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【群馬】市民の力で脱原発を 耕作放棄地 営農しながら太陽光発電
農地を使って営農しながら太陽光発電を行うソーラーシェアリング。この仕組みを活用して市民の力で脱原発を進めようと、みなかみ町在住の映画監督、坂田雅子さん(72)を代表に利根沼田地区の有志らが市民団体「利根沼田市民エネルギー」を立ち上げた。今春から同地区で活動を本格化する方針。二十五日には小泉純一郎元首相を招いて講演会を開き、原発ゼロと自然エネルギー普及を訴え、活動への参加を呼び掛ける。 (石井宏昌) 坂田さんは、東京電力福島第一原発事故を受けて脱原発に向かうドイツを取材したドキュメンタリー映画「モルゲン、明日」を製作。各地で公開され、話題と共感を呼んだ。みなかみ町でも二〇一九年三月に上映され、作品や坂田さんのメッセージに賛同した有志が同年春から団体結成へ話し合ってきた。 メンバーは利根沼田地区の市議や町議、市民ボランティアら。沼田市内の農地を借用することで確保し、東京電力や経済産業省への申請手続きを進めている。太陽光パネルの下で農作物を育てる営農型発電設備を目指す。 太陽光発電施設建設は防災面や環境悪化への懸念などから住民とトラブルになるケースもあるが、坂田さんは「小規模な施設でエネルギーの地産地消を目指す」と説明。「耕作放棄地を活用して環境への負荷を抑えたい。営農により農業を振興し、地域の再生につなげたい」と意気込む。 講演会は沼田市上原町の利根沼田文化会館で午後二時から。小泉元首相が「日本の歩むべき道」と題して講演。このほか長野県上田市で自然エネルギー普及に取り組む「NPO法人上田市民エネルギー」の藤川まゆみ代表や中之条町の電力会社「中之条パワー」の山本政雄社長が「私たちにできること」をテーマに活動を紹介する。 坂田さんは「ドイツで脱原発が進んでいるのは市民が自らの地域で草の根運動として取り組んだから。映画上映の際に『私たちにもできるはず』と訴えてきた。地元から一歩を踏み出したい」と力を込めた。 講演会チケットは大人千円、高校生以下五百円。問い合わせは団体メンバーの鈴木美香さん=電090(8437)3164=へ。
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