最大14点差からの逆転劇。桐蔭学園のSO伊藤大祐主将(3年)は「3年間目指してきたタイトルを、ようやくつかめた。うれしい」と声を弾ませた。
1年時は準決勝、2年時は決勝で敗れ、届かなかった日本一。チームにとっては7度目の挑戦で初の単独優勝だ。「松島幸太朗さんたちの両校優勝に、いいかげん、決着をつけろとコーチに昨日言われたんですが、できました」
この日の決勝も、苦戦の歴史をなぞるような60分間だった。前半を11点ビハインドで折り返し。だが、後半にスイッチが入った。
鉄壁のディフェンスを誇る御所実に対し、あえてFWが肉弾戦を挑んだ。後半6分にロック青木がトライを決め、ゴールも決まり4点差。そして迎えた同16分。自陣で相手キックを捕った伊藤が御所実のタックラーを次々にかわし、豪快に前進してFB秋浜にラストパス。ついに逆転だ。
「去年、ここを経験していたから冷静に戦えた。これまで歴史をつくってきた先輩方と(藤原)監督に感謝します」と伊藤。春からは早大に進学し、先輩が駆けた世界の舞台を目指す。