-【「翔んで埼玉」魔夜峰央先生・作画】『HPVワクチンを打ってないですって!?』出来ました!!-

2020.01.07

子宮頸がんや尖圭コンジローマは、ワクチンで予防できます。魔夜ワールド全開の無料冊子は、当院で入手できます。

 

 

【まとめ】

 

☆漫画冊子『HPVワクチンを打ってないですって!?』を、各院で無料配布中。(オンライン非公開です)

 

☆作画はあの『翔んで埼玉』『パタリロ!』で大人気の、魔夜峰央先生。魔夜ワールド全開のストーリーもお楽しみください。

 

☆さっそくナビタスクリニック立川・新宿・川崎で冊子をゲット!今回は「HPVワクチン、これだけは」をまとめます。

 

 

 

『翔んで埼玉』の魔夜峰央先生によるHPVワクチンマンガ冊子、必笑です!

 

 

あけましておめでとうございます。今年もナビタスブログをどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

さて、ナビタスクリニック各院で年末から無料配布中漫画冊子『HPVワクチンを打ってないですって!?』、もうご覧になられたでしょうか?

 

 

今回は、『翔んで埼玉』『パタリロ!』で大人気の魔夜峰央先生の作画。魔夜ワールド全開のストーリーを楽しみながら、HPVワクチンについての正しい知識を皆さんに知っていただこう、という企画です。

 

 

監修は、ナビタスクリニック理事長の久住英二医師。発行は、ワクチンの企業内等での集団予防接種(ナビタスクリニックも協力しています!)をコーディネートしている、レクタス株式会社です。同社は、HPVワクチンの正しい理解と普及のために今回の冊子を作成し、当院他の医療機関向けに販売しています。

 

 

HPVワクチンの普及に力を入れるナビタスクリニックも、このアイディアに賛同して今回の企画が実現しました!

 

 

ただし、当院が先に作成したヒロカネプロダクション描き下ろしの漫画冊子『ワクチン接種のすすめ』(トラベルワクチン、こちらとは違い、こんどの冊子はオンライン非公開。ストーリーなどの中身は、ネタバレしてしまうのでこちらでもお見せできません。その面白さは実物をぜひお手に取ってお確かめください。

 

 

そこで今回は、久住医師が精力的に活動してきたHPVワクチンについて、「これだけは」という重要事項をまとめたいと思います。

 

 

HPVワクチン、きほんのき。HPVって何? どういうワクチン?

 

 

HPVワクチンは子宮頸がんや中咽頭がん、陰茎がん、肛門がんなどを引き起こす「ヒトパピローマウイルス」(HPV)への感染を防ぐワクチンです。

 

 

子宮頸がんの原因のほぼ100%は、HPV感染によるものと言われます。また、がんだけでなく、性器にできる尖圭コンジローマといったイボもHPVの仕業です。

 

 

HPVは、性交渉によって感染します。性交経験のある女性の50~80%は、生涯に一度は感染するとも言われます。感染しても自然に排除されることも多いのですが、1回の感染でも発症する可能性があるため、性交渉前に接種を受けておけば万全です。

 

 

実際、子宮頸がんは他のがんと比べてかかりやすい年齢が低く、25歳から急増します。国内では年間1万人が発症し、約2,900人が亡くなっています

 

 

日本産婦人科医会

 

 

HPV自体は全部で100種類ほどあり、そのうち14種類ほどががんを引き起こすことが分かっています。HPVワクチンは、がんのリスクが高いHPVを複数カバーするように作られています。

 

 

 

 

国内で女子中高生に定期接種化(無料)されているワクチンの「サーバリックス」や「ガーダシル4」なら、子宮頸がんの7割を予防できます。ナビタスクリニックでも個人輸入している最新ワクチン「ガーダシル9」なら、9割を予防できます。

 

 

 

 

HPVワクチンの誤解も一笑に付す魔夜ワールド――「副作用」とされる現象の真実。

 

 

と小見出しを掲げておきながら、どう「一笑に付す」ことができるのかは、漫画を読んでのお楽しみ(あしからず)。ここではHPVワクチンへの「誤解」について、正しいところを知っていただきたいと思います。

 

 

HPVワクチンのお子さんへの接種を躊躇する親御さんは、まだまだ少なくないようです。その理由が、誤解に満ちた“副作用”のウワサ

 

 

注射部位の腫れやかゆみ、赤みなどは、多くの方がどんな注射でも想定の範囲内でしょう。問題は、「HPVワクチンのせいで失神した」「HPVワクチンの副作用で、歩行障害やてんかんのような症状が出た」といった、正確ではない副作用情報が出回っていることです。

 

 

 

 

しかし、接種直後の失神は、注射そのものの痛みや恐怖が引き起こす血管迷走神経反射」と呼ばれる反応で、ワクチンによるものではありません。HPVワクチンに限った反応ではなく、他の予防接種や注射でも、心理状態等によって起こりうる、ということです。

 

 

また、全国調査(名古屋スタディでも、歩行障害やてんかんのような症状は、HPVワクチン接種を受けていない人にも同じくらいの頻度で見られることが明らかになっています。

 

 

 

 

ところが日本では、2013年の定期接種化後まもなく、HPVワクチン反対派の運動が活発化。メディアも同調し、「副作用」の誤解やウワサが、センセーショナルな画像・映像とともに広まりました。

 

 

その結果、厚労省もHPVワクチンの積極的勧奨をわずか2カ月余りで取り下げる事態に。すると当時、70%を超えて上がってきていた接種率は急降下一昨年には1%を割り込み、昨年にはとうとう0.3%という危機的状況にまで下がってしまったのです。

 

 

日本産婦人科医会

 

 

10代前半での接種が有効な理由とは? 打つタイミングで効果に差はある?

 

 

世界的には、HPVワクチンは他のワクチンと同様、「必ず打つべき」ワクチンとの認識が共有されています。先進国で接種率1%未満というのが、どれだけ異常事態かは、グラフをご覧いただければ一目瞭然です。

 

日本産婦人科医会

 

 

打つ時期も重要です。HPVの感染経路は性交渉。ですから、未経験のうちに接種しておくことで、感染をきっちり防ぐことが可能です。

 

 

実際、スコットランドでは、HPVワクチン政策の変遷で、生まれた年によりHPVワクチン接種の状況が違うため、有効率にも差が出ています。14万人近い女性の調査を行ったところ、12-13歳の時に9割以上がHPVワクチン接種を受けている世代と、それ以前の受けていない世代では、子宮頸がんの発見率に大きな差が出ました(グラフ)。

 

Yokohama HPV Project

 

 

さらに、ワクチンを受けた年齢で比べると、12-13歳と17歳では、12-13歳で受けた方が、より子宮がん予防に効果的でした。

 

 

また、接種率が9割以上の世代では、HPVワクチン接種を受けていない女性の子宮がん発症予防効果も見られました。HPVワクチンの接種率を100%近くに高めることで、「集団免疫」の効果もあることが確認できたのです。

 

 

男性もぜひ接種を! 自分のためにも、現在未来のパートナーのためにも。

 

 

さて、主に「子宮頸がんワクチン」として知られてきたこともあり、これまで男性の方々は「自分は無関係」と思われてきたのではないでしょうか。HPVワクチン定期接種の対象者も、日本では女子中高生となっています。

 

 

しかし、繰り返しますがHPVの感染経路は、性交渉。要するに、男性から女性にうつし、女性が発症する、という流れが途中に介在しています。

 

 

そのため、女性だけHPV感染を予防しても、HPVの撲滅にはなかなか至りません。そこで、米国やオーストラリアでは女児だけではなく、男児もHPVワクチンの定期接種対象となっています。

 

 

(shutterstock/Africa Studio)

 

 

これにより、オーストラリアでは子宮頸がんが激減。今後10年で子宮頸がんを撲滅できるだろう、という研究も発表されています。

 

 

もちろん、子宮頸がん以外にも、中咽頭がん、肛門がん、陰茎がん、尖圭コンジローマなども、HPVの仕業。HPVワクチンは男性自身を守るものでもあります。自身や自分の大切な人たちを守るためにも、すべての男性が早い段階でHPVワクチンを受けることが望まれます

 

 

 

 

今年こそ、まずはHPVワクチンの積極的勧奨再開、そしてぜひ日本でも男性の定期接種化を期待したいですね。

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