌打ちの数 増えるだけやで。
(喜美子 八郎)何で大阪弁?
大学の時 つきあってた男が大阪出身です。
顔は よかったんですけどねえ。
別れて1年になります。ヒロシいいます。 さそり座でした。
何や この子…。
すみません。
何で 別れたん?(八郎)聞くんか!?
今でも好きです。
今でも好きで 好きで好きで…会いたくてたまらん。
うう~ うう…。
(八郎)何で別れたん?
弟子にしてくれたら教えます。フッ…。
ほなええ 教えんでええ。教えますよ!
別れた理由 弟子にしてくれたら!ええ言うてるやろ。
もう いじり方 間違えた…。ほんの少しだけでも新しいものを取り入れることで先生の作品は変わります!
その話するんやったら ほんまに怒るで。
ごめんな 堪忍な 諦めてくれる?
私の方こそ すみませんでした。
ぶしつけなことを言ってしまいました。
お話聞いて頂いてお話しできて うれしかったです。
あの わがまま言って すみませんでした。
すいません。うん。
ありがとうございます。
では! 失礼します!
あっ 今日は うち泊まってったらええよ。
ああ 本当 大丈夫です。 もう これ以上喜美子さんに甘えられません。
もう 日ぃ暮れてるで?日本全国 一人で回った人間ですよ。
心配ご無用! お邪魔しました!失礼します。
喜美子のことはちゃんと名前で呼んだな…。
奥さんやのうて 喜美子さんて…。
・(物音)
次世代展に喜美子の作品応募する話柴田さんにしといたで。
来月頭に取りに来るからそれまでにタイトル付けとき。
ほやけど… どうせ応募するんやったら新しいの作りたいなあ。
何で?あれ作ったん だいぶ前や。
せやけど ええ作品や。
もっとええの作るわ。
決めた。これとは違う 新しい作品を作ってそれを応募させて頂きます。締め切りまで2週間ちょっとしかないで。
かまへん。ハチさんの横で 新しい作品作りや。
一緒に前に進もうな。
なっ?


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