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詩人、古事記を訳す 一
「次に成れる神の名は、国之常立神(国土の神)、次に豊雲野神《。この二柱の神も、連れ合いのない、独神の神で身を隠されていました。次に成れる神は宇比地兩神《、次に妹須比智邇神《、次に角杙神《次に妹活杙神《。次に意富斗能地神《、次に妹大斗乃辨神《。次に於母陀流神《次に妹阿夜訶志古泥神《。次に伊邪那岐神《、次に妹伊邪那美神《前記の国之常立神《から伊邪那美神《以前を、あわせて神世七代と言います。(上の二柱の独神は、各一代とし、次の男女十神は二神をあわせて一代と数える)
ここに別格なる五柱の天つ神は伊邪那岐命《、伊邪那美命《二柱の神にに詔《した。『この漂える国を固め修めよ』そして天《の沼矛《贈って委任なさった。それゆえ二神は天《の浮き橋(神が下界に降りるときに天空に浮いて架かる橋)に立って、その沼矛を油のように漂う物にさしおろしてかき混ぜました。、こおろ、こおろとかき混ぜて、沼矛をひきあげる時、その矛の先からしたたり落ちる塩が重なり積もって島となった。これが淤能碁呂島《である。その島に二神は天下りなさって、りっぱな柱を選んで立て大変広い御殿を建てられました。そうして伊邪那岐命《は、伊邪那美命《に問われました。『あなたの身はどのようにできていますか』答えられて『私の身はなりあがりましたが、いまだなりあがらない所が一カ所あります』それを聞いて、伊邪那岐命はおっしゃりました。『我が身は成り上がって成りすぎた所が一カ所あります。だから、この我が身の成りすぎた所をもって、あなたの身のなりきれない所に刺しふさいで、国土を生もうと思う。どうであろうか』・・・やや、これは山辺さんみたいなレデイのいるところでは、恥ずかしくて声にできないきわどい話しだね。今日は、来ていなくてよかったなあ・・・」と、田沼は早川君の顔を見つめてにやりとした。
「さて、先を急ぐよ。・・・伊邪那美命は、それに答えて言った。『それでよいでしょう』と。伊邪那岐命は、その言葉を受けておっしゃりました。『それならば私とあなたは、この天の御柱を反対方向にまわって巡りあったところで交わろうではないか』・・・これも、あからさまな話だねえ・・・」
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